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マイシグナル・スキャンの精度は信頼できる?2つの根拠と病院検査との違いを解説
- 公開日: 10/2/2025
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- 最終更新日: 10/2/2025

マイシグナル・スキャンは、自宅で手軽にがんリスクをチェックできる新しい検査として、注目を集めています。
一方で「どのくらい精度が信頼できるのか」「病院の検査とどう違うのか」などの疑問をもつ方も少なくないでしょう。
本記事では、マイシグナル・スキャンの精度を示す研究結果や、病院で受けるほかの検査とマイシグナルの位置づけの違いについて解説します。
マイシグナルのメリットや注意点についても解説しているので、自分にあった検査かどうか判断する際の参考にしてみてください。
\すい臓がんもステージ1から/
尿でがんのリスク検査
「マイシグナル・スキャン」
尿のマイクロRNAを調べ、がんリスクをステージ1から判定。早期発見が難しいとされるすい臓がんをはじめ、日本のがん死亡総数の約8割を占める10種のがんリスク※を、⼀度でがん種別に調べます。
- ※ 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
目次
マイシグナル・スキャンとは?

マイシグナル・スキャンとは、尿中のマイクロRNAをAIで解析し、部位別にがんリスクをステージ1から検出する世界初※1の検査です。
対象となるがんは、死亡数の約8割を占める※2すい臓・胃・大腸・肺・乳房・卵巣・食道・腎臓・膀胱・前立腺の計10種類※3です。
これまでの多くの方法では、部位ごとに異なる検査が必要でしたが、マイシグナル・スキャンでは一度の検査で複数部位のがんリスクを検出できます。
マイシグナル・スキャンは、国立がん研究センターや国内外の大学など、約50の機関との共同研究により開発されました。
現在では全国1,500を超える医療機関に導入され、病院やクリニックの現場でも活用が進んでいます。
※1 尿×AI×マイクロRNAを用いたがんリスク検査サービスとして(第三者機関調査)
※2 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
※3 女性は前立腺がんを除く9種、男性は乳がん・卵巣がんを除く8種が検査対象となります
マイシグナル・スキャンの精度を裏付ける2つの根拠
マイシグナル・スキャンの精度を裏付ける根拠は、以下の2つです。
- AUCによる総合的な性能評価
- 早期すい臓がん検出における圧倒的な優位性
開発根拠や実際の事例を参考にして、マイシグナル・スキャンの活用を検討してみてください。
AUCによる総合的な性能評価
AUC(Area Under the Curve)とは、「がんがある人を正しく陽性と判定する能力」と、「健康な人を誤って陽性と判定しない能力」の両立度合いを示す数値です。
医療の世界では、一般的にAUC 0.8以上で「精度の高い検査」、AUC 0.9 以上で「きわめて精度の高い検査」と評価されます。
マイシグナルの開発根拠となる横浜国立大学との共同研究では、10種類のがん種※1において、AUC 0.9以上という高精度な結果を確認できています。

とくに、すい臓がん(AUC:0.995)や尿路上皮がん(AUC:0.993)では、非常に高精度な数値が確認されています。
※1すい臓がん・胃がん・大腸がん・乳がん・腎臓がん・尿路上皮がん・前立腺がん・子宮体がん・白血病・悪性リンパ腫の10種類です。子宮体がん・白血病・悪性リンパ腫の3種は、今後マイシグナル・スキャンでのがんリスク判定を目指し、鋭意追加研究を実施しています。
出典: Development of a urinary miRNA-based assay for early detection of 10 types of cancer. The 30th Annual Meeting of Japanese Association for Cancer Detection and Diagnosis. 2022 Sep. Chiyoda, Japan.
早期すい臓がんのリスク検出における優位性
早期発見が難しいとされるすい臓がんに対し、マイシグナル・スキャンの開発根拠となった尿中マイクロRNA検査は高い成果を示しています。
とくに、ステージⅠやⅡAといった早期段階において、感度92.9%という高い感度で捉えており、従来の腫瘍マーカーCA19-9の感度37.5%を大きく上回りました。

