がん検査

鎮静剤は使用すべき?胃カメラ(胃内視鏡検査)の費用・受け方のコツ

  • 公開日: 6/27/2023
  • |
  • 最終更新日: 9/13/2024
  • #胃がん
  • #食道がん
鎮静剤は使用すべき?胃カメラ(胃内視鏡検査)の費用・受け方のコツ
質問者

質問者

この前、胃の調子が悪いので病院へ行ったらピロリ菌※1検査を受けることになりまして。その結果、感染が判明したので今度胃カメラも受けることになりました。胃カメラはしんどいって聞くから、本当は受けたくないんですが……。

先生

先生

胃カメラは気軽に受けられる検査ではないですよね。ただ、ピロリ菌に感染していると、胃がんを発症するリスクが5倍(※2)に上がると報告されています。また、胃がんだけでなく食道がんや十二指腸がんも早期発見できるので、胃カメラを受けてきちんと調べてもらいましょう。医療技術の進歩によって胃カメラは昔ほど苦しい検査ではなくなってきていますよ。

質問者

質問者

ピロリ菌に感染していると5倍も胃がんの発症リスクが上がるなんて知りませんでした。私は40代ですが、一度も胃カメラを受けたことがないので、この機会に詳しく診てもらうことにします。しかも昔より苦痛が減っていると聞いて安心しました。

ここでは、胃カメラの種類、麻酔のメリット・デメリット、胃カメラの注意点や胃カメラで分かる病気などについて詳しく解説していきます。

この記事で分かること

  • 胃カメラを受けられる機会は健康診断のオプション、人間ドック、自治体の胃がん検診(50歳以上)、病院(保険適用の場合もある)などがある。
  • 胃カメラには鼻と口から挿入するタイプがあり、経口では一般的に麻酔を使用する。経鼻は麻酔を使用しなくても苦痛を感じにくい
  • 鎮静剤(静脈麻酔)を使用するとしばらく休む必要があり、車の運転はできない
  • 40歳を過ぎたら胃カメラ検査を受けることがすすめられる。特に胃がんの危険因子を持つ人は注意が必要
  • 高齢、特定の疾患を持つ、妊娠中、抗血栓薬を服用中といった方は胃カメラの検査が受けられない場合がある
  • 胃カメラと大腸カメラを同日に受ければ、身体・時間・経済的負担を減らすことが可能
  • 胃カメラのコツは「リラックスする」「表面麻酔をきちんとする」「唾液を飲み込まない」「ゲップを我慢する」こと
  • 胃カメラではのど・食道・胃・十二指腸の病気を調べられるが、膵臓は確認できない

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目次

胃カメラ(胃内視鏡検査)とは?検査の種類と費用

胃カメラ(胃内視鏡検査)とは、先端に小型カメラのついた管を鼻あるいは口から通して上部消化管(食道・胃・十二指腸)の観察を行う検査のことです。検査中は胃を膨らませるために空気あるいは炭酸ガスを送ります。

内部の色や凹凸、形状を観察し、病変部があればその場で細胞や組織を採取して顕微鏡レベルで検査することも可能です。

胃カメラは健康診断のオプションや人間ドックで申し込むことも可能です。この場合、検査費用は自己負担となり、1~2万円程度かかります。ただし、職場の健康診断では費用の一部を会社が負担してくれる場合もあります。

一方で、50歳以上であれば地域によっては自治体が実施する胃がん検診にて胃カメラを受けられます。この場合、地域によりますが費用は1,000円程度です。

また、何か症状があって病院へ足を運び、医師の判断により胃カメラを受ける場合、健康保険が適用されます。具体的には以下のようなケースが挙げられます。

  • 胃炎(腹痛・腹部の不快感・吐き気など)の疑いがある
  • 胃潰瘍(上腹部の痛みなど)の疑いがある
  • 胃がんを疑う症状がある、あるいは胃がんにかかるリスクが高い
  • がん検診の結果、精密検査の必要があると判断された
質問者

質問者

今回私のケースも、医師から胃カメラを勧められたので保険適用になりますよね?

先生

先生

はい、ピロリ菌に感染しているということで胃がんに罹るリスクが高く、胃炎を引き起こしている可能性もあるので保険が適用されます。検査の結果、治療すべき病変部が見つかった場合も基本的に治療は保険の対象です。

また、これらの費用は医療費控除の対象となります。1年間に10万円以上の医療費を支払った場合は控除を受けられるので忘れずに手続きを行いましょう。

質問者

質問者

それは有難いですね。ところで、鼻から受ける胃カメラも口から受ける胃カメラも費用は同じでしょうか?

