がんの症状
腎臓がんの症状とは?似ている疾患や早期発見のための検査方法も解説
- 公開日: 8/25/2025
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- 最終更新日: 8/25/2025

腎臓がんは「痛みのない血尿」や「背中や腰の鈍い痛み」など、ごくありふれた症状が最初に現れることがあります。
だからこそ、「膀胱炎?」「ただの疲れかも…」と見逃してしまう方も少なくありません。
しかし、腎臓がんは初期段階で症状が現れにくいため、気づいたときにはすでに進行しているケースも少なくありません。
そこで本記事では、腎臓がんで現れやすい症状や他の疾患との違い、どのような検査を受けるべきかをわかりやすく解説します。
「病院に行くのはちょっと不安…」という方に向けて、自宅でできるがんリスクチェックという選択肢もご紹介。
腎臓がんに不安を抱いている方は、まずは知ることからはじめてみましょう。
目次
腎臓がんとは?

腎臓の主な役割は、血液をろ過して尿を作り出すことです。
腎臓がんのなかでは、腎皮質や髄質にできる「腎細胞がん」が最も多く、がんのできる場所や種類によって症状や治療法が異なります。
腎臓がんは、進行すると肺や骨、肝臓などに転移することがあります。
*国立がん研究センター がん情報サービス 腎臓がん(腎細胞がん)について
腎臓がんの原因とリスク因子
腎臓がんの原因やリスク因子には、生活習慣や遺伝的要因が知られています。
生活習慣で腎臓がんのリスクを高めると考えられているのは、喫煙と肥満です。塩分の高い食生活も、高血圧を引き起こすことで腎臓がんの原因につながるとされています。
また、長期間にわたって腎透析を受けている人は腎臓がんになりやすく、健康な人と比べてリスクが男性が約9.7倍、女性が約11.0倍高くなるというデータもあります。
腎臓がんの発症には、特定の遺伝子変異も関係していることがいくつか報告されています。例としては、von Hippel-Lindau(VHL)病患者の約半数が腎臓がんを発症するとされています。
腎臓がんのリスクが高まる疾患がある場合は、定期的なスクリーニング検査が推奨されます。
*日本癌治療学会 がん診療ガイドライン 腎がん
*腎がん診療ガイドライン2017年版
腎臓がんで現れる主な症状
腎臓がんで現れる症状として、以下があげられます。
- 血尿
- 腰や背中の鈍い痛み
- 体重減少・発熱
腎臓がんに不安を抱いている方は、あてはまる症状がないかチェックしてみてください。
血尿
腎臓がんで現れやすい症状として、痛みを伴わない血尿があります。
血尿の程度によって、ピンク色や赤色、褐色の尿がみられます。目に見えないほど微量な血尿の場合は、健康診断などではじめて指摘されるケースもあるでしょう。
血尿が続く場合や、他の体調変化とともに現れる場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
*東京女子医科大学病院 泌尿器科 腎臓病総合医療センター 腎臓がん:種類と症状
腰や背中の鈍い痛み
腎臓がんが進行して骨転移すると、腰や背中に鈍い痛みを感じることがあります。
この痛みは、がん細胞が骨を破壊したり、周囲の神経を圧迫することで起こります。骨転移による痛みは慢性的に続き、体を動かすことで強くなりやすい傾向です。
そのほかに、腎臓から膀胱へとつながる尿管が腫瘍で閉塞し、尿が腎臓へ逆流することで腰痛が生じることもあります。
体重減少・発熱
がんが全身へ広がると、体重減少や発熱といった全身症状が現れることがあります。
とくに、過去半年間で体重が5%以上減少している場合、がんによって起こる複合的な代謝異常である「がん悪液質」が原因の可能性もあります。
食事量が減っていないのに数か月で体重が落ちたり、繰り返し微熱が出たりする場合は、早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
腎臓がんと症状が似ている疾患
腎臓がんと症状が似ている疾患として、以下があげられます。
- 膀胱炎
- 尿路結石
- 急性前立腺炎
腎臓がんの症状と似た疾患について知り、違いを明確にしましょう。
