がん検査
腹部エコー検査(腹部超音波検査)で何がわかる?当日の流れや費用について解説
- 公開日: 6/22/2025
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- 最終更新日: 6/22/2025

「最近、みぞおちが何度も痛む」「健康診断で腹部エコー検査をすすめられた」などから「腹部エコー検査で何がわかるの?」と気になっている方も多いのではないでしょうか。
腹部エコー検査は、体に負担の少ない方法で内臓の状態を調べられる便利な検査ですが、初めて受ける方にとっては、痛みや検査前の食事、費用など気になることがたくさんあるはずです。
この記事では、腹部エコーの基本情報から検査の流れ、注意点、そして「異常なし」と言われたけれど不安が残る…という方に向けた“自宅でできるがんリスクチェック”の新しい選択肢まで、わかりやすくご紹介します。
目次
腹部エコー(腹部超音波検査)とは?検査でわかること
腹部エコー検査(腹部超音波検査)は、超音波を使って腹部の臓器や組織をリアルタイムで映し出す検査です。
お腹にゼリーを塗り、専用の機器を使って超音波をあてます。
腹部エコー検査は、みぞおち周辺の臓器(肝臓・胆嚢・膵臓・脾臓・腎臓)を対象に、がんの早期発見に役立つ検査です。
がん以外に「脂肪肝」「胆石」「胆のうポリープ」「腎結石」なども発見できます。
毎年腹部エコー検査を受けることで、脂肪肝などの生活習慣に起因する変化も継続的に観察でき、早期対処にもつながります。
腹部エコー検査で異常が見つかったら
腹部エコー検査は、臓器の異常や疾患の兆候を発見するための重要な検査ですが、確定診断をするためには、追加の検査が必要となる場合がほとんどです。
腹部エコー検査で異常が見つかった場合には、異常に応じて経過観察になったり、精密検査(CT・MRI検査など)が推奨されたりします。
腹部エコー検査(腹部超音波検査)の当日の流れと注意点
腹部エコー検査は比較的短時間で終わりますが、スムーズに受けるためにはいくつかの準備や注意点があります。
ここでは、腹部エコー検査の当日の流れと、注意すべきポイントについて解説します。
腹部エコー検査の当日の流れ
腹部エコー検査は、外来で受けられる検査です。
検査では腹部から下腹部にかけての広い範囲を観察するため、お腹を出した状態でベッドに横になります。
超音波を通しやすくするために、皮膚に専用のゼリーを塗り、探触子(プローブ)と呼ばれる機器をお腹にあてて観察を行います。
全体の検査時間は個人差がありますが、おおよそ20〜30分程度です。
検査が終了した後は、すぐに日常生活に戻ることができます。
腹部エコー検査の注意点
腹部エコー検査を正確に行うために、検査に向けた指示がある場合があります。
多くの場合、腹部エコー検査の前に数時間の絶食が求められます。胃や腸に食物があると、超音波が十分に伝わりにくくなるためです。
また、膀胱のエコー検査では、より鮮明に観察できるよう、検査前に数時間尿を溜めておく必要があります。詳しい制限内容については、検査前に医師やスタッフから説明がありますので、必ず指示に従って準備しましょう。
また、お腹を広く出す必要があるため、お腹が出しやすい服装がおすすめです。
X線やCTと比べた腹部エコーのメリット・デメリット
腹部エコーはX線やCTと比較して以下のメリット・デメリットがあります。
メリット | デメリット |
放射線を使用しないため、被ばくのリスクがない比較的安価 | 体内の脂肪やガスが多い場合に画像が見づらくなる検査の精度や深部の臓器の詳細な確認には限界がある |
腹部エコーは安全性が高い一方で、深部の臓器や小さな病変の発見には限界があります。
検査対象となる臓器や目的に応じて、X線やCTなどの画像診断と使い分ける必要があります。
腹部エコー検査の費用や保険適用の有無について
腹部エコー検査は、健康診断や人間ドックをはじめ、多くの場面で利用されています。
