がん検査
がんの初期症状とは?似ている病気と早期発見のためにできることを解説
- 公開日: 9/1/2025
- |
- 最終更新日: 9/1/2025

「最近なんとなく体がだるい」「体重が減ってきた気がする」
そのような小さな体調の変化に対して「がんかもしれない」と不安になる方もいるでしょう。
がんは初期に症状が出にくく、気づいたときには進行しているケースも少なくありません。そのため、早期発見できるかどうかが予後を大きく左右します。
この記事では、がんの初期症状や似ている病気との違い、進行してから現れる症状について詳しく解説しています。
さらに、ステージ1からがんリスクを調べられる「マイシグナル・スキャン」についてもご紹介します。
がんに対して漠然とした不安を抱いている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
主ながんの初期症状

がんによる初期症状は気づきにくく、「疲れのせい」「風邪をひいた」と思い込んで見逃してしまうこともあります。
初期症状が現れにくいがんの代表例として、以下があげられます。
- 疲れやすい・倦怠感・発熱
- 長引く咳や痰
- 原因不明の痛みやしこり
- 出血
がんに対して不安を抱いている方は、あてはまる症状がないかチェックしてみてください。
疲れやすい・倦怠感・発熱
白血病などの血液系のがんの初期症状として、疲れやすさや倦怠感、微熱といった風邪に似た症状が続くことがあります。
通常の疲れは休養で回復しますが、がんによる倦怠感は休んでも改善しにくく、長期間続くことも少なくありません。
また、白血病ではあざができやすい、出血が止まりにくいといった症状を伴うこともあります。
こうした症状は「忙しさによる疲れ」や「風邪が長引いているだけ」と思われがちですが、慢性的に続く場合は体からの重要なサインである可能性があります。
長引く咳や痰
咳や痰の症状は風邪やアレルギー、喘息などでも現れますが、肺がんの初期症状である場合もあります。
肺がんの場合は咳のほかに、痰に血が混じる・胸が痛い・息苦しいなどの症状が現れる場合もあります。
*日本癌治療学会 がん診療ガイドライン 肺癌診療ガイドライン2021年版第1部(肺癌の分類〜Ⅱ)
しこり
しこりも、がんの初期にみられるサインのひとつです。
乳房や首、わきの下、腹部などにしこりがある場合は、乳がんやリンパ腫などの可能性があります。
しかし、すべてのしこりががんというわけではありません。たとえば感染症でリンパ節が腫れることは珍しくなく、多くは数週間で自然に小さくなります。
しこりの原因がわからなかったり、徐々に大きくなったりする場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
*大分大学医学部 腫瘍・血液内科学講座 悪性リンパ腫のはなし
出血
がんのサインとなり得る出血として、以下のような症状があげられます。
これらの症状は、膀胱炎や性感染症、歯周病などでも現れるため、見逃してしまうケースも少なくありません。
たとえ一度きりの出血でも、医療機関を受診することで早期発見につながる可能性があります。
がんの症状と似ている疾患
がんの初期症状のなかには、身近な病気と似ているものが少なくありません。
血尿や咳、体重減少や食欲不振といった症状は、膀胱炎や肺炎、胃潰瘍などでもよくみられるため、「よくある症状」として見過ごされがちです。
ここでは、がんと似た症状を示す疾患について解説していきます。
血尿を伴う症状は膀胱炎や尿路結石と間違われやすい
血尿は膀胱がん・腎臓がん・前立腺がんの初期症状として現れることがありますが、膀胱炎や尿路結石などの病気でもよくみられる症状です。
そのため「また膀胱炎かな」「石ができたのかもしれない」と思い込み、受診が遅れてしまうケースもあります。
症状の違いとして、膀胱炎では排尿時に痛みを伴うことが多く、尿路結石でとくに尿管に結石がある場合は、背中やわき腹に強い痛みを感じることがあります。
一方で、がんによる血尿は痛みを伴いにくいのが特徴です。
血尿は、たとえ一度きりでも体からの重要なサインの可能性があります。痛みを伴わなくても油断せず、早めに泌尿器科を受診して原因を確認しましょう。
*JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015―尿路感染症・男性性器感染症―(P4)
*尿路結石症 診療ガイドライン(P22)
長引く咳や血痰は気管支炎や肺炎と勘違いされることも
肺がんの初期症状として現れる咳や痰は、風邪や気管支炎、肺炎などでもみられます。そのため「よくある症状」として見過ごし、肺がんの発見が遅れてしまうこともあります。
風邪やアレルギーによる咳は、咳喘息のように慢性化する場合を除けば、数日から一週間ほどで自然に治まるのが一般的です。一方で、がんによる咳は数週間以上続くことがあり、薬で改善しにくい傾向があります。
長引く咳をただの風邪と自己判断せず、症状が改善しない場合や血痰がみられる場合は早めに呼吸器内科を受診するようにしましょう。
体重減少や食欲不振は胃潰瘍や糖尿病の症状と似ている
