マイシグナル
マイクロRNAとは?がん検査との関係とマイシグナル®の仕組み
- 公開日: 1/16/2023
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- 最終更新日: 8/2/2024
先生
尿からがんを発見できるなんて不思議ですよね!マイシグナルでは尿に含まれているがん細胞のサインを探して、がんを見つけます。そのサインが「マイクロRNA」という物質です。
質問者
ま、マイクロRNA?聞いたこともないし難しそうですね……。
マイクロRNAという言葉自体聞いたことがない、という方も多いのではないでしょうか。
がんリスク検査「マイシグナル」の仕組みを解説する上でマイクロRNAはキーワードになります。 ここでは、誰でも理解できるように簡単に分かりやすく説明しているので是非最後まで読んでみてください。
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50歳を過ぎるとすい臓がんの発症率が上昇。特に初期段階では症状がほとんど出ないため、病院に行くタイミングが遅くなってしまいがちです。 マイシグナル®なら自宅で尿を採取するだけで、すい臓がんのリスク検査ができます。
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マイシグナル®が尿からがんを発見するまでの流れ
先生
まずはマイシグナルの検査の流れを簡単に説明していきましょう。
検査の流れとしては複雑ではありません。
がん検査を受ける人は、尿を提出するだけなので痛みもなく、手間もかからないでしょう。医療機関へ足を運ぶ必要もないので忙しくても定期的に簡単に検査を受けられます。
尿のサンプルを提出してから結果が戻ってくるまで、約1ヵ月です。
マイクロRNAとは細胞間コミュニケーションを担う物質
それでは今回のキーワードであるマイクロRNAについて分かりやすく説明しましょう。
質問者
RNAって聞いたことはある気はするけど、何でしたっけ?遺伝子とかDNAみたいなものですか?
先生
まずは一つ一つ整理していきましょう。
私たちの身体は数十兆個以上もの細胞からできており、その一つ一つに核があります。その核の中にいわば体の設計図としてDNAが保存されています。この設計図の情報を元にわたしたちの体が作り出されているんですね。
この体の設計図(遺伝子)の情報を元に、私達の体の中ではタンパク質が作られます。作られたタンパク質は、皮膚・筋肉・臓器などの成分でとても重要なんだ。このタンパク質が働くことで、呼吸をしたり、運動したり、食べたり、病気と戦ったり、私たちの日々の身体の活動が成り立っているのです。
質問者
なるほど。ではRNAとは?
先生
DNAの設計図の情報を、タンパク質を作る工場に運ぶ役割を果たすのがメッセンジャーRNAです。このメッセンジャーRNAが働くことによって、はじめてタンパク質が作られます。
質問者
なるほど!情報を伝達する役割だから「メッセンジャー」って名前がついているんですね。生物の授業で聞いたことがある気がします…
先生
そのとおりです。ただ、最新の研究でRNAにはメッセンジャーRNA以外にもたくさんの種類があることが分かってきました。
参照:
- RNAの種類の一覧。miRNAがマイクロRNA
質問者
こんなにあるんですか!?
先生
たくさんありますよね、こんなに覚えなくてももちろん大丈夫です。ただ重要なのは、これまでは重要なRNAといえば「メッセンジャーRNA」だけだと考えられていたけど、他にも体の中で重要な役割を果たすものがあることが分かってきた点です。
その代表的なのが「マイクロRNA」。マイクロRNAは遺伝子の発現を調節する役割を果たします。
質問者
う~ん。遺伝子の発現を調節するって聞いてもピンと来ないです……。
先生
簡単に言うと、いつどれくらいタンパク質を作るかを調節してくれるもの。そして、重要なことに、このマイクロRNAは細胞間のコミュニケーションに使用されます。つまり、ある細胞が他の細胞にマイクロRNAを送り込むことによって、作るタンパク質の量をコントロールすることができます。
質問者
それとがんがどう関係してくるのですか?