膀胱炎
腎臓がんと膀胱炎はどちらも血尿を引き起こすことがありますが、症状の現れ方が異なります。
膀胱炎は、多くが膀胱に細菌が感染して炎症が起こる病気です。膀胱炎では、尿が濁ったり、排尿時に強い痛みを感じたりすることが多いですが、腎臓がんではそのような症状はあまりみられません。
腎臓がんでは、痛みを伴わない血尿が断続的にみられることがあり、症状が進行するまで気づきにくいことがあります。
*JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015―尿路感染症・男性性器感染症―(P4)
尿路結石
尿路結石は、腎臓から尿道までの尿路に石ができる疾患です。
主な症状として、血尿のほか、とくに尿管に結石ができると強い腹痛が起こります。尿路結石の痛みは波のように急激に現れ、血尿も痛みと同時に出ることが多い傾向です。
一方、腎臓がんでは血尿が痛みを伴わずに現れるケースが多く、進行してからはじめて鈍い腰痛などが出現することがあります。
急性前立腺炎
急性前立腺炎と腎臓がんは、いずれも血尿や腰痛を引き起こすことがありますが、全身症状や進行のスピードに違いがあります。
急性前立腺炎は主に細菌感染が原因で、38℃以上の高熱や倦怠感、排尿困難、会陰部(肛門と性器の間)の痛みといった急激な症状が特徴的です。
これに対して腎臓がんは、初期は無症状の場合も多く、血尿も痛みや発熱を伴わずに出ることが多いです。
*JAID/JSC 感染症治療ガイドライン 2015―尿路感染症・男性性器感染症―(P21)
腎臓がんは初期症状がほとんど現れないケースもある
腎臓がんは早期発見が非常に難しく、がんが進行するまで気づかないことがあります。
実際に、診断される人の多くが、別の病気の経過観察や定期健診の際に偶然発見されています。
とくに初期の腎臓がんは、痛みや不調などの明確な症状が現れにくいため、健康診断や定期的な検査を受けない限り、発見が遅れやすいのです。
しかし、早い段階で腎臓がんをみつけることができれば、治療方法の選択肢が増え、予後の向上も期待できます。
腎臓がんを早期発見するためには、定期的に健康診断を受け、体調に異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
腎臓がんを疑う際に行う検査
腎臓がんを疑う際には、以下の検査を行います。
- 画像検査
- 血液検査
- 病理検査
それぞれの特徴について解説しているので、参考にしてみてください。
画像検査
腎臓がんの有無や進行度を調べるために、以下の画像検査を行います。
検査方法 | 役割 | 特徴 |
腹部超音波検査 | スクリーニング | 超音波を使用して腎臓や周辺の臓器をリアルタイムで観察できる痛みがなく、非侵襲的な検査であるがんの大きさや形によっては検出できない場合がある |
CT | 診断や転移の評価 | X線を使って体の断面画像を作成する診断のために造影剤を用いて検査を行う肺への転移を疑う場合、胸部のCT検査を行う場合がある |
MRI | がんの大きさや浸潤の評価 | 強力な磁場とラジオ波を用いて体の内部を詳細に画像化できるCTで診断が難しい場合に実施する |
腎臓がんのスクリーニング検査には腹部超音波検査、確定診断にはCTが有効です。これらの画像検査を組み合わせ、腎臓がんの有無や進行度を評価します。
*国立がん研究センター がん情報サービス 腎臓がん(腎細胞がん)について
血液検査
血液検査で測定する項目として、以下があげられます。
目的 | 検査項目 |
腎機能の評価 | クレアチニンBUN |
炎症反応の評価 | CRP |
がんの評価 | カルシウムLDH総蛋白アルブミン |
血液検査は、全身状態や腎機能の状況を評価するために重要ですが、単独で腎臓がんの有無は診断できません。
生検
生検は、がん組織そのものを詳しく調べる検査で、腎臓がんの確定診断には不可欠です。
通常、画像検査でがんが疑われた場合、手術や生検で組織を採取し顕微鏡で観察します。生検でがんの有無や種類、性質を確認することで、今後の治療方針や予後の予測に役立ちます。
腎臓がんは早期発見により予後の改善が期待できる
