がんの症状

膵臓の不調は何科を受診するべき?主な症状や考えられる疾患を紹介

  • 公開日: 11/4/2025
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  • 最終更新日: 11/4/2025
    膵臓の不調は何科を受診するべき?主な症状や考えられる疾患を紹介

    みぞおちの違和感や背中の痛み、急な食欲不振などの症状が続くと、「膵臓の病気かもしれない」と不安になってしまいますよね。

    とはいえ、膵臓の不調が気になるときに何科を受診すればよいのか、迷う方も少なくありません。

    そこで本記事では、膵臓が不調のときに受診するべき診療科や現れやすい症状、代表的な疾患についてわかりやすく解説します。

    膵臓の不調に不安を感じている方は、ぜひ参考にしてみてください。

    \早期発見の難しいすい臓がんも対象/

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    • 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く

    膵臓が気になるときは何科を受診するべき?

    膵臓のあたりに痛みや違和感を覚えたときに受診するべき診療科は、「消化器内科」です。

    膵臓は胃の裏側にある消化器系の臓器で、食物を分解する消化酵素を分泌するほか、血糖値を調整するインスリンなどのホルモンも作っています。

    体のエネルギー代謝と消化機能の両方を支える重要な臓器です。

    また、血糖値の異常がある場合やホルモン分泌に関係する病気が疑われるときは、内分泌内科や糖尿病内科を紹介されることもあります。

    膵臓疾患で現れる主な3つの症状

    膵臓の病気は特有の症状が少なく、あいまいな不調として現れることもあります。

    膵臓に疾患がある場合に現れる症状として、以下の3つがあげられます。

    • みぞおち・背中の痛み
    • 食欲不振
    • 黄疸

    自身の今の症状と照らし合わせてみてください。

    みぞおち・背中の痛み

    膵臓の病気で多くみられるのが、みぞおちや背中の痛みです。

    膵臓は胃の裏側、体の奥にあるため、炎症が起こるとその痛みが背中まで広がる場合もあります。

    急性膵炎では急に強い痛みが現れ、吐き気や発熱を伴うこともあります。一方、慢性膵炎では、鈍い痛みが断続的に続きます。

    みぞおちの痛みは胃や胆のうの病気でも起こるため、自己判断は禁物です。痛みが数日続いたり、背中まで痛むときは、早めに消化器内科を受診しましょう。

    急性膵炎診療ガイドライン2021
    国立がん研究センター がん情報サービス 膵臓がんについて

    食欲不振

    慢性膵炎では、病気の進行とともに食欲が低下し、体重減少を招くこともあります。

    また、膵臓がんが進行すると、食欲不振や倦怠感が続くケースも少なくありません。

    「最近食欲がない」「お腹が張っている」といった軽い不調でも、膵臓をはじめとした消化器系の異常が隠れている可能性があります。

    食欲低下が続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

    近畿大学病院 慢性膵炎の治療

    黄疸

    黄疸(おうだん)は皮膚や白目が黄色くなる症状で、膵臓の不調を示すサインのひとつです。

    膵臓を通る胆管が炎症や腫瘍によって圧迫されると、胆汁の成分であるビリルビンが逆流し、体が黄色く見えます。

    はじめのうちは白目の部分がうっすら黄色くなる程度ですが、進行すると皮膚全体が黄色みを帯び、尿の色が濃くなることもあります。

    黄疸は肝臓や胆のうの病気でも起こりますが、膵臓がんの症状としても現れることがあるため注意が必要です。

    黄疸は痛みを伴いませんが、症状が出るころにはすでに病気が進行していることもあります。黄疸がみられたら放置せず、早めに消化器内科で相談しましょう。

    国立研究開発法人 国立長寿医療研究センター 体が黄色いんじゃないの?

