がん検査

大腸がんを早期発見、大腸がん検査の方法・費用・頻度

  • 公開日: 3/8/2023
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  • 最終更新日: 10/19/2023
  • #大腸がん
大腸がんを早期発見、大腸がん検査の方法・費用・頻度
質問者

質問者

先日、同級生から大腸がんになったと連絡がきたんですよ。大腸がんが増えてるって聞くけど、実際どれくらいの人が大腸がんになっているんですか?

先生

先生

2019年の統計では、男女あわせて15万人以上が大腸がんと診断されていて、40年前と比べて6倍に増えていますよ。また大腸がんは、男性がかかるがんとしては前立腺がんに次いで第2位、女性がかかるがんとしては乳がんに次いで第2位です (​​*1)。

質問者

質問者

どうして40年前と比べて、6倍も大腸がんの患者が増えたんですかね?

先生

先生

日本人の食生活の欧米化、つまり牛肉・豚肉など高脂肪の食べ物を多く摂るようになったことが最も大きな原因と言われています。女性では、便秘による腸内環境の悪化が大腸がんのリスクを上げているという指摘もありますね。

質問者

質問者

話を聞くと怖いけど、仕事が忙しいので大腸がんの検診を受けていないです・・・。

先生

先生

確かに定期健診に行くのも検査も面倒ですよね。でも、早期発見できれば完治も可能なんです。定期健診で40歳以上は年に1回は大腸がん検診を受けるようになっているんですよ。

大腸がんが原因で亡くなる人は毎年約5万人。死亡原因のがんとしては男性では肺がんに次いで第2位、女性では第1位です (*2)。進行するまでほとんど自覚症状のない疾患だからこそ、定期的に大腸がんの検査を行い、早期発見することがとても重要です。

そこで本記事では様々な大腸がんの初期検査と精密検査の種類・方法・費用はもちろん、大腸がんの初期症状、検査の推奨受検年齢など詳しく解説していきます。

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自覚症状・前兆はある?大腸がんの症状・特徴

質問者

質問者

ところで、どこからどこまでを大腸って言うのですか?

先生

先生

大腸は、食べ物が通る順に言うと、「盲腸」、「上行結腸」、「横行結腸」、「下行結腸」、「S状結腸」、「直腸」に分けられます。「盲腸」から「S状結腸」までにできるがんを「結腸がん」、「直腸」にできるがんを「直腸がん」と呼んでいます。だから、「大腸がん」は「結腸がん」と「直腸がん」を合わせた病名です。

大腸の構造:

質問者

質問者

大腸がんの前兆ってあるんですか?

先生

先生

これといった前兆はありません。大腸がんは、進行するまで自覚症状がないことがほとんどなんです。

質問者

質問者

そうなんですね。怖いですね… 進行するとどういう症状があるのでしょうか?

先生

先生

大腸がんが進行すると、血便、便秘、下痢、貧血、腹痛、嘔吐などといった症状が出てきます。また、便が細くなった、便が残っている感じがするといった症状を訴える患者さんもいますよ。

がんは正常な組織ではないため出血しやすく、大腸にできたがんから出血すると、便に血液が付着して血便になったり、下血や貧血を起こすことがあります。また、がんが大きくなって便が通りにくくなると、便が細くなる、便秘と下痢を繰り返す、残便感、腹痛といった症状が現れます。

完全に腸が詰まって腸閉塞になると、激しい腹痛や嘔吐、発熱といった症状が現れ緊急の処置が必要となります。

大腸がんは進行するまで自覚症状がないことが多いので、できるだけ早期のステージで発見し、早期に治療を始めることが重要です。

質問者

質問者

がんのステージってよく聞きますが、大腸がんのステージについて教えて下さい。

先生

先生

がんのステージとはがんの進行度を表します。がん(腫瘍)の深さ、リンパ節や他の臓器への転移の有無で、0からⅣまで5つのステージに分類されているんです。

【大腸がんのステージ分類】

ステージがんの状態
0がんが粘膜内にとどまっている
がんが粘膜下層あるいは固有筋層に達している
がんが固有筋層を超えていたり、漿膜まで達している
がんの深さにかかわらず、がんがリンパ節に転移している
がんの深さやリンパ節転移の有無にかかわらず、他の臓器への転移がある

【大腸の壁の構造とがんのステージ】

【腹膜播種】
腹部を覆っている腹膜に、がんが種を蒔いたように散らばって転移している状態。
質問者

質問者

がんのステージが違うと、何が違うんですか?

