がん検査

超音波内視鏡検査(EUS)は苦しい?検査の流れ・痛み・費用までやさしく解説

  • 公開日: 6/19/2025
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  • 最終更新日: 6/19/2025
  • #膵臓癌(すいぞうがん)
超音波内視鏡検査(EUS)は苦しい?検査の流れ・痛み・費用までやさしく解説

超音波内視鏡検査(EUS)は、膵臓や胆道の病変を詳しく調べるための高精度な検査です。

検査精度が高い一方で「検査が苦しいのでは?」「デメリットはあるの?」「鎮静剤を使うけど痛みはない?」といった疑問もつきものです。

この記事では、超音波内視鏡検査(EUS)の基礎知識から費用やリスク、よくある疑問まで、初めての方にもわかりやすく解説します。

あわせて「がんの不安を少しでも減らしたい」という方に向けて、自宅でできる“がんリスクチェック”という新しい選択肢もご紹介します。

超音波内視鏡検査(EUS)とは?

超音波内視鏡(EUS:Endoscopic Ultrasonography)とは、先端に高解像度の超音波を発する装置を取り付けた内視鏡(胃カメラ)で、消化管の中(内腔)から周辺組織・臓器などを詳細に観察する検査です。

体の外側から行う超音波検査(腹部エコー)と異なり、超音波内視鏡(EUS)では消化管の中から病変の観察ができるため、胃腸内の空気・腹壁・脂肪・骨などに妨げられず、目的の病変をより鮮明に捉えられるという利点があります。

超音波内視鏡(EUS)と通常の内視鏡の違い

超音波内視鏡(EUS)と通常の内視鏡の違いは、見える範囲とどこまで詳しく調べられるかにあります。通常の内視鏡検査は消化管の表面しか見ることができませんが、

超音波内視鏡(EUS)は表面だけでなく組織の内部まで観察できます。

例えば、潰瘍や嚢胞などの病変がどこまで深く及んでいるか(深達度)や、表面からは見えない粘膜下の腫瘍も調べることが可能です。

どんな病気の検査に使われるの?

超音波内視鏡(EUS)は消化器内科・肝胆膵領域を中心に、幅広い疾患の診断に用いられており、特に膵臓や胆道などの深部臓器の精密検査に優れています。

具体的には膵臓がんや膵嚢胞、胆道がん(胆のうがん・胆管がん)、胃や食道の粘膜下腫瘍、リンパ節転移の評価などに使われます。

そのなかでも膵臓がんは早期発見が難しい病気ですが、超音波内視鏡(EUS)を用いることでより早い段階での診断が可能となります。

超音波内視鏡(EUS)のメリット・デメリット

超音波内視鏡(EUS)は、がんの早期発見や深部臓器の診断に優れた有用な検査です。

一方で、検査に伴うリスクや注意点も存在します。

ここでは、EUS検査のメリットとデメリットについて、それぞれ解説します。

超音波内視鏡(EUS)のメリット

超音波内視鏡(EUS)では、CTやMRI検査では見つけられなかった小さながんも見つけられるため 、がんの早期発見・早期治療につながります。

検査時に腫瘍が見つかったときや詳しく検査をしたいときは、超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA:腫瘍に対して細い針を指し、腫瘍細胞を採取する検査)も同時に行うことができ、がんであるか否かの診断や治療方針決定に非常に有益です。

超音波内視鏡(EUS)のデメリット

超音波内視鏡(EUS)には高い精度という大きなメリットがありますが、いくつかデメリットも存在します。

まず、超音波内視鏡による治療は高難易度の処置となるため、限られた医療機関のみでしか受けられません。

また、内臓脂肪が多い方では、超音波の通過性が悪くなるため、超音波内視鏡(EUS)による検査が難しくなることがあります。

EUSは体内に内視鏡を挿入する検査であるため、特にEUS-FNAを行った場合には、まれに腹腔内への出血や腫瘍内感染、急性膵炎、穿孔といった合併症が起こるリスクもあります。