先生

先生

はい、経口内視鏡と経鼻内視鏡のいずれも胃内視鏡検査というくくりで同じ項目なので基本の診療報酬(費用)は変わりません。ただ、鎮静剤の使用などによって、追加の費用がかかります。

現在日本で使用されている経口内視鏡と経鼻内視鏡の違いについて説明しますね。

メリットデメリット
経口内視鏡・鮮明な画像が得られる(精度が高い)
・検査時間が短い
・病変部が見つかった場合に拡大観察も可能
・嘔吐反射(反射的にオエッとえづいてしまうこと)がある
・痛みや不快感がある
・医師と会話ができない
経鼻内視鏡・痛みや不快感が少ない
・医師と会話できる
・検査後すぐに仕事へ戻れる
・経口内視鏡に比べると画質がやや劣る
・鼻の状態によっては行えない場合がある

それぞれにメリット・デメリットがあります。

質問者

質問者

私は痛みや不快感が少ない経鼻内視鏡がいいですね。これは希望できるのでしょうか。

先生

先生

基本的には患者さんが選択できます。ただ、施設によってはどちらか一方しかなかったり、患者さんの状態・体質によっては希望が通らないこともあります。不安な場合は事前に医療機関に相談するといいでしょう。

口から入れる胃カメラ「経口内視鏡」

経口内視鏡では口から直径8-9mm(通常径の場合)程度のチューブを挿入します。挿入時に嘔吐反射することがあり、苦痛に感じる人が多いと言われています。

ただ、嘔吐反射や痛みを減らすために鎮静剤を使用することができます。これについては後程詳しく説明します。

質問者

質問者

嘔吐反射は苦しそうなので避けたいですね……。

先生

先生

そうですよね。ただ、経鼻内視鏡は鼻の奥が狭い人や鼻が曲がっている人には向いていません。また、鼻血が出ることもあります。さらに、胃がん検診で異常が見つかり要精密検査となった場合は、精度の高い経口内視鏡が推奨されます。経口内視鏡の方が明るいランプを使ってより鮮明な画像が得られるほか、病理検査(顕微鏡で細胞の状態を調べること)のために、がんが疑われる病変部の組織や細胞をその場で採取することもできるので。

鼻から入れる胃カメラ「経鼻内視鏡」

経鼻内視鏡では直径5-6mm程度と、通常径経口内視鏡の半分程度の細さのチューブを鼻から挿入します。チューブが細いので不快や痛みを感じにくいと言われています。また挿入時、内視鏡が舌根部(舌の後方部分)に触れないため嘔吐反射が起きにくい利点があります。

質問者

質問者

経鼻内視鏡は検査中に医師と会話できのるのがいいですね。モニターを見ながら説明も受けられるんですよね?

先生

先生

はい。医師は痛みの有無の確認をしたり、余裕があれば患者さんから質問したりすることだって可能ですよ。

また、経鼻内視鏡は基本的に鎮静剤を使用しないので検査が終わり次第すぐに帰れます。そのまま職場に向かうこともできます。

カプセル型の胃カメラ (内視鏡)もある?

質問者

質問者

これら内視鏡以外にもカプセルを服用するだけの胃カメラもあるって聞いたことがあるんですが、私も希望すれば受けられるんでしょうか。

先生

先生

カプセル内視鏡のことですね。メディアでもよく取り上げられていますよね。

カプセルの形状をしたカプセル内視鏡は、これまでの内視鏡検査を大きく変える画期的検査として注目されています。

身体にセンサー装置を装着した状態でカプセルを服用し、カプセルが消化管の中を撮影してセンサーがそのデータを記録します。回収したデータを解析して診断へとつなげます。

従来の内視鏡検査のような苦痛がなく、またX線検査のような被ばくもありません。

ただ、現段階ではカプセル内視鏡の保険適用は小腸と大腸の限られた疾患が疑われる場合に限られており、胃内視鏡検査としては認められていません。

その理由として胃の内部は非常に広く、粘膜の状態まで撮影するには十分な空気や炭酸ガスを送る必要があり、カプセルでは難しいと考えられていること、またカプセル自体を自由に動かすことはできないので病変部を確実に捉えることが難しいことが挙げられます。

質問者

質問者

そうなんですね。苦痛を感じないで受けられるのではと期待していましたが今のところ胃の検査としては使われていないんですね。

先生

先生

胃用のカプセル内視鏡も現在開発中です。将来的に胃カメラの代用になればうれしいですね。

麻酔・鎮静剤は使うべき?メリット・デメリット・副作用を解説

質問者

質問者

麻酔や鎮静剤を使用すれば胃カメラは楽に受けられるんですよね?これは経鼻でも経口内視鏡でもどちらでも使えるのでしょうか?また、麻酔と鎮静剤の使い分けについても教えてください。