    膵臓の状態を調べる主な検査

    膵臓の状態を調べる主な検査は、以下の通りです。

    • 血液検査
    • 腹部超音波(エコー)検査
    • CT検査
    • MRI検査・MRCP
    • 内視鏡的逆行性膵管造影(ERCP)
    • 超音波内視鏡検査(EUS)

    それぞれの検査の特徴や目的について、わかりやすく解説します。

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    • 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く

    血液検査

    膵臓の状態を調べる血液検査として、以下のような項目があります。

    検査項目主な目的・わかること
    膵アミラーゼ膵臓から分泌される酵素急性膵炎で急速に上昇する
    リパーゼ脂肪を分解する酵素膵炎の診断に役立つ進行した慢性膵炎では低値になることもある
    エラスターゼ1膵臓のタンパク質分解酵素急性膵炎で高値を示す比較的早期の膵臓がんで高値を示すことがある
    CA19-9Span-1DUPAN-2CEACA50膵臓がんで上昇することがある腫瘍マーカーがん以外の疾患でも上昇することがある

    これらの数値が異常値でも、必ずしも膵臓の病気があるとは限りません。肝臓や胆のうなど、他臓器の疾患でも上昇することがあります。

    そのため、血液検査の結果だけで判断せず、他の検査と組み合わせて総合的に評価します。

    慢性膵炎診療ガイドライン2021
    LSIメディエンス 膵アミラーゼ
    LSIメディエンス リパーゼ
    LSIメディエンス エラスターゼ1
    国立がん研究センター がん情報サービス 膵臓がん 検査

    腹部超音波(エコー)検査

    腹部超音波(エコー)検査は、超音波を使って膵臓の状態をリアルタイムで映し出す検査です。

    体への負担が少なく痛みを伴わないため、膵臓の異常を疑う際に広く行われます。膵臓の大きさや形、腫れ・のう胞・腫瘍の有無などを確認でき、膵炎や膵臓がんの早期発見にも役立ちます。

    一方で、膵臓は胃の奥に位置しているため、皮下脂肪や内臓脂肪が多かったり、お腹にガスがたまったりしていると、超音波が十分に通過できず観察できる範囲が限られることもあります。その場合は、CTやMRIなどの検査でより詳しく調べます。

    検査前には、胃の中を空にするために絶食を指示される場合があります。

    一般社団法人 日本膵臓学会 腹部超音波検査

    CT検査

    CT(コンピュータ断層撮影)は、X線を利用して体の断面を撮影し、膵臓の内部を立体的に映し出す検査です。

    膵臓は体の奥にあり、超音波検査では見えにくいことがあるため、CTは膵臓疾患の診断において重要な役割を果たします。

    検査時間は10〜30分ほどで、造影剤を使うことで血流や腫瘍の性質をより正確に把握可能です。ただし、腎臓の機能やアレルギーの有無によっては造影剤を使用できない場合もあります。

    CTは膵炎などの炎症の広がりを調べるだけでなく、膵がんの精密検査や転移の有無の評価にも利用されます。

    一般社団法人 日本膵臓学会 CT

    MRI検査・MRCP

    MRIは、強い磁力と電波で磁場を発生させ、体の内部を詳しく撮影する検査です。放射線を使わないため体への負担が少なく、安全性の高い検査として広く行われています。

    画像の精度が高く細部まで映し出せるため、膵臓がんや膵のう胞、慢性膵炎などの診断に役立ちます。

    なかでも、MRCP(磁気共鳴胆道膵管撮影)では、造影剤を使わずに膵管や胆管の流れを立体的に写し、つまりや狭窄の有無を確認可能です。

    検査時間は20〜30分程度で、寝たまま装置に入って撮影を行います。音が大きいためヘッドホンなどで遮音しながら受ける場合もありますが、痛みはなくリラックスして受けられます。

    一般社団法人 日本胆道学会 MRI(MRCP)
    一般社団法人 日本膵臓学会 膵臓の検査MRI/MRCP

    内視鏡的逆行性膵管造影(ERCP)