実は、がん細胞と正常な細胞では、マイクロRNAのパターンが大きく異なることが知られています。特にがん細胞はこのマイクロRNAを周囲の正常な細胞に送り込むことによって、栄養を取り込んだり、免疫細胞からの攻撃を防いだり、自分が住みやすい環境を作っています。
この細胞から放出されたマイクロRNAは最終的に尿中に出てくるので、それを検出してマイクロRNAのパターンの違いをみることでがんの検出をするのがマイシグナルの原理となります。
このようにマイクロRNAには重要な役割を果たしていることが分かってきて、がんの検出にも活用できることから、医学会の中でも注目されています。
質問者
へ~聞いたこともない名前だったけどそんな重要な物質なんですね。ところで、マイクロRNAを調べなくても健康診断の血液検査でがんを発見できないのでしょうか?
先生
良いポイントですね!マイクロRNAを用いた検査には「がんの早期発見にも有効」という大きな特徴があります。これは初期のがん細胞であってもマイクロRNAを活用しているためです。
健康診断や人間ドックのオプションで受けられる検査もありますが、血液や尿で測れる検査はがんの早期発見には基本的に向いていません。
それと、健康診断に腫瘍マーカー検査が必ず含まれているわけじゃないことにも注意です。オプションで付けられることが多い検査です。
マイシグナル®は人工知能を使ってマイクロRNAのパターンを解析
質問者
マイクロRNAを調べて、がんの可能性を探ることについては分かりました。ただ、次に人工知能が登場するのがさっぱりわかんない……人工知能ってAIのことですよね?何でAIが必要なのですか?
先生
私たちの研究所では、健康な人とがん患者のそれぞれに見られるマイクロRNAパターンを膨大なデータとして蓄積しており、それを人工知能に読み込ませています。
人工知能は、「サンプルで検出されたマイクロRNAの発現パターン」と「がん患者のマイクロRNA発現パターン」とを比較し、この蓄積した膨大なデータに基づいて、統計学的にがんを患っている「マイクロRNAがんリスク」を判定します。
質問者
なるほど。人工知能は機械学習していてデータの蓄積量が増えるほど賢くなるって聞いたことがあります。マイシグナルも今後がん患者のマイクロRNAに関するデータの蓄積量が増えていったらもっと正確にがんのリスクが判定できるようになるのでしょうか?
先生
するどいですね。その通りです。だからマイシグナルはこれからどんどん精度が上がっていくと言っても過言ではありません。それに、データが蓄積されることで今対応しているがん以外のがんや、全く別の病気も検出が可能になるかもしれません。
質問者
へ~それはすごいですね!同じ検出方法なのにデータが増えることで検査の精度が上がったり、他の病気にも対応できたりとレベルアップしていくなんて、AIは賢い!将来的にはマイシグナルで人間ドックも完結すれば、楽で良いですね。
体質・生活習慣から、がんリスクを判断するパーソナルがんリスクとは?
マイシグナルではがんのリスクを「マイクロRNAがんリスク」と「パーソナルがんリスク」のそれぞれ算出し、最終的にがんのリスクを高・中・低の3段階で評価します。
参照:
- マイシグナルの検査結果の総合評価のサンプル
質問者
ん?パーソナルがんリスクって何ですか?
先生
これはマイクロRNAとは別に、がん毎にそのがんにかかりやすいリスク因子をどのくらい持っているか、自覚症状はないかなど問診票からデータを集めてそれを基にがんのリスクをスコア化したものになります。
リスク因子とは例えば、
・「身内にがん患者がいる」など体質的にがんの発症を上げるリスク因子
・「たばこを吸う」といった生活習慣によるリスク因子
などを指します。
リスク因子が多ければ多いほど、該当するがんの発症リスク、「パーソナルがんリスク」が上がります。
つまり、
① 人工知能を使ってパターン解析するマイクロRNAがんリスク
② 体質や生活習慣などから判断するパーソナルがんリスク
③マイクロRNAがんリスクとパーソナルがんリスクを元に導かれる総合判定
このようにして総合判定を導きます。
総合判定で「リスク高」と判定された場合は、医療機関にて精密検査を受けるよう勧めています。一方で、低リスクであっても何か自覚症状がある場合は医師と相談して追加検査を受けるようにしましょう。
質問者
マイシグナルって高精度ながん検査なんですよね?ってことは「リスク高」って結果が出たらかなりの確率でがんを患っていると考えていいんでしょうか?
