がんの症状

胃がんの症状と原因: 初期症状と末期症状、げっぷ・おならは無関係?

  • 公開日: 1/16/2024
  • |
  • 最終更新日: 9/13/2024
  • #胃がん
胃がんの症状と原因: 初期症状と末期症状、げっぷ・おならは無関係?
質問者

質問者

最近、食後でもないのにげっぷがよく出るんです。胃がむかむかする感じもあって…。年のせいかなと思うんですが、胃がんなんかだと怖いなと思って。

先生

先生

げっぷや胃のむかむかは食べ過ぎや加齢でも起こりやすい症状ですが、胃がんでも起こる症状ですね。ちなみに、最後に胃がん検診を受けられたのはいつでしょうか?

質問者

質問者

定年退職してからは受けていないので、胃がん検診を受けたのは…5年ほど前だと思います。毎日なにかと忙しくて…。

先生

先生

そうなんですね。胃がんは40代から増え始めて、60代以降ぐっと増える病気なので、胃がん検診は毎年受けておきたいですね。一度、胃がん検診も含めて検査をしてみましょう。

2019年の胃がんの罹患数は男性が約8.5万人、女性が約3.9万人で、がんの罹患数では男性第3位、女性第4位と非常に多いがんです。(*1)(*2)

また、2021年の胃がんの死亡数は男性が約2.7万人、女性が約1.4万人で、男性のがん死亡数第3位、女性でも第5位となっています。(*2)(*3)

出典:

胃がんの罹患数・死亡数が多い背景には、ピロリ菌や加齢、塩分の摂り過ぎ、喫煙などが関係していると考えられています。

ここでは、胃がんの症状と原因についてくわしく解説していきます。

この記事でわかること

  • 胃がんは罹患数・死亡数共に女性より男性のほうが約2倍多い
  • 胃がんのリスクはピロリ菌や食習慣による影響が大きい
  • スキルス胃がんは進行が早く、5年生存率が特に低い
  • 胃がんは特有の初期症状がない場合も多く、症状だけで早期発見するのは難しい
  • 胃がん発見のきっかけで最も多いのは、自覚症状による受診(その他・不明を含む)である
  • 胃がん検診はバリウム検査と胃部エックス線検査がある
  • 40歳を超えたら年1回、胃部エックス線検査を受けることが大切

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胃がんとは

質問者

質問者

そもそも胃はどこにあるんでしょうか?

先生

先生

胃はみぞおちの部分にあります。口から入った食べ物は、食道を通って胃へと入ります。「胃袋」ともいうように、胃は袋状の臓器で食物を溜めて消化する役割を担う臓器です。

質問者

質問者

みぞおちあたりに違和感があれば、胃がんの可能性があるということですね。

先生

先生

いえ、実は胃がんの初期はほとんど自覚症状がなく、進行してもあまり症状が出ない場合もあります。さらに、スキルス胃がんという、進行が非常に早いタイプの胃がんもあります。そのため、胃がんは初期での発見が難しいがんのひとつです。

胃がんは組織型によって3つのタイプがあります。

1.分化型胃がん

分化型胃がんは進行スピードが緩やかで、がん細胞が比較的まとまっているのが特徴です。

2.未分化型胃がん

未分化型胃がんは進行スピードが早く、がん細胞がまとまらずにバラバラと増殖するのが特徴です。

3.スキルス胃がん

スキルス胃がんは、胃がん全体の約10%を占め、進行の速いがんとして知られています。胃の粘膜表面の変化が少なく、胃壁全体が硬くなって伸展しにくくなったりするのが特徴で、未分化型であることが多いです。

胃がんは分化型、未分化型、スキルスの3つに大きく分けられますが、それぞれ進行スピードや経過、治療法が異なります。一般的に、分化型よりも未分化型のほうが進行スピードが速い傾向があります。スキルス胃がんは発見されたときには転移しているケースも多く、治療が難しいがんです。

胃がんは初期で見つかれば治療効果が高く、5年生存率は90%以上となります。(*4)胃がん検診は会社の健康診断や市町村のがん検診など受ける機会も多いため、積極的に活用しましょう。

胃がんの原因とリスク因子

胃がんのうち、スキルス胃がんは他の胃がんとは違い、20代の若年層や女性に多いのが特徴です。近年の研究で、飲酒やアルコールを代謝しにくい体質がリスク因子であることがわかってきましたが、発症原因についてさらなる研究が進められています。