先生

先生

麻酔や鎮静剤を使えば、確かに不快感は抑えられますが、副作用があります。そのことをきちんと理解してから医師と相談して、使用するかどうか決めましょう。

胃カメラで使用するのは表面麻酔と鎮静剤(静脈麻酔)の2種類です。これらのいずれかあるいは併用して検査を行います。

表面麻酔

表面麻酔は局所麻酔の一つで、表面の感覚を麻痺させることで痛みを軽減させます。内視鏡検査ではスプレーやゼリー状の表面麻酔を喉や鼻に用います。表面麻酔は経口・経鼻内視鏡のいずれの場合もほとんどの医療機関で使用されています。リドカインという薬剤が一般的で、副作用はほとんどありません。

鎮静剤(静脈麻酔)

鎮静剤も麻酔の一種で、静脈麻酔とも呼ばれます。静脈に鎮静剤を点滴して、ウトウトした状態で検査を受けることができます。緊張を和らげ苦痛を軽減できます。鎮静剤は全身麻酔ではないので呼吸があり、呼びかけに反応する程度の量を注射します。ただ、人によって効き方に差があります。副作用として、呼吸が浅くなったり、血圧が下がったりすることがあるため検査後しばらく病院で休む必要があります。

胃カメラで使用される鎮静剤にはいくつかの種類があります。

内視鏡検査でよく使用される鎮静剤の種類と特徴、注意点を以下の表にまとめました。

薬剤(一般名)特徴注意点
ジアゼパム・催眠作用、鎮静作用
・不安感を取る
・鎮痛効果はないが、触覚と痛覚の区別ができなくなる
・徐脈,低血圧
・呼吸抑制
・注射時の血管痛
ミダゾラム・催眠作用、鎮静作用
・速効性があり作用持続時間が短い
・血管痛がない
・嘔気,嘔吐,
・呼吸異常
・血圧低下
デクスメデトミジン塩酸塩・鎮静作用、鎮痛作用
・呼吸抑制作用は軽微
・血圧低下,徐脈
・冠動脈痙攣(けいれん)
プロポフォール・覚醒の質がよい
・悪心・嘔吐が少ない
・呼吸抑制
・徐脈、低血圧
・注射時の血管痛
・循環器障害のある患者および高齢者では、無呼吸、低血圧、徐脈などの呼吸・循環器抑制が起こる可能性がある
質問者

質問者

薬剤は私たちが選択するわけではなく医師が選ぶんですよね?

先生

先生

はい。患者さんの年齢や体質などを考慮して薬剤を選びます。

質問者

質問者

ちなみに表面麻酔や鎮静剤の費用はいくらくらいでしょうか?

先生

先生

使用する薬剤にもよりますが3割負担で数百円~1,000円程度です。

鎮静剤の使い分けについて

質問者

質問者

表面麻酔は経口内視鏡でも経鼻内視鏡でも使われるようですが、鎮静剤はどうなんでしょうか。

先生

先生

基本的に、経口内視鏡の場合は鎮静剤を用いますが、経鼻内視鏡では使用しません。もちろん医療機関によっては患者さんの苦痛を抑えるために経鼻内視鏡においても少量の鎮静剤を使用することはありますが。

そのため胃カメラ検査を受ける場合は、「鎮静剤有り+経口内視鏡」あるいは「鎮静剤無し+経鼻内視鏡」のどちらかの選択が一般的になるでしょう。

鎮静剤を使用する(主に経口内視鏡)場合、意識が薄れた状態で検査を受けます。ですから、検査当日は運転をしたり検査後すぐに仕事に向かうことはできません。一方で、検査時の苦痛が軽くなり、胃カメラに対する抵抗が低くなるので、定期的に受けることが重要である胃カメラを、より多くの人が受けられるという利点があります。

鎮静剤を使用しない(主に経鼻内視鏡)場合は、検査後すぐに仕事に向かったり、車を運転したりできます。また、モニターを見ながら医師から説明を受けたり、質問したりすることも可能です。

胃カメラ (胃内視鏡検査) を受けるべきタイミング・頻度とは?

質問者

質問者

胃カメラは定期的に受けることがすすめられるようですが、何歳から、どのくらいの頻度で受けるべきでしょうか?

先生

先生

特に決まりはありません。胃の状態や胃がんの発症リスクは人それぞれだからです。ただ、ピロリ菌に感染している(感染していた)人は萎縮性胃炎(長引く炎症により、胃液や胃酸を分泌する組織が減少して胃の粘膜が萎縮している状態)が原因となって胃がんを発症しやすくなります。そのため、医師が推奨する間隔で胃カメラを受けるようにしましょう。

また、50歳以上であれば国の指針として2年に1度の胃カメラ(胃部X線検査も可)が推奨されています。(※3)

質問者

質問者

胃がんの罹患リスクを調べる一つの方法にピロリ菌検査があるんですよね?

