マイシグナル
なぜ「尿」でがんリスクが分かるのか?~「マイシグナル・ライト」検査の仕組み~
- 公開日: 12/29/2025
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- 最終更新日: 1/5/2026

はじめに—手軽さの裏にある「精密技術」
「マイシグナル・ライト」は、現在の全身の様々ながんリスクを手軽に調べる検査です。
食事制限のない尿検査で、痛みもなく、病院に行く必要もありません。
しかし、その手軽さの裏側で、皆様からお預かりした尿検体は、専門の衛生検査所にて高度な分析技術を用いて解析されています。
「尿から、どうしてそんなことが分かるの?」
本コラムでは、そんな疑問にお答えすべく、マイシグナル・ライトの検査の仕組みについてご紹介します。
目次
私たちが測定する「がんの目印」 — ジアセチルスペルミン
私たちの体の中でがん細胞が発生し、活発に増殖しようとするとき、正常な細胞とは異なる働きや代謝を行います。その結果、尿中に排出される代謝物にも変化が現れます。
マイシグナル・ライトが測定しているのは、「ジアセチルスペルミン」という物質です。
一言で言えば、これは「細胞分裂をする時に出てくる物質」です。
なぜ、がんだと測定量が増えるのか
がん細胞には、正常な細胞よりも遥かに激しく細胞分裂を繰り返すという性質があります。
そのため、がんが体の中に存在すると、激しい分裂に伴ってこの物質も非常に大量に作られるようになるのです。
グラフは以下の文献から翻訳し変更を加えたものです
Cancer Epidemiol Biomarkers Prev (2019) 28 (8): 1283–1291.
ステージ1から早期検知が可能との報告
このジアセチルスペルミンは、早期がんへの反応性が既存の腫瘍マーカーよりも高いことが世界中の様々な研究チームから報告されております。
実は、ジアセチルスペルミンを測定してがんを早期に発見する手法は、日本発の特許技術でもあります。
マイシグナル・ライトでは、この世界に誇る技術を活用することで、全身の様々な部位に潜むがんリスクをステージ1から検知することを可能にしました。
しかし、尿の中には何千種類もの物質が混ざっており、その中から目的の「ジアセチルスペルミン」だけを見つけ出すことは容易ではありません。
ごく微量しか含まれていないこの物質を正確に捉え、安定した検査結果をお届けするために、マイシグナル・ライトが徹底的にこだわっている「3つの技術(ポイント)」をご紹介します。
ポイント1 微量な物質を見つけ出す技術 — ELISA法
まず1つ目が、「ELISA(エライザ)法」という精密な分析技術の採用です。 ELISA法にはいくつかの種類がありますが、本検査ではその中でも「競合法」という、極めて小さな物質の測定に特化した手法を選定しました。
これは、尿中に含まれるジアセチルスペルミンが多いほど、検査用の試薬(抗体)が多く消費されて減ってしまうという現象を利用します。 この「試薬の減少度合い」を測定することで、目に見えないほど微細な物質の量を間接的に割り出す手法です。
① 尿検体と「特殊な抗体」を混ぜ合わせる
まず、皆様からお預かりした尿検体に、ジアセチルスペルミンと特異的に結合する「特殊な抗体」を一定量混ぜ合わせます。 尿中のジアセチルスペルミンの量に応じて、ここで抗体が結合し、消費されていきます。
② 「余った抗体」をプレートで捕獲
次に、その混合液を検査用プレートに流し込みます。
このプレートは、尿中で反応しきれずに余っていた抗体だけを選んで捕捉することができます。(すでに尿中のジアセチルスペルミンと結合してしまった抗体は、プレートには捕捉されず、そのまま洗い流されます)

③ 「酵素」反応による発色
抗体には酵素が取り付けられており、この酵素と反応する物質を加えることで、プレートに捕捉された抗体の量に応じて発色反応が起こります。
これにより、微細な量の違いも正確に捉えられるようになります。
④ 光学機器で色の濃さを「精密に数値化」
最後に、光学機器で発色の濃さを精密に測定します。元の検体に含まれていたジアセチルスペルミンが多い場合は、プレートに残っている抗体が少なくなることから、色が薄くなります。一方で元の検体に含まれていたジアセチルスペルミンが少ない場合は、反応量が多くなり、色が濃く変わります。
この色の変化(吸光度)を高精度な光学機器で測定・数値化することで、人の目では分からない微細な差まで検出し、正確な定量化およびリスク判定を行っています。

ポイント2 安価で高精度を実現するカギ — 自社製造プレート
一般的な検査では、海外製などの既製品の検査キット(プレート)を購入して使用するのが主流ですが、製造ロットごとの品質のバラつきの解消や研究開発を加味した価格設定がされており、費用が高騰してしまう課題がありました。
そこでマイシグナル・ライトでは、検査の要となる検査プレートの製造を内製化しています。
ポイント1でご紹介した「余った抗体を正確に捕捉(ほそく)する」ためのプレート表面の加工(抗原の修飾およびその固相化)は、とても繊細で、高度な技術を要します。
このコーティング処理がわずかでも不均一だと、抗体を毎回同じ精度で捕まえることができず、正確な数値を出すことができません。
本工程を既製品任せにせず、自社のプロセスで厳格にコントロールすることで、いつ検査してもバラつきのない、常に安定した結果(高い再現性)をお届けしています。
また、商社などを通さないため中間コストも発生しません。「良いものを、安く」提供できるのも、高い技術力による自社製造ならではの強みです。
💡 自社製造の2つのメリット
- 独自に設定された高い品質基準の担保: 一貫管理により、常に高品質な検査精度を維持しています。
- コストの削減: 中間コストを省くことで、高精度でありながらお求めやすい価格を実現しました。

ポイント3 人の手より正確に。検査工程の「自動化」
本検査は、試薬を反応させる「時間」「温度」「量」が非常に重要な検査です。
人の手で作業を行うと、どうしても最初の検体と最後の検体で「反応時間のズレ」が生じたり、分量にわずかな誤差が出たりして、結果のバラつきにつながる可能性があるためです。
そこで私たちは、いつ検査しても変わらない高い再現性を維持するため、医療機関の検査室や大規模な検査センターと同様に、専用機器を用いた検査工程の「自動化」を徹底しています。
機械を用いることで、常に設定された通りの正確な量、正確なスピードで作業を繰り返すことができます。
「当たり前のことを、徹底して行う」。手作業で起こりがちな微細なズレを排除し、常に均一な条件下で検査を行うことこそが、信頼できる結果をお届けする基本であると考えています。

おわりに 丁寧な検査をお約束します
このように、マイシグナル・ライトの検査は、独自の技術と厳密な管理体制のもと、専門スタッフの厳格な管理と、機械による精密な自動化技術を組み合わせ、皆様の検体を大切に扱っております。
精密な検査工程を経るため、結果が出るまでにお時間をいただくことがございますが、それは「確かな安心」をお届けするための、私たちが譲れないこだわりでもあります。
私たちはこれからも、高精度な検査技術を通じて、皆様の健康をサポートしてまいります。
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この記事の監修者

博士(薬学)、薬剤師
京都大学薬学部卒業。東京大学大学院 薬学系研究科にて博士号(薬学)取得。アストラゼネカ株式会社のメディカルアフェアーズ部門にて、新製品の上市準備、メディカル戦略策定、研究企画、学術コミュニケーション等を経験後、Craifにて事業開発に従事。
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