ここでは、健康診断や人間ドックでの費用目安、そして腹部エコー検査が保険適用される場合について詳しく解説します。
健康診断・人間ドックでの費用目安
腹部エコー検査(腹部超音波検査)は、健康診断や人間ドックのオプション検査として行われています。
健康診断の基本パックに含まれている場合もありますが、多くはオプションとして別途費用がかかります。その場合の費用目安はおおよそ5000円前後です。
ただし、地域や医療機関によって金額は異なるため、あくまで目安としてお考えください。
腹部エコー検査が保険適用されるケース
腹部エコー検査は、医師が「診察や症状に基づいて必要と判断した場合」に、健康保険が適用されます。
この場合、3割負担の方であれば約500–2000円ほどで受けられます。
また、健康診断や人間ドックで異常が見つかり、再検査で腹部エコーが必要と判断された場合、その検査は基本的に保険適用になります。
腹部エコー検査に関するよくある質問
腹部エコー検査は一般的な検査ですが、初めて受ける場合は不安に感じる方も多いかと思います。
検査に関する疑問や不安を解消するために、よくある質問をいくつか取り上げ、詳しく解説します。
痛みや不快感はある?
腹部エコー検査(腹部超音波検査)は、体の表面にゼリーを塗って探触子(プローブ)を当てる検査のため、痛みを感じることはほとんどありません。
検査中は、より正確に観察するために探触子(プローブ)でお腹を軽く押さえることがあります。その際、多少の痛みや不快感を感じることがあるかもしれません。
みぞおち周辺を何度もグリグリされて痛い?
腹部エコー検査の対象の臓器がみぞおち周辺の場合、どうしてもその周辺を探触子(プローブ)を当てることになります。
肥満気味だったり、ガスが臓器に発生していたりすると、臓器が観察しづらい場合があります。その場合、プローブの位置を調整することで、多少の違和感を感じることがあるかもしれません。
痛みや違和感がある場合は、無理をせず速やかに検査スタッフへ伝えましょう。安全で快適な検査が行えるよう、必要に応じて調整されます。
妊娠中や高齢者でも受けられる?
腹部エコー検査は放射線を使用しないため、妊娠中の方や高齢者でも安心して受けられます。
胎児や高齢者の体に影響を与えることはなく、身体的な負担も少ないため、健康診断や人間ドックでも広く実施されています。実際に、妊婦健診では胎児の発育状態等を確認するためにも用いられます。
まとめ|「異常なし」と言われても不安が残る方に。別角度からの“安心確認”という選択肢
腹部エコー検査は、超音波を使って肝臓・胆嚢・膵臓・腎臓などの臓器の状態を調べる検査です。
放射線を使用せず、身体への負担も少ないため、多くの健診で活用されています。
ただし、初期段階の小さいがんや、がんが深部に位置する場合には、腹部エコー検査では十分に観察できないこともあります。そこでおすすめしたいのが「マイシグナル・スキャン」です。
「マイシグナル・スキャン」は、唾液や尿だけで複数(大腸・肺・胃・乳房・卵巣・すい臓・食道)のがんの現在のリスクをチェックできる検査キットです。
「病院に行くほどではないけれど、現在のがんリスクが気になる」「忙しくて健康診断の時間が取れない」、そんな方にこそ、自宅で始められるリスクチェックという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。
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尿のマイクロRNAを調べ、がんリスクをステージ1から判定。早期発見が難しいとされるすい臓がんをはじめ、日本のがん死亡総数の約7割を占める7つのがんリスク※を、⼀度でがん種別に調べます。
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この記事の監修者

近藤理美
臨床検査技師 医療ライター
急性期病院で8年間臨床検査技師として勤務。
自身の臨床経験と確かなエビデンスを元に、医療メディアを中心として記事を執筆