先生

先生

そうですね。ピロリ菌の感染有無は血液や尿を調べれば分かります。

また、ピロリ菌に加え、胃粘膜の状態をペプシノゲン法(胃粘膜の萎縮具合を血液検査で調べること)によって調べ、胃がんの罹患リスクを総合的に評価するABC検診も存在します。

さらに胃がんの危険因子(胃がんを罹患するリスクを上げる要因)をどのくらい持っているか把握しておくことも重要です。

胃がんの主な危険因子

  • 多量の塩分
  • ピロリ菌の感染
  • 喫煙
  • 多量の飲酒
質問者

質問者

なるほど。ABC検診や生活習慣をふり返ることで胃がんの罹患リスクがある程度分かるんですね。これらを医師に総合的に判断してもらい、胃カメラの推奨頻度を定めてもらうといいですね。

先生

先生

「胃の調子が悪い」「腹痛が続く」「お腹の違和感」などの症状が出ている場合は次の検査まで待たずになるべく早く病院で診てもらいましょう。

特に症状がない場合、胃カメラ (胃内視鏡検査) を受ける年齢は何歳から?

質問者

質問者

私は今回胃の調子が悪いから病院へ行き、それがきっかけで胃カメラを受けることになったのですが、何も症状が無い場合は何歳から胃カメラ検査を受けたらいいのでしょうか?職場の健康診断にも胃カメラの項目はありませんし。。

先生

先生

これについても特に「何歳から」という定めはありません。ただ、以下のグラフを見て分かるように40代を過ぎると胃がんの罹患率が上がります。

そのため、40歳を過ぎたら一度胃カメラを受けることをおすすめします。前述の通り、健康診断のオプションで追加することも可能です。

また、ピロリ菌感染の有無については中学生以降で検査が可能です。実はピロリ菌は乳幼児期に親などから感染しそのまま持続感染すると言われています。(※4)また、様々な研究から胃の萎縮が進行する前の早い時期にピロリ菌の除菌治療を行うほど胃がんの予防効果が高いと報告されています。(※5)

そのため、日本の多くの自治体で中学生を対象にピロリ菌の検査と除菌治療が実施されています。

質問者

質問者

それは知りませんでした。私の子どもも中学生なのでピロリ菌検査を受けさせようと思います。

こういう人は要注意?胃カメラができない人・注意すべき人とは?

質問者

質問者

胃カメラは誰でも受けられる検査なのでしょうか?

先生

先生

いいえ。胃カメラは胃がんの早期発見に有益な検査ですが、検査を受けることで稀に消化管出血などの偶発症(手術などの医療行為によって予期しない結果や副作用が生じること)を引き起こすこともあります。鎮静剤を使用する場合は副作用のリスクがあるため特に注意が必要です。

このため胃カメラは高齢者や妊婦、特定の疾患がある、あるいは医師の判断によって受けられない場合があります。

受けられないケース
高齢者・検査に耐えられる体力がない場合
パニック障害・嘔吐恐怖症・鎮静剤が使えない場合
妊娠中・授乳中・妊娠の経過が良好でない場合
・授乳中は鎮静剤の使用制限あり
リドカイン(キシロカイン)アレルギー・リドカイン(キシロカイン)に対してアレルギーがある場合
抗血栓薬を服用中・抗血栓薬を休薬する必要がある場合
(休薬すれば受けられる)
特定の疾患がある・医師が難しいと判断した場合

胃カメラが難しい場合は、胃部X線検査や、超音波検査を検討します。ただ、超音波検査は中が空洞である胃の検査には向いておらず胃カメラや胃部X線検査に比べると精度が落ちてしまいます。

一方で、胃部X線検査はバリウムを服用する必要がありその副作用やX線による被ばくに伴うリスクがあります。

高齢者

胃カメラには特に年齢制限はありません。ただ、医師によって体力的に検査が難しいと判断された場合は受けることができません。また、医療機関の中には75歳以上は鎮静剤の制限を設けている所もあります。

一方で、胃部X線検査ではバリウムの服用が必要なため、安全性上の理由から、80歳以上の高齢者には検査そのものを実施しない医療機関もあります。

胃カメラや胃部X検査を受けられない場合、身体への負担が少ない超音波検査であれば受けることが可能です。

パニック障害・嘔吐恐怖症

パニック障害がある方は、検査中に苦しさからパニックを起こしてしまうことがあります。また、嘔吐恐怖症の方も嘔吐反射に不安を覚え動悸やめまいを引き起こしてしまう可能性があります。

ただ、胃カメラを受けられないわけではありません。鎮静剤を上手く用いれば、半分眠っているような状態で検査を受けることが可能です。

鎮静剤の使用が難しい場合は医師と相談して胃部X線検査や超音波検査を検討しましょう。

妊娠中・授乳中

妊娠中・授乳中であっても基本的には検査できます。ただし、胃カメラ検査を受ける場合にはいくつかの条件があります。

妊娠中の場合は、妊娠の経過が良好であることが前提です。また、胎児への影響があるため鎮静剤は使えません。さらに、検査目的によっては産後の検査をすすめられる場合があります。