    内視鏡的逆行性膵管造影(ERCP)は、膵管・胆管のつまりや、狭くなった部分を詳しく調べる検査です。

    口から細い内視鏡を挿入し、十二指腸まで進めて膵管や胆管の出口(十二指腸乳頭)に到達させ、そこから造影剤を注入してX線撮影を行います。

    ERCPは、診断だけでなく治療にも用いられるのが特徴です。詰まった膵石や胆石を取り除いたり、狭くなった部分にステントと呼ばれる管を入れて通りを改善したりする処置も同時に行えます。

    体への負担はやや大きい検査ですが、必要に応じて病変部位の組織を採取して調べられるため、確定診断に直結する重要な検査といえます。

    国立健康危機管理研究機構 国立国際医療センター 内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)

    超音波内視鏡検査(EUS)

    超音波内視鏡(EUS)とは、先端に高解像度の超音波を発する装置を取り付けた内視鏡(胃カメラ)で、消化管の中から周辺組織・臓器などを詳細に観察する検査です。

    体の外側から行う超音波検査(腹部エコー)と異なり、EUSでは消化管の中から病変の観察ができるため、胃腸内の空気・腹壁・脂肪・骨などに妨げられず、目的の病変をより鮮明に捉えられるという利点があります。

    これによりEUSでは、CTやMRI検査では見つけられなかった小さながんも見つけられるため 、がんの早期発見・早期治療につながります。

    一方でEUSは高難易度の処置となるため、限られた医療機関のみでしか受けられません。また、内臓脂肪が多い方では、超音波の通過性が悪くなるため、EUSによる検査が難しくなることがあります。

    膵臓の主な疾患

    膵臓に不調がある場合に考えられる疾患として、主に以下の4つがあります。

    • 急性膵炎
    • 慢性膵炎
    • 膵のう胞
    • 膵臓がん

    それぞれの特徴や症状について、詳しく解説します。

    急性膵炎

    急性膵炎は、膵臓で作られる消化酵素がなんらかの原因で膵臓内で活性化し、自身の組織を傷つけてしまう病気です。

    主な原因はアルコールの過剰摂取や胆石による膵管のつまりで、強いみぞおちの痛みや背中への放散痛・吐き気・食欲不振・発熱などの症状が現れます。

    重症になると膵臓が壊死したり、周囲に炎症が広がったりするおそれがあるため、早期の治療が重要です。治療では、膵臓を安静にするための絶食や点滴を行い、痛み止めも使用します。

    軽症と診断された場合でも経過によって重症化することがあり、重い症状では集中治療が必要になるケースもあります。

    一般社団法人 日本膵臓学会 急性膵炎

    慢性膵炎

    慢性膵炎は、炎症が長期間にわたって続き、膵臓の細胞が徐々に壊れて線維化する病気です。

    主な原因は長年の飲酒で、喫煙や遺伝的な要因が関係することもあります。

    初期には腹痛や背中の痛みが繰り返し現れますが、進行すると膵臓の働きが低下し、消化不良や体重減少、さらには糖尿病や膵臓がんを引き起こすこともあります。

    治療では禁酒が最も重要で、痛みのコントロールや脂質を抑えた食事管理も行います。

    慢性膵炎は完治が難しい病気ですが、早期に発見して生活習慣を整えることで、膵臓の機能維持につながります。

    近畿大学病院 慢性膵炎の治療
    EAファーマ株式会社 慢性すい炎患者さんのためのすい臓にやさしい食事と生活習慣

    膵のう胞

    膵のう胞とは、膵臓の中やまわりに液体がたまってできる袋のようなものです。

    膵管に発生する膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)や、粘液を分泌する粘液性のう胞腫瘍(MCN)など、様々な種類があります。