スキルス胃がん以外の胃がんでは、発症の原因やリスク因子がわかっています。

ピロリ菌

胃がんの原因となるのが、ピロリ菌です。ピロリ菌とは、細菌の一種であるヘリコバクター・ピロリのことです。ピロリ菌が感染すると、胃の中に生息し、胃の粘膜に影響を与えます。感染状態が長く続くと、胃の粘膜の萎縮や腸の細胞への変化(腸上皮化生)を引き起こし、胃・十二指腸潰瘍、胃がんなどの原因となります。

しかし、ピロリ菌に感染しているだけでは特に自覚症状がないため、感染に気づかないことも少なくありません。ピロリ菌に感染しているかは、胃内視鏡検査(胃カメラ)や血液検査や尿検査、呼気検査(尿素呼気試験)でわかります。

胃がん検診で胃内視鏡検査を受けることは、胃がんの発見だけでなく、ピロリ菌感染の発見にも繋がります。

年齢が50歳以上

胃がんは40代から増え始め、特に男性では60代以降、急激に罹患数が増えます。胃がんの罹患率を見てみると、人口10万人あたり30代では10人未満だったのが、40代で10~20人程度、60代後半では男性で約300人、女性で約100人となります。(*1) シニア世代では、男性は女性の約2~3倍胃がんになりやすいと言えるでしょう。

塩分の過剰摂取

塩分の摂り過ぎは、胃がんのリスク因子となります。特に男性でその傾向が高く、女性では関連が少ないという研究結果もあります。(*5)

ただし、いくら、塩辛、練りうになどの非常に塩分濃度の高い食品では、男女ともに頻繁に食べる人ほど胃がんのリスクが高くなることがわかっています。(*5)

胃がんのリスクを考えると、塩分の多い食品は控え目にしたほうがよいでしょう。

喫煙

喫煙は多くのがんのリスクを高めますが、胃がんのリスクも、喫煙者は非喫煙者に比べて1.6倍高いことがわかっています。(*6)特に男性では、喫煙による胃がんのリスクが高くなることが多くの研究で明らかになっています。

女性のほうが、喫煙歴が短く喫煙量も少ないため、喫煙による影響が少ないと考えられていますが、喫煙による胃がんの影響がないわけではありません。

男女共に、禁煙することで胃がんのリスクは減るため、禁煙することをおすすめします。

遺伝的な要因

CDH1遺伝子やBRCA1・BRCA2遺伝子など、特定の遺伝子の病的な変化によって胃がんが発生しやすくなることがわかっています。さらに、遺伝的な要因にピロリ菌の感染が重なると、胃がんのリスクが高くなることが明らかになっています。ピロリ菌が感染している場合には早めに除菌し、遺伝的な要因については、一度調べておいたほうが安心と言えるでしょう。

遺伝子情報を活用した検査キット「マイシグナル」は、唾液や尿だけで胃がんを含む7つのがんの遺伝的リスクや現在のリスクを調べることができます。気になる方はこちらのがんに特化した遺伝子検査「マイシグナル・ナビ」もご覧ください。

げっぷ、おならは無関係?胃がんの前兆・初期症状はない?

質問者

質問者

げっぷがよく出るのは胃がんの前兆だったりするんでしょうか?

先生

先生

前兆というよりは進行してから見られる症状のひとつですね。胃がんが進行すると、食物が通りづらくなって胃などの消化管に食物が溜まるようになります。そうすると、みぞおち辺りが重苦しかったり、げっぷがよく出るようになったりします。

質問者

質問者

そうなんですね。おならがよく出るのは胃がんと関係あるんでしょうか?

先生

先生

胃がんの進行によって消化不良が続き、おならが出るということは考えられますが、初期症状としては考えにくいですね。

胃がんは初期症状がない場合も多く、気づきにくいがんです。特にスキルス胃がんでは、症状が出るころには進行している場合も少なくありません。

また、初期症状として、げっぷやおならが増えるとは考えにくいでしょう。

症状だけで胃がんの有無を判断するのは難しいため、異常を感じたら医療機関を受診することが大切です。

胃がんの進行速度と進行してくると現れる症状

質問者

質問者

胃がんになったら、どんな風に進行するのでしょうか?