授乳中の場合は、鎮静剤を使用した際、母乳へ移行するため一定時間授乳できません。鎮静剤を使用しない経鼻内視鏡であれば問題なく受けられます。

リドカイン(キシロカイン)アレルギー

胃カメラの表面麻酔として広く使用されているリドカイン(キシロカイン)は、この薬剤に対してアレルギーを持つ人は使用できません。

ただ、他の種類の表面麻酔を用いる、あるいは鎮静剤を用いればリドカインを用いなくても苦痛を軽減できます。

リドカイン(キシロカイン)アレルギーのある方は胃カメラを受ける前に必ず医師に伝えましょう。

抗血栓薬を服用している

抗血栓薬とは血液をサラサラにする薬のことで、心筋梗塞や脳梗塞(心臓や脳の血管が血栓などで詰まること)の予防・治療で服用します。抗血栓薬には「出血しやすい」という副作用があります。

胃カメラでは内視鏡の操作によってまれに組織が傷つき出血を引き起こすことがあります。抗血栓薬を服用しているとこのような時に出血しやすく、血が止まりにくくなってしまいます。

そのため抗血栓薬の種類や患者さんの状態によっては休薬を指示されることがあります。休薬の可否は内視鏡医と抗血栓薬を処方している処方医が連携をとって休薬するべきか決定するので、検査を受ける前に必ず医師と相談し、確認することが重要です。

特定の疾患がある

その他、以下のような疾患がある場合は事前に医師と相談の下、胃カメラを実施するかどうか検討します。

  • 胃の疾患があり治療中
  • 心疾患(急性心筋梗塞や重篤な不整脈)がある
  • 呼吸不全がある
  • 咽頭、鼻腔に疾患があり内視鏡が挿入できない
  • 血圧が極めて高い

胃カメラが難しいと判断された場合は、胃部X線検査あるいは超音波検査の実施を検討します。

胃カメラと大腸カメラは同時受検ができる?メリット・デメリットを解説

質問者

質問者

胃カメラは十二指腸まで観察してくれるんですよね?そのままチューブを伸ばしてついでに大腸も見てもらうことは可能でしょうか。

先生

先生

それは難しいです。なぜなら大腸に向かうには小腸を通る必要がありとても長い距離を進まなければなりません。これを胃内視鏡で行うことはできないので、別の検査として大腸カメラは肛門部からチューブを挿入します。

ただ、胃カメラと大腸カメラを同じ日に受けることは可能で、これを同時受検といいます。同時受験にはメリット・デメリットがあるので解説しましょう。

メリットデメリット
・鎮静剤を使用する場合1回で済む
・費用を抑えられる
・時間的負担を減らせる
・食事制限をまとめて行える
・地域によって保険が効かない場合がある
・1回の鎮静剤量が増える
・同時検査の医療機関が限られる

胃カメラ・大腸カメラの同時受検のメリット

同時受検の大きなメリットは、身体・時間・経済的負担を減らすことができる点だと言えるでしょう。

病院へ行く回数を減らせるので診察費を抑えられます。ただ、それぞれの検査費用が必要です。また、病院での待ち時間が減らせ、食事制限も同時に行えるので効率的と言えます。

さらに、鎮静剤を使用する場合は一回で済みます。一方、検査時間が長くなるので効果が弱まってくると追加する必要があり、投与量は増えることがあります。

胃カメラ・大腸カメラの同時受検のデメリット

胃カメラと大腸カメラの同時受検は地域によっては保険適用外になることがあります。保険適用外だと全額自己負担になるので、同日検査に保険が適応されるかどうかを事前に調べてから予約するようにしましょう。

また、胃カメラあるいは大腸カメラのいずれかしか置いていないクリニックや、胃カメラと大腸カメラの予約時間を完全に分けている病院などでは同時受検はできません。予約できる医療機関が限られてしまうこともデメリットの一つです。

また鎮静剤を使用しない場合は、同時受検のメリットが1つ減ってしまいます。

双方を考慮して同時に受検するかどうか決めましょう。

前日の食事・飲酒・薬は?胃カメラを受ける前の注意点

質問者

質問者

胃カメラの食事制限について教えてください。

先生

先生

特に厳しい食事制限はありません。ただ、検査時に胃を空にする必要があるので前日21時以降、飲食をしないでください。タバコもNGです。水は摂取しても大丈夫です。

質問者

質問者

お酒は検査に影響しますか?薬は服用しても問題ありませんか?