    多くは自覚症状がなく、健康診断や画像検査で偶然見つかるケースがほとんどです。

    しかし、一部にはがん化するおそれがあるため注意が必要です。のう胞の大きさや中に含まれる液体の性質によって、経過観察するか手術をするか判断します。

    国立がん研究センター 東病院 膵のう胞性腫瘍

    膵臓がん

    膵臓がんは、膵臓に発生する悪性腫瘍で、初期段階では自覚症状がほとんどないことから「沈黙のがん」と呼ばれています。

    膵臓がんの主な要因として、以下があげられます。

    • 喫煙
    • 飲酒
    • 肥満
    • 糖尿病
    • 慢性膵炎
    • 膵のう胞
    • 家族歴

    進行すると、腹痛や背中の痛み、食欲不振、体重減少、倦怠感などの症状が現れ、膵臓の頭部にがんができた場合は黄疸がみられることもあります。

    膵臓がんは発見したときにはすでに進行しているケースが多く、治療が難しいがんのひとつです。

    日本膵臓学会 膵癌のリスクファクターに関する臨床疑問(CQ1-1)

    膵臓がんの予後は発見した時期によって大きく変わる

    膵臓がんは、発見できた時点のステージによって予後が大きく変わります。

    出典:全国がん罹患モニタリング集計 2009-2011年生存率報告(国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センター, 2020)独立行政法人国立がん研究センターがん研究開発費「地域がん登録精度向上と活用に関する研究」平成22年度報告書

    がんが膵臓内にとどまるステージⅠで発見された場合の5年相対生存率は42.1%ですが、遠隔転移を伴うステージⅣでは1.8%まで低下します。

    つまり、どれだけ早く見つけられるかが、治療の選択肢や予後を左右するのです。

    とくに、家族に膵臓がんの既往がある方や、膵臓がんに移行する可能性のある疾患を抱えている方は、定期的な検査を受けることが大切です。

    膵臓がんのリスクを知るなら「マイシグナル・スキャン」

    膵臓がんのリスクを知りたい方には、「マイシグナル・スキャン」がおすすめです。

    マイシグナル・スキャンは、尿に含まれるマイクロRNAをAIで解析することで、がんのリスクを部位別にステージ1から検出できる世界初※1の検査です。

    対象部位は、日本人のがん死亡数の8割※2を占める、膵臓・肺・胃・大腸・乳房・卵巣・食道・前立腺・膀胱・腎臓の10種類※3です。

    検査手順は、自宅で専用キットを使って尿を採取し、送って結果を待つだけ。

    結果は紙の冊子として郵送されるほか、専用のWebページからも確認でき、リスクを部位ごとに把握できます。

    マイシグナル・スキャンの料金は以下の通りです。

    コース1回の料金(税込)
    定期便64,300円
    1回のみ69,300円

    金額だけをみると高価に感じられますが、1がん種あたりに換算すると約7,000円程度で受けられる計算です。

    病院に行く時間がなかなか取れない方でも、マイシグナル・スキャンなら自宅で簡単に膵臓がんのリスクを把握できます。

    自身の健康状態と向き合うきっかけとして、マイシグナル・スキャンをぜひ活用してみてください。

    ※1 尿×AI×マイクロRNAを用いたがんリスク検査サービスとして(第三者機関調査)
    ※2 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
    ※3 女性は前立腺がんを除く9種、男性は乳がん・卵巣がんを除く8種が検査対象となります

    膵臓の不調が気になるときは早めの検査が大切

    膵臓の不調が気になるときに受診するべき診療科は、消化器内科です。

    膵臓の病気は特有の症状が少なく、痛みや食欲不振などのサインを見逃してしまうことも少なくありません。

    なかでも膵臓がんは、早期発見によって大きく予後が変わります。

    消化器内科での検査はもちろん、自宅で手軽にがんリスクを確認できる「マイシグナル・スキャン」を取り入れるのもひとつの方法です。

    この機会に自分の体と向き合い、今できることからはじめてみてください。

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