先生

先生

胃の壁は5層あり、粘膜から2層目(粘膜下層)までにがんがとどまっているものを「早期胃がん」、3層目(固有筋層)以上に浸潤したがんを「進行胃がん」と呼びます。

また、胃がんは進行すると深くなるだけでなく、リンパ節や他の臓器へ転移して広がっていきます。胃がんの病期(ステージ)は、ⅠA、ⅠB、ⅡA、ⅡB、ⅢA、ⅢB、ⅢC、Ⅳまでの全8段階あり、胃がんの深さ、近くのリンパ節への転移の有無、胃から離れた臓器やリンパ節への転移の有無から判断されます。

質問者

質問者

胃がんが進行すると、どんな症状が見られるのでしょうか?

先生

先生

胃の痛みや不快感、食欲不振、吐き気、食べ物がつかえる、体重減少などの症状が見られます。また、便の色が黒くなることもあります。ただ、どの症状も胃がん以外でも起こる症状です。症状がまったくなく進行する場合もあるので、やはり胃がんの発見には胃がん検診を受診するのが一番でしょう。

胃がんは発がんから3~4年は進行速度が遅く、ゆっくり少しずつ広がっていきます。(*7)しかし、粘膜下層へ広がると、進行が速くなってしまうのです。

スキルス胃がんの場合は特に進行が速く、発見時に腹膜などへの転移が確認されるケースもあります。

胃がんの5年相対生存率を見てみると、Ⅰ期は90%以上と高いですが、Ⅱ期で70%程度、Ⅲ期で40%程度となり、Ⅳ期では5%程度です。(*4)

スキルス胃がんに限定すると、5年生存率は約10~15%と低くなります。(*8)

胃がんを早期に発見するために、胃がん検診を定期的に受けることと、胃がんによってどのような症状が表れるかを知っておくことが大切です。

胃がんが進行してくると現れる症状を見てみましょう。

みぞおちや胃の痛み・不快感・張り

胃がんが胃の出口あたりにある場合、胃に入った食べ物が腸へ送られにくくなり、みぞおちや胃の痛み、不快感、張りの原因になることがあります。

食欲不振、吐き気、食べ物が飲み込みづらい

胃の入り口や出口あたりに胃がんがある場合、食べ物がつかえやすくなり、食欲不振、吐き気、食べ物が飲み込みづらいなどの症状が見られることがあります。

体重減少

胃がんの進行によって食べ物が胃をうまく通過できなくなると、食事量が減り、体重が減る場合があります。

血便・黒色便(便の色が黒くなる)

胃がんから出血すると、便に血液が混じります。しかし真っ赤ではなく、胃から十二指腸、小腸、大腸を通過する間に血液は黒く変化するため、黒い便として出てきます。

手遅れの可能性も?胃がんの末期症状とは

質問者

質問者

胃がんの末期にはどんな症状が出るのでしょうか?

先生

先生

体重の減少やお腹に水が溜まる(腹水)などの症状が見られます。腹水が溜まることで、便秘や腹痛、吐き気や嘔吐などの症状が出ることもあります。

質問者

質問者

なぜ胃がんの末期にお腹に水が溜まるんでしょうか?

先生

先生

胃がんが深く進行すると、近くにある大腸やすい臓、横隔膜、肝臓などのほか、腹腔に広がります。腹腔は、胃や小腸、大腸、肝臓などの消化器官や女性の場合には子宮や卵巣が入った空間です。胃を包む膜を超えたがん細胞が腹腔に散らばると、腹腔を包む腹膜にがんが転移し、腹膜播種と呼ばれる状態となります。特に、スキルス胃がんで腹膜播種が見られやすいですね。

末期の胃がんで見られる状態と症状は下記のとおりです。

腹水貯留
がん細胞が腹腔に散らばって腹膜上に転移することで、腹腔内に水(腹水)が溜まります。腹水が増えると、お腹が常に張った状態となり、便秘や腹痛などの症状が見られます。

さらに進行すると、腹膜に付着したがん細胞が大きくなり、小腸や大腸、胆管、尿管などを圧迫することに。各臓器で通過障害を起こし、腸閉塞や黄疸など、さまざまな異常を引き起こします。

体重の減少
胃がんによって食べ物が通りづらくなることで体重減少が見られますが、末期になると体重減少が加速します。これは、がん細胞が増殖することで炎症性サイトカインなどの物質が放出され、食欲低下や代謝の異常などが起こるためです。