先生

先生

お酒によって胃が荒れてしまうことがあるため、胃カメラの前日は飲酒も止めましょう。服用している薬は種類によって判断が異なるので医師の指示に従ってください。

もし間違って朝食を摂取してしまった場合は、食べた時間・内容を医療スタッフに伝える必要があります。場合によっては検査日を変更しなければなりません。

胃カメラ検査の流れ、当日の所要時間と注意点

それでは胃カメラ検査当日の流れについて注意点と共に解説しましょう。

検査当日、水は飲んでもかまいません。内服薬は事前に医師と確認し、指示を受けた薬のみ検査の2時間前までに服用しましょう。

医療機関に到着したら、まずは前処置として胃の中の泡を消してきれいにする消泡剤を飲みます。続いて表面麻酔を塗布します。

検査台へ移動し必要な場合は鎮静剤を注射します。胃カメラの検査自体は10分程度で終了します。

鎮静剤を使用していない場合は一般的に検査終了後、医師から検査結果について説明を受けます。ただし生検(病変部の組織を採取して顕微鏡で細胞の状態を調べること)を行った場合はその検査結果を待って後日結果を聞きに行くことになります。

また、鎮静剤を使用した場合は麻酔が覚めるまで1時間程度休む必要があります。また、安全のため検査後、車の運転は控えてください。激しい運動や長時間の入浴も避けましょう。

胃カメラ受検時の服装 (女性・男性)

胃カメラでは基本的に検査着に着替える必要はありません。

私服で受ける際は、以下の点に注意してください。

女性
  • タイトな服は避け、ゆったりした服装にする
  • 丈の短いスカートは避ける
  • 腹巻は付けない
  • マニキュア・ジェルネイルは外す
男性
  • ズボンのベルトは外すあるいは緩める
  • 上着は脱ぐ
質問者

質問者

なぜマニキュアやジェルネイルを外す必要があるんですか?

先生

先生

鎮静剤を使用する場合、全身管理のため指に酸素飽和度を測定する機器を装着します。マニキュアやジェルネイルによって正確に測定できないことがあるためです。

胃カメラは苦しい?初めてでも痛くない楽な受け方のコツはある?

質問者

質問者

胃カメラは人によって、経口内視鏡でも麻酔無しで受けられるって聞いたのですが何かコツがあるのでしょうか?

先生

先生

そうですね、中には胃カメラを飲むのが上手い人がいます。また胃カメラに向いている体質というのもあるんです。

質問者

質問者

それは是非知りたいです!

胃カメラを楽に受けるために経口・経鼻に共通していることとして、

  • リラックスする
  • 表面麻酔をきちんとする

ことが非常に大切です。

リラックスせず身体に力が入ってしまうと胃カメラが通りにくくなってしまいます。できるだけ深呼吸してリラックスし、特にのどに力が入らないように意識しましょう。
また、最初に行う表面麻酔は胃カメラをスムーズに進めるためには非常に重要です。麻酔が効くように鼻や喉にきちんと使用しましょう。一般的な表面麻酔はゼリーやスプレータイプです。いずれの場合も喉の奥の方にできるだけ溜めるようにしましょう。表面麻酔の効きが悪いとチューブの挿入時に痛みや苦しさを感じてしまうので、効きが悪いと感じた場合は表面麻酔を追加してもらいましょう。

口から入れる胃カメラ「経口内視鏡」を受ける際のコツとは

経口内視鏡はチューブが太く、嘔吐反射を招きやすいため痛みと不快感の強い検査です。

鎮静剤を使用せずに経口内視鏡を受ける際のコツとして、

  • 唾液を飲み込まない
  • できるだけゲップを我慢する

の2点が挙げられます。

質問者

質問者

なぜ唾液を飲み込んだらいけないんですか?

先生

先生

唾液を飲み込む行為は喉を大きく動かすからです。医師はできるだけ喉に当たらないようカメラを通しますが唾液を飲み込むと、その時、喉がチューブに当たってしまい嘔吐反射を招きます。また、表面麻酔の影響で喉の感覚が鈍くなっているので唾液が気管に入ってしまい大きくむせてしまうリスクもあります。

唾液は口からそのまま垂れ流しましょう。

質問者

質問者

胃カメラを受けているときはゲップが出やすくなるんですか?

先生

先生

はい、胃を膨らますために空気を送るので。腹部が膨らむことでゲップが出そうになりますがこれを我慢してもらうことが大切です。

ゲップをすると胃が動いてしまう、胃がしぼんで胃の中のヒダヒダをきちんと観察できない、結果的に検査時間が延びてまたゲップが出てしまう、という悪循環に陥ってしまいます。

ゲップを我慢するには顔を少し下向きにして顎を引きましょう。

鼻から入れる胃カメラ「経鼻内視鏡」を受ける際のコツとは

経鼻内視鏡の場合も、経口内視鏡と同様、「唾液を飲み込まない」「ゲップを我慢する」ことが大切です。

質問者

質問者

鼻が詰まっていると経鼻内視鏡は難しいのでしょうか?