急な体重減少や食欲不振は、胃がんや膵臓がんなどの消化器系のがんでみられる症状です。がんが進行して全身に広がった場合も、全身に炎症が起きることで倦怠感と共に同様の症状が現れます。
しかし、食欲不振や体重減少などの症状は、胃潰瘍や糖尿病などの病気でも現れます。
区別が難しいですが、胃潰瘍では食後の胃痛、糖尿病では喉の渇きや頻尿といった症状が特徴的です。
原因不明の体重減少や食欲不振が続く場合は、単なる疲れや一時的な体調不良と自己判断せず、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
*日本緩和医療学会 食欲不振
*jascc がん悪液質ハンドブック
*近畿大学 メディカルサポートセンター 胃・十二指腸潰瘍について
*厚生労働省 糖尿病に関する留意事項
症状が出にくいがんの例と進行してから現れるサイン
がんのなかには、初期症状がほとんどなく早期発見が難しいケースもあります。
症状が現れにくいがんの例として、以下があげられます。
- 膵臓がん
- 卵巣がん
- 大腸がん
- 肺がん
ここでは、早期発見が難しいがんについて、特徴や進行に伴って現れる症状を解説します。
膵臓がん
膵臓がんは、日本での罹患数は8位と比較的多くはありませんが、死亡数では3位に入っており、予後が厳しいがんとして知られています。
初期段階の膵臓がんは自覚症状が現れにくく、他の病気の検査や経過観察の際に偶然発見されるケースがほとんどです。
膵臓がんは、進行すると以下のような症状が現れます。
- 腹痛
- お腹の張り
- 黄疸
- 食欲不振
- 腰・背中の痛み
症状が出るころにはすでに進行しているケースが多く、早期発見の難しさから「沈黙のがん」とも呼ばれています。
*国立がん研究センター がん情報サービス 膵臓がんについて
*国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」2021年(全国がん登録)
*国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」2023年(厚生労働省人口動態統計)
卵巣がん
卵巣がんは「サイレントキラー」とも呼ばれ、初期にはほとんど自覚症状がありません。卵巣が骨盤内の奥に位置するため、小さな腫瘍があっても痛みや不快感をもちにくい傾向があります。
卵巣がんが進行すると、以下のような症状が現れます。
- お腹が張る
- 下腹部にしこりを感じる
- 頻尿
- 便秘
- 足のむくみ
- 食欲不振
腹水がたまるなど明らかな変化が現れてからようやく気づくケースも多く、早期発見の難しさにつながっています。
*国立がん研究センター がん情報サービス 卵巣がん・卵管がんについて
大腸がん
大腸がんは、日本で最も多く発症するがんであり、死亡数も2位に位置しています。初期にはほとんど自覚症状がなく、健康診断や内視鏡検査で偶然見つかるケースが少なくありません。
大腸がんが進行すると、以下のような症状が現れます。
- 便に血が混じる
- 貧血
- 下痢や便秘
- お腹の張り
- 便が出ない
- 腹痛
- 嘔吐
大腸がんの早期発見には、がん検診で行う「便潜血検査」が有効です。
*国立がん研究センター がん情報サービス 大腸がん(結腸がん・直腸がん)について
*国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」2021年(全国がん登録)
*国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」2023年(厚生労働省人口動態統計)
肺がん
肺がんは、日本のがん死亡原因の1位です。初期には自覚症状が現れにくく、健康診断の胸部X線やCTで偶然見つかることもあります。
肺がんが進行すると、以下のような症状が現れます。
- 咳
- 痰・血痰
- 胸の痛み
- 息苦しさ・動悸
- 発熱
肺がんで最も多くみられる症状は、咳や痰です。原因がわからないまま2週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。
*国立がん研究センター がん情報サービス 肺がんについて
*国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」2023年(厚生労働省人口動態統計)
がんを早期発見するためにできること
がんは初期段階では症状が出にくいため、気づいたときにはすでに進行しているケースも少なくありません。
だからこそ、症状が出るのを待つのではなく、自分の行動で早期発見につなげることが大切です。
ここでは、がんを早い段階で見つけるための具体的な方法をご紹介します。
定期的に健康診断やがん検診を受ける
がんの早期発見に欠かせないのが、定期的な健康診断やがん検診の受診です。
がんは初期の段階では自覚症状がほとんどないことが多く、体調の変化だけで気づくのは難しい病気です。そのため、無症状のうちに検診で発見できるかどうかが、予後を大きく左右します。
検診で早期発見が期待できるがんは、以下の5種類です。
がん種 | 対象年齢 | 推奨頻度 | 検診項目 |