マイシグナル・スキャンは、早期発見が難しいすい臓がんのリスクをより早期に検出できる可能性があると注目を集めています。
この成果は国際医学誌「eClinicalMedicine」に掲載され、マイシグナル・スキャンの信頼性を裏付ける根拠となっています。
【体験談】ステージ0の肺がん発見につながった事例
北海道に住む、4人の家族をもつ60代女性の体験談です。
看護師の息子さんに勧められ、軽い気持ちでマイシグナル・スキャンを受検しました。
結果は、肺がんが「中リスク」の判定。
精密検査で肺がんが疑われる病変が見つかり、手術で取り除いたところ、ステージ0の肺がんであったことがわかりました。
ご本人は、まさか自分が引っかかるとは思っていなかったと語りつつも、検査がきっかけで早期に発見できたことに安堵の表情を浮かべていました。
術後の回復も早く、短期間で普段の生活に戻れたことから、早期発見の重要性を実感したそうです。
ご家族も「早く見つけられて本当によかった」と胸をなでおろしていました。
この体験は、マイシグナル・スキャンが本人だけでなく、家族の安心感にもつながる検査であることを示す貴重な事例といえるでしょう。
本事例は「札幌テレビ どさんこワイド」でも紹介されました。
麻酔も採血も必要ない…最先端の「がん検査」 尿をとるだけで早期発見 AIが分析 北海道
マイシグナル・スキャンとマイシグナル・ライトはどう違う?
マイシグナル・スキャンとマイシグナル・ライトには、以下の違いがあります。
項目 | マイシグナル・スキャン | マイシグナル・ライト |
解析対象 | 尿中マイクロRNA | 尿中代謝物(ジアセチルスペルミン) |
対応しているがん種 | すい臓・胃・大腸・肺・乳房・卵巣・食道・腎臓・膀胱・前立腺の10種類※1 | 全身の様々ながん |
対応ステージ | ステージ1から | ステージ1から |
がん種の特定 | 特定できる(がん種別にリスクを評価) | しない |
精度 | 超高精度(AUC=0.9程度※2) | 高精度(AUC=0.8程度※3) |
おすすめの受検頻度 | 半年~1年ごと | 3か月~半年ごと |
マイシグナル・ライトは、尿中の代謝物を解析対象としており、部位を特定せずがんリスクをステージ1から検出する検査です。
AUCは0.8程度であり、マイシグナル・スキャンと比べるとわずかに精度は劣りますが、医学的には「高精度」と評価される水準にあります。
マイシグナル・ライトは、まずは気軽にがんのリスクを知りたい方におすすめです。マイシグナル・スキャンは、特定の部位ごとのがんリスクを詳しく把握したい方に向いています。
※1 女性は前立腺がんを除く9種、男性は乳がん・卵巣がんを除く8種が検査対象となります
※2 Urinary MicroRNAs as Biomarkers for Early Detection of Ovarian Cancer. ESMO. 2021 Sep. Paris, France
※3 Cancer Epidemiol Biomarkers Prev (2019) 28 (8): 1283–1291
病院での検査とマイシグナルの位置づけの違い
病院で行う検査は、長年の臨床実績に基づいて有効性が確立されており、各学会からも推奨されています。
代表的ながんの検査として、以下があげられます。
- 腫瘍マーカー(血液検査)
- 超音波検査(エコー検査)
- CT
- MRI
- 内視鏡検査
- 病理検査
これらの検査は、がんの診断や診断補助、治療方針の決定を目的としています。
一方マイシグナルは、がんリスクの検出を目的として新しい技術を活用した検査であり、病院で行う検査の代わりにはなりません。
検査の結果が「リスクあり」とでた場合は、医療機関を受診する必要があります。
マイシグナルは、がんリスクを把握し、必要に応じて医療機関で精密検査を受けるきっかけとして活用するのが正しい使い方です。
マイシグナルでがんリスクをチェックする3つのメリット
マイシグナルを受検するメリットは、主に以下の3つです。
- 自宅で手軽に受けられる
- 身体への負担がない
- 複数部位のがんリスクを一度に把握できる
具体的な特長を知り、マイシグナルの検査を受けるかどうか検討してみてください。
自宅で手軽に受けられる
マイシグナルは、病院に行かなくても自宅で簡単に受けられます。
検査の流れはシンプルで、専用キットで尿を採取して送り、結果を待つだけ。
検査のために病院へ行く時間や手間が必要なく、忙しい方でもスキマ時間で進められます。
とくに「仕事が忙しくてなかなか受診できない」「子どもが小さくて病院に行けない」という人におすすめです。
\すい臓がんもステージ1から/
尿でがんのリスク検査
「マイシグナル・スキャン」
尿のマイクロRNAを調べ、がんリスクをステージ1から判定。早期発見が難しいとされるすい臓がんをはじめ、日本のがん死亡総数の約8割を占める10種のがんリスク※を、⼀度でがん種別に調べます。
- ※ 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
身体への負担がない
がん検査のなかには、血液検査や内視鏡検査など、どうしても体に負担がかかる項目もあります。
そのため「つい検査を後回しにしてしまう」という方も少なくありません。
その点、マイシグナルは尿を提出するだけなので、痛みや不快感は一切ありません。食事や運動の制限もないため、日常生活に影響を与えることなく受検できます。
こうした負担の少なさが続けやすさにつながり、定期的ながんリスクチェックを自然に習慣化できます。
複数部位のがんリスクを一度に把握できる