先生

先生

鼻が詰まっている場合は点鼻薬を使用します。ただ、花粉症などで粘膜がむくんでいて鼻腔が狭くなっている場合はそもそも経鼻内視鏡が受けられないかもしれません。

なお、経鼻内視鏡検査終了後は鼻の粘膜が敏感になっているため、鼻血が出やすい状態です。強く鼻をかまないようにしましょう。

部位別、胃カメラ(胃内視鏡検査) でわかる病気とよくある所見

胃カメラでは喉、食道、胃、十二指腸の観察ができます。そのため様々な病気の所見を調べることができます。以下に胃カメラで観察する部位と調べられる病気についてまとめました。

部位調べられる病気
食道食道がん
逆流性食道炎
食道メラノーシス
食道静脈瘤
胃がん
萎縮性胃炎
胃潰瘍
胃腺腫(ポリープ)
十二指腸十二指腸がん
十二指腸潰瘍
十二指腸炎
十二指腸腺腫(ポリープ)
咽頭がん
声帯ポリープ
喉頭がん
質問者

質問者

胃カメラで診てもらうのは胃の中だけだと思っていたのですが、こんなにも病気についての情報を得られるんですね!

先生

先生

それぞれの病気と胃カメラの所見について解説します。

胃カメラでわかる「食道」の病気と気をつけるべき所見

胃カメラで調べられる主な食道の病気とその所見は以下の通りです。

食道がん 食道の粘膜表面に発生するがん。早期の食道がんは白い小さな粒状の膨らみや赤みのあるくぼんだ部位が見られる。胃カメラで早期発見できれば、内視鏡下での治療を試みることも可能。
逆流性食道炎 胃酸が上がることで食道に炎症をもたらす病気。粘膜の赤みやびらんなどの粘膜障害が認められる。
食道メラノーシス 食道の粘膜層に存在するメラニン顆粒が著しく増殖すること。食道粘膜が黒色になった部分を食道メラノーシスと呼ぶ。まれに皮膚がんを合併することがあるので経過観察あるいは精密検査が必要。
食道静脈瘤 食道粘膜にできたコブのような膨らみ。進行すると破裂して大出血につながるので注意が必要。

疾患毎に適切な治療・経過観察が必要になります。

胃カメラでわかる「胃」の病気と気をつけるべき所見

胃カメラで調べられる胃の病気とその所見は以下の通りです。

胃がん早期胃がんでは白い陥凹部位やわずかな赤い隆起部位などが確認される。
萎縮性胃炎ピロリ菌の感染によって引き起こされる胃炎。進行すると粘膜の下の血管が透けて見えるようになる。
胃潰瘍胃酸によって胃の粘膜が傷ついている状態。ピロリ菌や薬剤が原因となることが多い。粘膜がえぐれる、出血が見られるといった所見がある。
胃腺腫(ポリープ)粘膜の一部がイボのように隆起した良性の腫瘍。基本的に経過観察になるが、場合によっては切除することもある。稀にがん化することがある。

萎縮性胃炎や胃腺腫(ポリープ)は胃がんを発症するリスクがあるので定期的に胃カメラを受けることが大切です。

胃カメラでわかる「十二指腸」の病気と気をつけるべき所見

十二指腸は胃からつながる小腸の一部です。胃カメラで調べられる十二指腸の病気とその所見は以下の通りです。

十二指腸がん表面に白色調の粘膜を伴う。病変部は盛り上がるよりも平坦あるいは凹んだ状態が多い。
十二指腸潰瘍胃酸によって十二指腸の粘膜がただれ一部が欠損している状態。出血や穴があくこともある。
十二指腸炎十二指腸の粘膜がただれて傷ついた状態。びらんや炎症が認められる。
十二指腸腺腫(ポリープ)粘膜の一部がイボのように隆起した良性の腫瘍。基本的に経過観察になるが、場合によっては切除することもある。稀にがん化することがある。
質問者

質問者

私の友人は大腸カメラでポリープが見つかりすぐに切除したそうなんですが、胃や十二指腸のポリープは基本的に経過観察になるんですね。

先生

先生

ポリープは大腸がんの危険因子なので。実は大腸がんの大部分は腺腫性ポリープから発生すると言われています。またポリープが大きいほどがん化のリスクが高まります。(※6)もちろん放置していい良性ポリープも多いので、ポリープが見つかったからといって大腸がんだと思い込まないでくださいね。

一方で、胃や十二指腸ポリープについても、稀にがん化することがあるため大きさや数に変化が見られないか定期的に胃カメラで調べることが重要です。

胃カメラでわかる「咽頭」の病気と気をつけるべき所見

胃カメラでは喉を通るので、自分では確認できない、喉の奥の異常の有無を調べることができます。

咽頭がん空気、食べ物が通る部分のがん。早期の咽頭がんでは粘膜の一部が赤くなった病変部が見られる。
声帯ポリープ声帯(喉ぼとけの裏側)にポリープができた状態。
喉頭がん声帯にできるがん。
質問者

質問者

私はヘビースモーカーなので胃カメラで喉まで調べてもらえるのは安心です。

先生

先生

胃カメラの際、医師に喫煙習慣があるので喉に異常がないかどうか確認してください、と一言お願いするときちんと診てくれるでしょう。

胃カメラで膵臓の病気は見つかる?