胃がん | 40歳以上※胃部X線検査は40歳以上に対し実施可 | 2年に1回※胃部X線検査は年1回実施可 | 問診胃X線検査胃内視鏡検査 |
子宮頸がん | 20歳以上 | 2年に1回 | 問診子宮頸部細胞診内診 |
乳がん | 40歳以上 | 2年に1回 | 問診マンモグラフィ(乳房X線) |
肺がん | 40歳以上 | 1年に1回 | 問診胸部X線喀痰細胞診※ 50歳以上で喫煙指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)600以上の方が対象 |
大腸がん | 40歳以上 | 1年に1回 | 問診便潜血検査 |
検診は「まだ大丈夫」と思って後回しにしがちですが、早期のがんを見つけるために有効な方法のひとつです。
年齢が上がるほどがんのリスクは高まるため、定期的にがん検診を受診するようにしましょう。
家族歴がある場合は定期的な検査を
がんは多くの場合、生活習慣や加齢による後天的な遺伝子変異が積み重なることで発症します。
しかし、親や兄弟姉妹など近い血縁者にがんを経験した人がいる場合、自分自身も同じ部位のがんになるリスクが高まることもあるのです。
なかには、生まれつき持っている遺伝子の変異が大きく関与する「遺伝性腫瘍」と呼ばれるがんも存在します。代表的なのは、大腸がん・乳がん・子宮体がん・卵巣がん・膵臓がんなどです。
特に比較的若年でがんを発症した血縁者が複数いるなど、遺伝によるがんリスクが気になる場合は、専門機関で受けられる「遺伝カウンセリング」を活用するのもひとつの手です。
また、がんの発症リスクにかかわる遺伝子多型を自宅で簡単に調べられる「マイシグナル・ナビ」という選択肢もあります。※単一遺伝子の変異により発生する遺伝性腫瘍に関する検査は対象外です。
*国立がん研究センター がんゲノム情報管理センター 遺伝性腫瘍と遺伝カウンセリング
自宅でできるがんリスクチェックも選択肢のひとつ
がんは自覚症状が出てからでは、すでに進行していることも少なくありません。
なかでも膵臓がんや卵巣がんは、現時点で有効性が確立された検診方法がないため、早期に見つけるのがとくに難しいがんとして知られています。
このようながんを早期発見する方法として、近年「がんリスクチェック」が注目されています。
尿などの体液を採取して送るだけで、複数のがんリスクを一度に調べられるサービスです。忙しくて検診に行けない方や、病院に抵抗がある方でも手軽に利用できます。
無症状のうちに自身のがんリスクを知ることで、生活習慣の改善や医療機関の受診につながり、早期発見の可能性を高めることができます。
\すい臓がんもステージ1から/
尿でがんのリスク検査
「マイシグナル・スキャン」
尿のマイクロRNAを調べ、がんリスクをステージ1から判定。早期発見が難しいとされるすい臓がんをはじめ、日本のがん死亡総数の約7割を占める10種のがんリスク※を、⼀度でがん種別に調べます。
- ※ 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
ステージ1から検出できるがんリスク検査「マイシグナル・スキャン」
マイシグナル・スキャンは、膵臓がんや卵巣がんを含む、胃・大腸・肺・乳房・食道・腎臓・膀胱・前立腺の10種類のがんリスク※をステージ1から検出できるがんリスク検査です。
検査方法は、尿を専用キットで採取して送るだけ。痛みがなく、食事や運動制限もないため、ストレスを感じることなく検査を受けられます。
マイシグナル・スキャンはリスクが高いがん種を特定できるため、「どの診療科を受診すればいいか」まで明確にわかります。
がんに対して漠然とした不安を抱いている方は、この機会にマイシグナル・スキャンを活用して、確かな安心につなげてみませんか。
※ 卵巣がん・乳がんは女性のみ、前立腺がんは男性のみ検査対象となります。
がんの初期症状を知って早期発見につなげよう
がんは初期症状が現れにくいため、気づいたときにはすでに進行しているケースもあります。
また、血尿や咳、体重減少といった症状はがん以外の病気でも起こりやすく、「よくある体調不良」と自己判断して見逃されることも少なくありません。
がんを早期発見するためには、定期的ながん検診や必要に応じた精密検査に加え、自宅で簡単に受けられる「マイシグナル・スキャン」によるがんリスクチェックなどの選択肢があります。
「不安だけど病院に行くほどではない」と感じている方も、がんリスクチェックを活用することで、自分の体の状態を客観的に把握できるでしょう。
これからの健康のために、今できることからはじめてみませんか。
\すい臓がんもステージ1から/
尿でがんのリスク検査
「マイシグナル・スキャン」
尿のマイクロRNAを調べ、がんリスクをステージ1から判定。早期発見が難しいとされるすい臓がんをはじめ、日本のがん死亡総数の約7割を占める10種のがんリスク※を、⼀度でがん種別に調べます。
- ※ 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
この記事の監修者

近藤理美
臨床検査技師 医療ライター
急性期病院で8年間臨床検査技師として勤務。
自身の臨床経験と確かなエビデンスを元に、医療メディアを中心として記事を執筆