先生
そうではないんです。「がんの可能性がある」ということは言えますが、マイシグナルでがんの診断ができるわけではない点に注意です。実際にがんかどうかは精密検査を受けないとわかりません。なので「リスク高い=がんを患っている」というわけではないことだけは忘れないでください。
この辺りの詳しいことについてはこの「がん検査の精度とは?」の記事で解説しているから読んでみてください。
また、定期的にマイシグナルを受けることで前回のスコアと比較できるので、身体の変化にも気づきやすくなります。
質問者
前回と比べられると分かりやすいですね!一つ疑問です。マイシグナルを受けずにいきなり精密検査を受けることはできないのですか?
先生
精密検査はリスクがある人が医師の勧めで受けることが多いです。専用の機器が必要なので精密検査を受けられる施設は少なく、部位毎に精密検査するので全身をくまなく調べるのは大変です。さらに拘束時間が長く、身体への負担・経済的な負担も伴うからそんな気軽に受けられる検査ではないんです。
質問者
なるほど。マイシグナルみたい気軽に受けられる検査を受けて、リスクをチェックできるのは魅力的ですね!
まとめ
それではここまでをまとめましょう。
- マイクロRNAは、細胞間コミュニケーションに必要な物質である
- がん細胞も細胞間の情報伝達においてマイクロRNAを放出しており、がん特異的なマイクロ RNAの発現パターンがある
- マイシグナルでは膨大ながん患者のマイクロRNAデータを人工知能に読み込ませ、サンプル (がん検査を受ける人)のマイクロRNAと比較し統計学的にがんのリスクがどのくらいあるのかを数値化している
- マイクロRNAに加え、リスク因子をスコア化し、両方の数値を基に最終的ながんのリスク判定を行う
質問者
マイシグナルの原理なんて難しくて理解できないだろうと思っていましたが、仕組みがだいぶ分かりました。
先生
そこはすごく大事なことで、がん検査にしても医療にしても自分が理解して納得した上で受けるようにしてくださいね。
いかがだったでしょうか?マイシグナルの検査キットにご興味のある方はこちらの検査申込みページよりご希望のセットを選択してご購入ください。
- ※本記事に記載されている費用は当社(Craif)が独自で調べたものになります。実際の費用は各医療機関にお問い合わせください。
この記事の著者
太田知見
医学修士・薬剤師・メディカルライター
神戸大学医学研究科を卒業後、大手化粧品会社の研究開発部に勤務。その後、臨床薬剤師の経験を積み海外へ移住。現在はメディカルライターとして製薬会社やバイオベンチャー企業のライティング業に従事している。
この記事の監修者
市川裕樹
名古屋大学 未来社会創造機構 客員准教授、博士(薬学)、薬剤師
東京大学大学院 薬学系研究科にてケミカルバイオロジーを専攻し博士号(薬学)を取得。研究活動に並行してGlobal Healthのプロジェクトにも従事。幼少期をオランダで過ごした海外経験と技術バックグラウンドを活かし、米国のNPOにてザンビア等の開発途上国への医療テクノロジー導入も支援。大学院修了後、2013年にバイエル薬品に入社。オンコロジーや眼科領域事業でMR、マーケティングの経験を積んだ後、経営企画や全社プロジェクトのPMO等、幅広い業務をリードした。 同社を退職後、2019年1月Craif株式会社に参画。
質問者
マイシグナルはどうやって尿からがんを発見するのですか?がんは尿に漏れ出るのでしょうか?