過去6か月間の体重減少が5%を超える場合(BMI*が20未満の人は、2%を超える場合)には、注意が必要です。日頃から体重を測る習慣を身につけておきましょう。

  • *BMIは肥満度の指標で、[体重(kg)]÷[身長(m)×身長(m)]で求められます。

胃がん発覚のきっかけとは

胃がんは、ⅡB期以降では自覚症状による受診によって見つかることが多く、ⅡA期以前ではがん検診・健康診断・人間ドックで見つかることが多いです。

がん検診・健康診断・人間ドックを契機に診断された症例のうち、80%以上がステージIAであることから、胃がんの早期発見には定期的な検診受診が重要であることがわかります。(*9)

ただし、がん検診は40代以降を対象とする場合が多いため、20代や30代の方で気になる症状が少しでもあるときには、医療機関を早めに受診することをおすすめします。

胃がんの検査方法とは

質問者

質問者

胃がんの検査って、バリウム検査のことでしょうか?

先生

先生

胃がん検診では、問診と、胃部エックス線検査もしくは胃内視鏡検査を行います。胃部エックス線検査は「バリウム検査」胃内視鏡検査は「胃カメラ」とよく呼ばれますね。

質問者

質問者

バリウム検査と胃カメラ検査があるんですね。どちらを選んだほうがいいのか…。迷いますね。

先生

先生

市町村の胃がん検診では、対象となる年齢が違ってきます。50歳以上では年1回、バリウム検査と胃カメラ検査のどちらかを選べますが、40歳以上50歳未満では胃部エックス線検査を年1回受けられます。50歳以上の方でどちらを受けるか迷われている場合は、医師に相談してみましょう。

胃がんの主な検査方法は胃部エックス線検査や胃内視鏡検査ですが、胃がんのリスクを調べるための「ABC検診」という血液検査もあります。自分の胃がんのリスクを知っておくことで、適切な胃がん受診の頻度やタイミングを知るのに役立つでしょう。

そしてもし、胃部エックス線検査や胃内視鏡検査で異常が認められた場合には、胃内視鏡検査で採取した組織の病理検査を行い、がんやその他の病気の有無や状態を調べます。

さらにCT検査やMRI検査、PET検査などでくわしく状態を調べることもあります。

胃がんの検査については、こちらの「胃がん検査は何歳から?胃がんの症状・検査方法・頻度・費用を解説」もご覧ください。

まとめ、胃がん早期発見のためにできること

それではこの記事をまとめましょう。

  • 胃がんは罹患数・死亡数共に女性より男性のほうが約2倍多い
  • 胃がんのリスクはピロリ菌や食習慣による影響が大きい
  • スキルス胃がんは進行が早く、5年生存率が特に低い
  • 胃がんは特有の初期症状がない場合も多く、症状だけで早期発見するのは難しい
  • 胃がん発見のきっかけで最も多いのは、自覚症状による受診(その他・不明を含む)である
  • 胃がん検診はバリウム検査と胃部エックス線検査がある
  • 40歳を超えたら年1回、胃部エックス線検査を受けることが大切

胃がんの早期発見には、定期的にがん検診を受けること、胃痛やみぞおちの不快感などの異常を感じたら早めに医師に相談することが大切です。40歳を超えたら、年に1回は胃がん検診や健康診断、人間ドックを受けましょう。

また、胃がんの症状を知っておくことも大切です。加齢やいつもの食べ過ぎ、ストレスによる胃痛と決めつけず、胃の症状や便の異常が見られる場合には医療機関を受診しましょう。

そして、胃がんのリスクを下げるには、ピロリ菌の除菌や塩分を摂り過ぎない食生活、禁煙が必要です。できるところから改善し、胃がんのリスクを減らしましょう。

自宅で胃がんのリスクを検査する方法もあります。「マイシグナル」は、唾液や尿だけで大腸乳房卵巣すい臓食道の7つのがんの遺伝的リスクや現在のリスクをチェックできる検査キットです。自分のがんのリスクについて知りたい方は、一度試してみてはいかがでしょうか。

参考
  • 本記事に記載されている費用は当社(Craif)が独自で調べたものになります。実際の費用は各医療機関にお問い合わせください。

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