質問者

質問者

胃から膵臓は近いですよね?胃カメラで膵臓まで調べてもらうことができるんでしょうか?膵臓がんも心配で……。

先生

先生

膵臓がんも喫煙との関連が指摘されていますね。(※7)膵臓は胃の裏側に位置しています。膵管を通じて十二指腸とつながっていますが内視鏡を通すことはできません。

膵臓がんは血液検査、超音波検査、CT・MRI検査等で調べることができます。

胃カメラ(胃内視鏡検査) の結果でがんの疑いがあっても焦らず冷静に

質問者

質問者

胃カメラの結果ってどのように伝えられるんでしょうか?

先生

先生

検査後に医師から説明を受けるのが一般的です。検査中に疑いのある病変部を採取して生検した場合は、その結果を待ってからの通知となります。胃カメラの画像と共に文書でレポートを受け取ることもあります。

胃カメラの結果、胃がんが疑われる場合は「要精密検査」と記載されます。

質問者

質問者

精密検査はどんな検査をするんでしょうか。

先生

先生

再度胃カメラを実施して病変部の生検をしたり、CT検査やPET検査など身体の内部を画像化する検査を組み合わせたりすることもあります。

精密検査により病変部の大きさや広がり具合、形状などより詳細に調べ、確定診断や治療法の決定をします。

ただ、「要精密検査」はあくまで疑わしい病変部が見つかったというだけで、胃がんの確定診断がされたわけではありません。

実際に胃カメラによる精密検査で生検を実施し、がんが見つかるのは2~9%程度というデータもあります(※8)。

質問者

質問者

そうなんですね。精密検査となってもほとんどの場合ががんではない、ということですね。安心しました。

先生

先生

精密検査になると不安に感じると思いますが、あまり心配せずに精密検査の結果が出るまで待ちましょう。

なお、胃がんの詳しい精密検査の方法についてはこちらの「胃がんの疑いありと言われた際の再検査・精密検査の種類と費用」をご覧ください。

まとめ、がん早期発見のためにできること

この記事をまとめましょう。

  • 胃カメラを受けられる機会は健康診断のオプション、人間ドック、自治体の胃がん検診(50歳以上)、病院(保険適用の場合もある)などがある。
  • 胃カメラには鼻と口から挿入するタイプがあり、経口では一般的に麻酔を使用する。経鼻は麻酔を使用しなくても苦痛を感じにくい
  • 鎮静剤(静脈麻酔)を使用するとしばらく休む必要があり、車の運転はできない
  • 40歳を過ぎたら胃カメラ検査を受けることがすすめられる。特に胃がんの危険因子を持つ人は注意が必要
  • 高齢、特定の疾患を持つ、妊娠中、抗血栓薬を服用中といった方は胃カメラの検査が受けられない場合がある
  • 胃カメラと大腸カメラを同日に受ければ、身体・時間・経済的負担を減らすことが可能
  • 胃カメラのコツは「リラックスする」「表面麻酔をきちんとする」「唾液を飲み込まない」「ゲップを我慢する」こと
  • 胃カメラではのど・食道・胃・十二指腸の病気を調べられるが、膵臓は確認できない
質問者

質問者

これまで、胃カメラは苦しいだけだしどんな病気が調べられるのかもよく分かっていなかったので、あまり気がすすみませんでした。でも、経鼻内視鏡であれば大丈夫そうですし、定期的に受けたいと思います。一度にこれだけ広範囲を調べられるのも安心ですから。

先生

先生

そうですね。特に胃がん・食道がん・十二指腸がんの早期発見につながるので、定期的に受ける価値は大きいと思います。

定期的な胃がん検診に加えて、マイシグナル®の活用もおすすめです。

マイシグナル®は自宅で尿を採取するだけで胃がんのリスク判定ができます。痛みや時間的な拘束もなく、手軽に検査が行えます。

マイシグナル®ではがん細胞のサインの一つ、尿中マイクロRNA(胞間のコミュニケーションを担う伝達物質の1つ)を調べることで現在と将来のがんのリスクを評価します。

質問者

質問者

尿検査だけで将来のがん発症リスクまで評価してもらえるんですか?それは有難いですね。

マイシグナル®の詳しい解説はこちらをご覧ください。

  • 本記事に記載されている費用は当社(Craif)が独自で調べたものになります。実際の費用は各医療機関にお問い合わせください。

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