腎臓がんは、初期の段階ではほとんど自覚症状がないこともあり、進行するまで気づかないケースも少なくありません。
しかし、早期の段階で腎臓がんを発見できれば、治療の選択肢が広がり、体への負担も抑えられます。
腎臓がんは、ステージ4で発見された場合の5年実測生存率は18.5%と大きく低下しますが、ステージ1の段階で見つかれば95.0%と非常に高く、早期発見が予後の改善に直結します。
とくに腫瘍が小さいうちに手術で切除できれば、腎臓の機能を残しやすくなり、再発や転移のリスクも低くなるでしょう。
*国立がん研究センター がん情報サービス 院内がん登録生存率集計結果閲覧システム(2014-2015年5年生存率)
自宅でできるがんリスクチェック「マイシグナル・スキャン」
がんに対する不安がある方には、自宅で簡単にできるがんリスクチェック「マイシグナル・スキャン」がおすすめです。
\すい臓がんもステージ1から/
尿でがんのリスク検査
「マイシグナル・スキャン」
尿のマイクロRNAを調べ、がんリスクをステージ1から判定。早期発見が難しいとされるすい臓がんをはじめ、日本のがん死亡総数の約7割を占める7つのがんリスク※を、⼀度でがん種別に調べます。
- ※ 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
マイシグナル・スキャンは、膵臓・胃・大腸・肺・乳房・卵巣・食道・腎臓・膀胱・前立腺の10種類のがんリスク※を、ステージ1から検出できます。
検査の手順は、自宅で尿を採取して送るだけ。食事・運動制限がなく、身体への負担も少ないため、ストレスなく検査を受けられるでしょう。
検査結果にもとづき、必要であれば次のステップを提案するので、早めの対応につなげられます。
「忙しくてがん検診に行けていない」「症状はとくにないけど、がんが不安」という方は、がんリスクチェックという選択肢を日常に取り入れてみませんか。
※ 卵巣がん・乳がんは女性のみ、前立腺がんは男性のみ検査対象となります。
腎臓がんの症状でよくある質問
腎臓がんの症状に関して、よくいただく質問に回答します。
- 腎臓がんは腫瘍マーカーでわかりますか
- 腎臓がんの進行スピードは早いですか
腎臓がんについて正しく理解し、根拠のない不安を解消しましょう。
腎臓がんは腫瘍マーカーでわかりますか
腎臓がんには、現時点で診断補助や治療効果の確認に使用できる特定の腫瘍マーカーは存在していません。
腎臓がんを疑う場合には、その他の血液検査や画像検査、病理検査など、複数の検査を組み合わせて判断する必要があります。
腎臓がんの進行スピードは早いですか
腎臓がんの種類や個々の症例によって異なりますが、腎臓がんは他のがんと比較して進行が遅いがんとされています。
しかし、腎臓がんは初期症状がないことも多く、みつかったときには、腫瘍がかなり大きくなっていたり、転移していたりすることもあります。
腎臓がんを早期発見するためには、定期的な健康診断や、がんリスクチェックを受けることが大切です。
まとめ
腎臓がんは自覚症状が少なく、発見が遅れやすい特徴があります。
しかし、日常的な健康意識と定期的な検査によって、早期発見・早期治療は可能です。
初期のうちに見つけることができれば、治療の負担が軽減され、予後の改善も期待できるでしょう。
不安や疑問を感じたときは一人で抱え込まず、積極的に医療機関を受診したり、自宅でできるリスクチェックを活用したりしてみてください。
自分の体調を見つめ直し、小さな変化を見逃さない心がけが、自分と大切な人の安心につながります。
\すい臓がんもステージ1から/
尿でがんのリスク検査
「マイシグナル・スキャン」
尿のマイクロRNAを調べ、がんリスクをステージ1から判定。早期発見が難しいとされるすい臓がんをはじめ、日本のがん死亡総数の約7割を占める7つのがんリスク※を、⼀度でがん種別に調べます。
- ※ 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
この記事の監修者

近藤理美
臨床検査技師 医療ライター
急性期病院で8年間臨床検査技師として勤務。
自身の臨床経験と確かなエビデンスを元に、医療メディアを中心として記事を執筆