従来のがん検診は、胃なら内視鏡検査、大腸なら便潜血検査など、部位ごとに異なる方法を受ける必要がありました。そのため時間や費用の負担が大きく、全身を網羅的に調べるのは簡単ではありません。
一方で、マイシグナル・スキャンでは、すい臓・胃・大腸・肺・乳房・卵巣・食道・腎臓・膀胱・前立腺といった、死亡数の約8割※1を占めるがんのリスクを一度に判定できます。
マイシグナル・ライトでも、部位の特定はできませんが、全身の様々ながんリスクをまとめて検出できます。
とくに、すい臓がん・卵巣がん・食道がん・膀胱がん・腎臓がん・前立腺がんなど、通常の対策型がん検診で対象外の部位も含まれているのは大きなメリットです。
がんリスクを早い段階で把握できることが、不安を和らげるだけでなく、医療機関への受診や生活習慣の見直しといった前向きな行動にもつながるでしょう。
※1 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
マイシグナルの3つの注意点
マイシグナルには、以下のような注意点もあります。
- 確定診断はできない
- 条件によっては検査できない場合がある
- 費用は保険適用外である
マイシグナルの注意点をしっかり理解したうえで、受検を検討してみてください。
確定診断はできない
マイシグナルの検査では、がんを確定診断することはできません。
あくまでもリスクを検出する検査であり、100%の精度を保証するものではないからです。
そのため、マイシグナルの結果が「リスクあり」とでた場合は、医療機関を受診して精密検査を受ける必要があります。
とくに、マイシグナル・スキャンなら部位ごとにリスクを評価できるため、受診すべき診療科が明確になり、スムーズに次の行動へつなげられるでしょう。
条件によっては検査できない場合がある
マイシグナル・スキャンは、以下条件の方は受検の対象となりません。
- 妊娠中の方
- 20歳未満の方
上記に該当する方は、マイクロRNAとがんの関連性について十分に検証できていないためです。
受検自体は可能ですが、あくまでも参考値となることをご了承ください。
費用は保険適用外である
マイシグナルは、2025年9月時点で保険適用されていません。
そのため、検査費用は全額自己負担となります。
費用は決して安くありませんが、すい臓がんや卵巣がんなどの通常の対策型がん検診ではカバーされない部位を含め、複数のがんリスク※1を一度に確認できる点がメリットです。
マイシグナルは、費用がかかっても「効率的にがんリスクを把握したい」「幅広いがん種を早期から確認したい」という方におすすめです。
※1マイシグナル・ライトではがん種の特定はできません
マイシグナルの料金
がんリスク検査マイシグナルの料金は、以下の通りです。(2025年9月現在)
検査 | 費用(税込) |
マイシグナル・スキャン | 1回のみ69,300円 定期コース64,300円 |
マイシグナル・ライト | 1回のみ24,860円 しっかり定期便※17,800円 (6ヶ月) あんしん定期便※19,800円 (12ヶ月) |
検査費用だけを見ると、高額に感じられるかもしれません。
しかし、マイシグナル・スキャンの場合は、一度の検査で10種類のがんリスク※1を評価できるため、1がん種あたりに換算すると6,589円から受検できる計算です。
また、病院での複数検査に比べて、身体的負担や時間的コストを抑えられる点も考慮すると、費用対効果の高い選択肢といえるでしょう。
※1 女性は前立腺がんを除く9種、男性は乳がん・卵巣がんを除く8種が検査対象となります
【自宅で簡単】マイシグナルの受検方法
マイシグナルの検査を自宅で受ける手順は、以下の通りです。
- マイシグナルの各検査キットを購入する
- 専用キットで尿を採取し、送る
- 約1か月で結果表が届く
検査キットは、全国約1,500の医療機関で導入されているほか、公式HPや全国のドラッグストアでも購入できます。
忙しくて病院に行く時間を取れない方でも、自宅で手軽にがんリスクを確認できるのが魅力です。
結果は紙だけでなくWebでも確認できるため、過去の履歴も振り返りやすく、必要に応じて家族とも簡単に共有できます。
マイシグナルの精度を理解して前向きな行動を
マイシグナルはがんを確定診断する検査ではありませんが、複数の研究結果や実際の発見事例から、その精度の高さが示されています。
検査結果をきっかけに医療機関を受診したり、生活習慣を見直したりすることで、がんリスクを早期発見する可能性を高め、不必要な不安も減らせるでしょう。
とくに、忙しい方や病院に抵抗がある方にとって、自宅で受けられるマイシグナルはおすすめの選択肢です。
マイシグナルの仕組みや精度を理解したうえで正しく活用し、自分にあったがん対策の指針を立てましょう。
\すい臓がんもステージ1から/
尿でがんのリスク検査
「マイシグナル・スキャン」
尿のマイクロRNAを調べ、がんリスクをステージ1から判定。早期発見が難しいとされるすい臓がんをはじめ、日本のがん死亡総数の約8割を占める10種のがんリスク※を、⼀度でがん種別に調べます。
- ※ 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
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この記事の監修者

臨床検査技師 医療ライター
急性期病院で8年間臨床検査技師として勤務。
自身の臨床経験と確かなエビデンスを元に、医療メディアを中心として記事を執筆
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