先生

先生

ステージによって治療法が違います。生存率もステージによって違うんですよ。

通常、がんと診断されて5年間生存した場合、「治った」あるいは「完治」と判断しています。大腸がんの患者さんの5年生存率は、がんの進行度、つまりステージによって異なります。

大腸がんの5年生存率は全体では63%ですが、ステージⅠでは80%以上、ステージⅣでは約17%と大きな開きがあります (*3)。つまり、大腸がんは早期のうちに治療を開始すれば高い生存率が期待できるので、できるだけ早期にがんを見つけることが重要です。

【大腸がんのステージ別5年生存率(がんの統計2022より *3)】

全体ステージ
5年実測生存率63.3%82.6%75.9%68.3%16.9%
5年相対生存率72.6%94.4%89.0%77.5%18.8%
【5年生存率】

5年生存率とは、がんと診断された患者さんのうち、5年後に生存している患者さんの割合をいいます。生存率には「実測生存率」と「相対生存率」があり、実測生存率とは、がん以外の死因による死亡も含めて計算した生存率です。一方、相対生存率とは、がん以外の死因による死亡の影響を除くため、患者集団と性別や年齢構成をそろえたがんではない一般集団における生存率で補正した生存率で、計算式:(実測生存率)÷(一般集団の生存率)で算出します。
5年を目安にしているのは、手術などでがんを治療できた場合、診断(または治療)から5年経てば再発や転移することが少なく、治療を一区切りできると考えられているからです。(がんの種類によっては、10年を目安にしている場合もあります)。
質問者

質問者

大腸がんを早い段階で見つけることが重要というのは分かりましたが、大腸がんになりやすい人の特徴ってあるんですか?

先生

先生

高脂肪・低繊維食の食生活、運動不足や肥満、過度の飲酒、喫煙などが大腸がんのリスク因子として知られていて、これらに該当する人は大腸がんになりやすいと言われています。それと、遺伝的要因も影響するので、大腸がんの家族歴がある人はリスクが上がります。また、大腸がんになりやすい遺伝性の病気としてリンチ症候群や家族性大腸ポリポーシス(家族性大腸腺腫症)が知られています。

質問者

質問者

最近、忙しくて運動不足気味です・・・。ちなみに、大腸のポリープはがんになるのでしょうか?

先生

先生

ポリープとは粘膜にできるイボ状の「できもの」で、ほとんどは良性なんですが、大きくなるとがん化することがあります。

大腸がんのでき方には2つのタイプがあります。1つはポリープから発生するがんです。もう1つは大腸の粘膜から直接発生するがんで、「デノボがん」と呼ばれています。

【デノボ(de novo)】
de novo とはラテン語で「新たに」という意味。

検査 ・検診は何科?大腸がん検査の流れ・全体像

質問者

質問者

怖いので大腸がんの検査を受けようと思いますが、大腸がんの検査にはどういったものがありますか?

先生

先生

大腸がんの検査には、初期検査あるいはスクリーニング検査と呼ばれるものと、精密検査と呼ばれるものがあります。

初期検査として便潜血検査があります。職場や自治体が実施している健診(特定健康診査)で、いわゆる検便の検査です。精密検査とは、大腸内視鏡検査やCT検査などの検査を指します。

便潜血検査で陽性と判定された場合や、血便や下血などの症状があって、大腸がんの疑いがある場合には、大腸内視鏡検査やCT検査などの精密検査を受けることになります。

通常、かかりつけ医などを受診して紹介状を書いてもらい、病院の消化器内科や消化器外科、放射線科などで検査を受けることになります。また、消化器内科や消化器外科あるいは肛門科を標榜しているクリニックでも大腸内視鏡検査を実施しているところもありますので、できるだけ早く精密検査を受けることをお勧めします。

質問者

質問者

大腸内視鏡検査をして、がんが疑われた時はどうするんでしょうか?

先生

先生

小さながんやポリープであれば、内視鏡で取ることが可能ですよ。がんを疑う病変が見つかった場合には、その一部を採取(生検)して悪性(がん)か良性かを確認する病理検査をします。

病理検査の結果、大腸がんと診断されると、ステージや転移の有無を調べるために、さらにCT検査、超音波(エコー)検査、MRI検査、PET検査などを行います。これらの検査の結果に基づいて治療方針が決定されます。

各検査の詳細は後で説明します。

大腸がん検査・検診は何歳から受検すべき?

質問者

質問者

大腸がんの検診は何歳から受けたらいいのでしょうか?

