マイシグナル
痛みのないがんリスク検査が産婦人科で人気。定期検査のリピーターも増加へ。
- 公開日: 11/15/2024
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- 最終更新日: 11/19/2024
丸茂レディースクリニック(東京都港区)は、開設11年の産科・産婦人科クリニックです。4Dエコーによる胎児スクリーニングや出生前診断、婦人科検診など幅広い診療を行う一方、更年期症状の改善にも力を入れています。
超音波専門医でもある院長が患者様一人ひとりに寄り添った診療を提供しており、妊婦健診から婦人科疾患まで、幅広い年齢層の女性の健康をサポートしています。2022年2月にマイシグナルを導入し、毎月コンスタントに検査のお申し込みをいただいております。
今回は、丸茂レディースクリニック院長の丸茂元三氏に、患者さんへのご案内や活用方法についてお話を伺いました。
- 患者さんの不安に寄り添うため、超音波検査と併用
- パンフレットを活用し、幅広い患者に周知
- 早期発見への新たなアプローチとして期待
患者さんの不安に寄り添うため、超音波検査と併用
──マイシグナルを導入したきっかけを教えてください。
他のがんリスク検査と比べて、検査精度などにおいてのエビデンスがしっかりしているところが決め手でした。マイシグナルはマイクロRNAを解析しているため、安定して一定の精度を保てると思っています。
加えて、マンモグラフィーなどの痛みを伴う検査に抵抗がある方にとって、尿検査という非侵襲的な方法が大きな魅力となっています。
──どのような患者さんにマイシグナルをおすすめしていますか。
幅広い患者さんに案内していますが、特に卵巣検査で良性か疑わしい腫瘍所見がみられる方や、症状があっても画像で異常がみられない方には、追加検査としてマイシグナルを案内しています。
所見で良性の可能性が高かったとしても、不安を感じる患者さんもいらっしゃいます。そうした方に、画像検査よりも早期の段階から高精度にリスクを検知できるマイシグナルをおすすめし、受検いただくケースが多いです。
低リスクの検査結果が出ることがほとんどですが、その結果が患者さんに安心を与えています。尿で手軽に検査できるからこそおすすめしやすく、毎月一定数の検査ニーズがあります。
パンフレットを活用し、幅広い患者に周知
──患者さんにマイシグナルを紹介する際、気を配っている部分があれば教えてください。
当クリニックには、20代〜60代まで幅広い年齢層の患者さんが来院します。導入してみて、がん検査の需要が高いのは、更年期治療をしている年代の方々だと実感しました。
40代以降の方のうち特に、港区のがん検診でご来院の方や、更年期症状の相談で来られた方には、積極的にパンフレットを使って説明しています。
説明時にはパンフレットを手元で開きながら、「画像検査では見つからない段階から検知できる」とお話しすると、興味を持っていただけることが多いです。より詳細なエビデンスにご興味を持った患者さんには、マイシグナルに関する論文データを説明し、こちらの案内の結果、納得して受検いただけます。
パンフレットを持ち帰り、ご家族と相談して受検を決められるほか、ご夫婦で受検される場合があります。当院では、7種類のがんを一度に検査できる点において費用対効果の面でメリットがあると紹介しています。1臓器あたりの検査費用や時間を考慮すると、総合的な健康管理の観点からも納得していただけるケースが多いです。
──マイシグナル導入後、反響はいかがですか。
「検査してみたら問題がなくて安心した」という声が多いです。パーソナルリスクや尿中マイクロRNAの値が記載されたレポートも好評で、リピートして下さる方もいらっしゃいます。
早期発見への新たなアプローチとして期待
──マイシグナルの結果は、患者さんにどのようにご案内されていますか。
一緒にレポートを見ながらアドバイスをしています。マイシグナルのレポートは7種のがんごとのリスクが詳しく記載されているので、ページ通りに順を追ってご案内することで患者さんの理解も進みやすいです。
レポートで特に良いと思う点は、「尿からマイクロRNAを測定した結果」と「患者さんの年齢・生活習慣に基づいたリスク評価」に分かれているところです。
例えば生活習慣のリスクが高い方には、生活習慣改善のアドバイスをするなど、検査結果に基づいて次のステップを提案できるため、患者さんとの対話のきっかけとなり、継続的な健康管理にもつながっています。
──最後に、マイシグナルの活用について、今後の展望を教えてください。
乳腺や子宮の検査は痛みを伴うものが多く、人間ドックやMRIは時間もコストもかかります。マイシグナルは、そうした検査の前に行うスクリーニング検査として活用できます。検査に不安を感じる方や多忙な方の間で、さらに浸透していく可能性を感じています。いつか、精密検査に代わる選択肢になるかもしれませんね。
当院においてもリピーターが増えれば、継続的な健康管理のツールとしても活用できるでしょう。画像検査では見つからないリスクを把握でき、患者さんの負担が少ない検査方法として、さらなる発展を期待しています。
──貴重なお話をありがとうございました。
この記事の監修者
水沼 未雅
博士(薬学)、薬剤師
京都大学薬学部卒業。東京大学大学院 薬学系研究科にて博士号(薬学)取得。アストラゼネカ株式会社のメディカルアフェアーズ部門にて、新製品の上市準備、メディカル戦略策定、研究企画、学術コミュニケーション等を経験後、Craifにて事業開発に従事。