超音波内視鏡(EUS)の検査の流れ

検査を正確かつ安全に行うためには、事前の準備や当日の流れを正しく理解しておくことが大切です。

ここでは、検査前日から当日、検査後までの一連の流れをわかりやすくご紹介します。

超音波内視鏡(EUS)検査前日の準備

検査前日から食事に関する制限が入ります。

検査の時間にもよりますが、検査前日の午後9時以降〜当日の検査までは何も食べないようにしましょう。お茶や水の摂取に制限はありません。

血圧を下げる薬や不整脈の薬といった持病の薬がある場合は、必ず専門の医師に相談をして指示を仰いでください。

超音波内視鏡(EUS)検査当日の流れ

超音波内視鏡(EUS)検査の時間は30分ほどです。

超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)を行う場合も30分ほどかかります。

超音波内視鏡(EUS)検査を行う際、当日は以下のような流れになります。病院によって多少異なりますので、参考程度にしていただけたら幸いです。

  1. 検査着に着替える
  2. のどに麻酔を行う
  3. 左側を下にして横向きで横になる
  4. 鎮静剤を注射する
  5. のど麻酔をスプレーで追加
  6. 口から超音波内視鏡を挿入
  7. 目的の臓器を観察
  8. 口から超音波内視鏡を抜く
  9. 麻酔を覚まして検査終了

超音波内視鏡(EUS)検査中の意識

検査中は鎮静剤を使用するため、基本的に意識はなく、眠っている状態で行います。

のどには麻酔スプレーを行い、検査時の異物感を最小限に抑えますが、鎮静剤・麻酔の効果には個人差があるため、なかにはあまり効かない方もいます。

超音波内視鏡(EUS)検査後の注意点や制限

超音波内視鏡(EUS)検査後は麻酔から覚めるまでベッドで休憩します。

飲食は検査後1時間ほどでできるようになります。

鎮静剤の効果が残るため、当日は自動車やバイクの運転は控えてください。

超音波内視鏡(EUS)の検査費用や保険適用の有無

医師の判断により、病気の診断や治療のために超音波内視鏡(EUS)の検査が必要となる場合、保険適用となるため費用は6,000〜7,000円程度(3割負担の場合)です。

保険が効かないケースとして、人間ドックや健康診断でのオプション検査といった明確な症状や診断目的がない場合は自由診療扱いとなり、全額自己負担(約20,000〜25,000円)となります。

超音波内視鏡(EUS)検査を安心して受けるために。よくあるFAQ

超音波内視鏡(EUS)に関してよくある質問をQ&A形式でわかりやすくまとめました。

事前に気になるポイントを確認し、安心して検査にのぞみましょう。

超音波内視鏡(EUS)検査は苦しい?

基本的に苦しくはありませんが、なかには鎮静剤や麻酔がなかなか効かない方もいます。

鎮静剤や麻酔が効いていない状態でのどの奥に刺激が加わると、反射的に吐き気や嘔吐などの不快感が生じやすくなります。

超音波内視鏡(EUS)検査では、内視鏡がのどの奥を通過するため、その際に苦しさや痛みを感じるケースもあります。

合併症のリスクや注意点はある?

比較的安全な検査ですが、鎮静剤の副作用による合併症のリスクはゼロではありません。

特に、高齢者や鎮静剤の影響を受けやすい方(肝機能障害・腎機能障害・慢性閉塞性肺疾患などをお持ちの方)では、予期しない偶発症が発症する可能性があります。

妊娠中・授乳中の方については、検査の必要性・目的とあわせて担当医と十分に相談しましょう。

入院は必要?

超音波内視鏡(EUS)検査のみであれば、日帰りでの処置も可能です。超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)も受ける場合、検査に伴う安全性上の問題が起きていないかを観察するため、基本的には一泊の入院が必要となります。万が一処置が必要な場合には、入院期間が延長することもあります。

まとめ|「がんが心配…」そんな方へ。まずは自宅でリスクをチェックするという選択肢も

超音波内視鏡(EUS)検査は、膵臓がんなどの早期発見に役立つ精度の高い検査ですが、「検査がつらそう」「がんだったら怖い」と不安に感じる方も多いでしょう。

今はがんと診断されなかったとしても、自分にどれくらいのリスクがあるのかを知っておくことは将来の安心につながります。

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「病院に行くほどではないけれど、将来のがんリスクが気になる」「忙しくて健康診断の時間が取れない」、そんな方にこそ、自宅で始められるリスクチェックという選択肢を検討してみてはいかがでしょうか。

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