先生

先生

大腸がん検診は、一般的には40歳から受けることになっています。

大腸がんの年齢階級別の罹患率や死亡率を見ると、いずれも40歳前後から次第に上昇し、加齢とともに増加の一途を辿ります (*4)。そのため、厚生労働省は、便潜血検査を用いた大腸がん検診の対象年齢として、40歳以上を推奨しています(*5))

とはいえ、40歳未満でも大腸がんは発症していますので、家族の中に若年で大腸がんになった人がいる場合は、定期的に大腸内視鏡検査などを受けた方がよいと思います。

毎年やるべき?大腸がん検査・検診の受検頻度は?

質問者

質問者

大腸がんの検診や検査は、どれくらいの頻度で受ければいいんですか?

先生

先生

厚生労働省によると、便潜血検査を用いた大腸がん検診の頻度として、1年に1回を推奨しています(*6)。

大腸内視鏡検査については、決まった頻度はありませんが、ポリープからがんになる場合があるので、ポリープが認められた場合は、個数や大きさなどに応じて5年以内ごとの受検を勧める意見もあります(*7)。検査の頻度は医師と相談して決めることになります。

生理中・妊娠中は大腸がん検査を控えるべき?

質問者

質問者

妻や娘も大腸がんが気になってるのですが、生理中や妊娠中も大腸がんの検査を受けるべきですか?

先生

先生

便潜血検査の場合には、腸から出ている血液なのか生理による血液なのか判断できないので、生理中は必ず避けて下さい。

大腸内視鏡検査については、可能であれば、生理になりそうな日を避けて予約するのが無難です。突然生理になってもタンポンやナプキンを使ったまま検査はできますが、経血量が多い場合や生理痛が強い人は、医師に相談して別の日に変更しましょう。

妊娠中でも大腸内視鏡検査は可能ですが、下剤などの薬の影響、子宮に近い大腸を圧迫すること、胎児への影響などを考えると無理して受ける必要はありません。医師と相談して出産後に落ち着いてから検査を受けましょう。

どうしてもすぐに大腸がんの検査を行う必要がある場合は、医師と相談して腫瘍マーカーなどからだに負担が少ない検査を選択することもできます。

大腸がん検査結果と痔の関係は?

質問者

質問者

ところで、痔は便潜血検査に影響しませんか?

先生

先生

便潜血検査は便に血液が含まれているかどうかだけを見る検査なので、痔の出血があれば陽性になる可能性があります。

痔を持っている人では、「どうせ陽性になるから」と便潜血検査を受けなかったり、「痔があるので陽性でも大腸がんではない」と自己判断して精密検査を受けない人がいます。どちらも大腸がんを見逃すことになります。痔を治療して毎年大腸がん検診を受けることをお勧めします。

今すぐできる、大腸がんセルフチェックの方法とは?

質問者

質問者

大腸がんをセルフチェックする方法はありますか?

先生

先生

特にセルフチェックの方法というのはありませんが、40歳以上、肥満(BMIが27以上)(*8)、家族や親戚に大腸がんになった人がいる(特に40歳未満)、潰瘍性大腸炎になったことがある(*9)、といったことがあてはまる場合には注意した方がいいと思います。

大腸がんの初期検査・スクリーニング検査の種類と結果の見方

質問者

質問者

大腸がんの初期検査やスクリーニング検査にはどういうものがありますか?

先生

先生

初期検査あるいはスクリーニング検査として、健診で行う便潜血検査のほか、腫瘍マーカー検査や尿検査があります。

便潜血検査

質問者

質問者

便潜血検査の特徴やメリットについて教えて下さい。

先生

先生

便潜血検査は、2日にわたって自分で便を採取し、便に血液が混ざっていないか調べる検査です。自治体や職場の定期健診などで広く行われていますよ。検査自体は痛くないし、時間もあまりかからず、食事制限をする必要もないので負担が少ない検査です。

質問者

質問者

便潜血検査の弱点や費用は?

先生

先生

便が通過するときにがんから出血がなかったり、採取した便にたまたま血液が付いていない場合は、がんがあっても陰性と判断されてしまいます。反対に、痔からの出血や月経血が混入した場合は間違って陽性と判断される可能性がありますね。

費用は、自治体や職場によって異なりますが、多くの場合40歳以上であれば無料から1,000円程度の一部負担で受けることができます。(※Craif調べ。)

腫瘍マーカー検査

質問者

質問者

腫瘍マーカー検査とはどういう検査ですか?

