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マイシグナルは、なぜ血液ではなく「尿」でがんリスクを測っているのか
- 公開日: 5/12/2026
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- 最終更新日: 5/14/2026

「尿検査は手軽でいいけれど、本当に血液検査と同じくらい詳しくわかるの?」
マイシグナルをご利用いただいた際、このような疑問を持たれた方もいらっしゃるかもしれません。
「検査=血液」というイメージが一般的ですので、そう思われる方も少なくないと思います。しかし近年の研究では、尿検査には血液検査以上の精度でがんのサインを捉えられる可能性があることが分かってきました。
たとえば、早期発見が非常に難しいとされる「すい臓がん」の早期(ステージⅠ/ⅡA)において、従来の一般的な血液検査(腫瘍マーカー CA19-9)の検出感度は37.5%ですが、尿を用いたマイクロRNA検査では、なんと「92.9%」という極めて高い感度で早期がんを検出できることが確認されています。

しかし、そもそもなぜ尿からこれほど正確にがんのサインを捉えられるのでしょうか? そのメカニズムを裏付ける画期的な発見が、2026年に世界で初めて明らかになりました。
そもそもマイシグナルは、尿から何を測定しているのか
マイシグナル検査で鍵となるのは、「マイクロRNA」という極小の物質です。
がん細胞は、マイクロRNAをエクソソームと呼ばれる小さなカプセルに封入して放出します。これを受け取った周りの細胞は、がん細胞が住みやすいように体を作り変えてしまいます。
マイシグナルは「マイクロRNA」を捉えて解析することで、がんのリスクを評価しています。

尿から「マイクロRNA」が検出できる不思議
しかし実は、「なぜ尿の中にマイクロRNAが存在するのか」は、科学的には大きな謎でした。
そもそも尿とは、体からいらない物質を外に排出する役割を持っています。
全身を巡る血液から「腎臓」というフィルターを通じて、不要なものだけが尿として排出されます。このフィルターの網目は約6〜8nm(ナノメートル)程度と考えられており、非常に細かい物質しか通り抜けることができません。
一方、マイクロRNAを包むエクソソームの大きさは約30〜200nmです。
つまり、カプセルは腎臓のフィルターの網目よりもはるかに大きく、本来なら「尿に出る(通り抜ける)はずがない」サイズなのです。
それにもかかわらず、なぜ尿の中からマイクロRNAを測定できるのか…。これは長い間、研究者たちを悩ませる大きなミステリーでした。

謎を解く鍵は、腎臓が「マイクロRNA」を運ぶ仕組みだった
この長年の謎を解き明かしたのが、マイシグナルを提供するCraifの共同創業者・技術顧問でもある、東京工業大学(現 東京科学大学)の安井隆雄教授らの研究グループです。
本研究によって明らかになったのは、腎臓が「マイクロRNA」を能動的に取り込み、自ら尿側へと「運び出している」という事実でした。
マイクロRNAが入ったカプセルは、腎臓の小さな網目を無理やりすり抜けていたわけではなく、腎臓が自ら運び出していたのです。

さらにマウスを用いた実験では、血液中よりも「尿中」の方が、がん由来のマイクロRNAの濃度が高くなることが確認されました。
肺がんやすい臓がんなどの細胞を移植した結果、がんのサインは腎臓の働きによって尿の中に積極的に集められ、血液よりも濃縮されることが分かりました。
(本研究成果は、2026年2月にScience Advances誌という世界的に著名な科学誌に掲載されました)

マイシグナルが「尿」にこだわる、本当の理由とは
体液からがんリスクを調べる研究においては、長らく血液が主役とされてきました。しかし今回の発見はその常識を覆し、実は「尿」のほうが、がんの情報を血液以上に映し出す「優れた情報源」であることを示しています。
マイシグナルはサービス開始当初から、この「尿の持つ高いポテンシャルと精度」に着目して開発されてきました。今回の研究成果は、私たちが採用してきたアプローチの優位性を、最新の科学が改めて証明した形となります。
がんという命に関わる領域のサービスを提供する以上、私たちは常に極めて高い正確性と信頼性を追求する責任があります。だからこそ、根幹となる「科学的根拠(エビデンス)」の構築に妥協することなく取り組んでいます。
マイシグナルはこれからも、確かなエビデンスの蓄積と技術革新を続けていきます。
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この記事の監修者

名古屋大学 未来社会創造機構 客員准教授、博士(薬学)、薬剤師
東京大学大学院 薬学系研究科にてケミカルバイオロジーを専攻し博士号(薬学)を取得。研究活動に並行してGlobal Healthのプロジェクトにも従事。幼少期をオランダで過ごした海外経験と技術バックグラウンドを活かし、米国のNPOにてザンビア等の開発途上国への医療テクノロジー導入も支援。大学院修了後、2013年にバイエル薬品に入社。オンコロジーや眼科領域事業でMR、マーケティングの経験を積んだ後、経営企画や全社プロジェクトのPMO等、幅広い業務をリードした。 同社を退職後、2019年1月Craif株式会社に参画。
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