先生

先生

腫瘍マーカー検査とは、採血してがん細胞やがん細胞に反応した細胞によって作られる物質を調べる検査です。大腸がんでは、CEAやCA19-9、p53抗体といった物質を調べます。

腫瘍マーカーは、食事などの影響を受けないため、検査前に注意すべきことは特にありません。また、針を刺すときにチクッとする痛みだけで、採血自体は通常数分で済みます。採血後、検査結果がでるまでには1週間から10日程度かかります。

質問者

質問者

採血だけなら楽ですね。腫瘍マーカー検査の基準値や費用について教えて下さい。

腫瘍マーカーが基準値を超えている場合は、からだのどこかにがんが潜んでいる可能性があるので、血液検査、画像検査(CT、MRI、X線など)、内視鏡検査、病理検査などを行います。

腫瘍マーカーは、がんに対する治療効果判定や経過観察、再発を確認するために用いられることも多い検査です。

最近では、自宅で採血した血液を送るだけで腫瘍マーカーを測定できる検査キットも市販されています。

しかし、CEAやCA19-9、p53などの腫瘍マーカーは大腸がんだけではなく、他の消化器系のがんでも高値を示します。また、がんだけではなく、良性の腫瘍や膵炎、肝炎などでも値が上がることがあります。逆に、がんがあっても腫瘍マーカーが基準値を超えない場合もあるので、腫瘍マーカーの値だけでは診断はできません。あくまで診断の補助として用いられます。

腫瘍マーカーは人間ドックのオプション項目に含まれている場合が多く、多くの場合、費用は1回あたり2,000円程度です。自宅でできる検査キットの費用は約20,000円です。(※Craif調べ。)

尿検査

質問者

質問者

最近、尿検査でがんが分かると聞いたことがあるんですが…

先生

先生

「マイクロRNA検査」のことですね。採尿するだけで痛みがないといったメリットがあります。また、わざわざ病院に行く必要がなく、自宅から尿を送るだけなので時間も掛からず、簡単ですよ。

質問者

質問者

マイクロRNA検査とは?

先生

先生

尿に含まれる細胞には「マイクロRNA」と呼ばれる小さなRNA(リボ核酸)があって、それががんの転移や増悪に関与していることが分かったんです。そこで、尿中のマイクロRNAの情報をAIで解析して、がんの有無や種類を知ることができるんですよ。私たちの マイシグナル®はこれに当たります。

質問者

質問者

検査は手軽にできるんですか?負担や費用は?

先生

先生

この検査は保険適応されていませんが、健康診断・人間ドックのオプション検査として導入している病院もありますよ。検査キットが市販されているので、個人で購入して検査することも可能です。

マイシグナル®の マイクロRNA検査は、採尿して検体を送るだけで痛みも食事制限もありません。また、 現時点のがんのリスクだけでなく、体質や生活習慣などを加味した上で、各がんの将来的な発症リスクも判定できるメリットがあります。

がん家系なので心配、もっと頻繁にがんのチェックをしたい、仕事や子育てが忙しくてなかなか検査に行けない、より簡便でからだの負担が少ない検査を望んでいる、といった人に向いています。費用は約5万円です。

便潜血検査 腫瘍マーカー検査 尿検査(マイクロRNA検査)
特徴、利便性など 便に混じる血液を検査。
国が大腸がんの一次検診の方法として推奨している。
採血で検査できるので人間ドックの際にオプション検査として利用できる。
自宅でも検査できる。
尿中のマイクロRNAをAIで解析。
現時点でのがんのリスクだけでなく、将来のリスクも判定。
大腸がんを含む7種類のがんのリスクを個別に判定できる
自宅で検査。
検査が勧められる人 40歳以上のすべての人 治療効果の判定やがんの術後の経過観察が必要な人 忙しくて健診や病院に行くことが難しい人
痛みや負担 2日にわたっての採便 採血時の痛み 痛みはない
費用 自治体や職場などの検診では無料~1,000円程度 1項目 2,000円程度
市販の検査キットは約20,000円
市販の検査キットは46,200円(税込)
検体採取に要する時間 5〜10分 数分 数分
  • 記載されている費用は当社(Craif)が独自で調べたものになります。実際の費用は各医療機関にお問い合わせください。

大腸がん検査でひっかかったら、再検査・精密検査の種類と費用

質問者

質問者

大腸がんの初期検査やスクリーニング検査でひっかかったら、次のステップは?

先生

先生

本当に大腸がんかどうかを確かめるために、大腸内視鏡などの精密検査をします。

出典: かかりつけ医のためのがん検診ハンドブック~受診率向上をめざして~ (med.or.jp)

精密検査としては、多くの場合、大腸内視鏡検査が行われていますが、後述するように他にも様々な検査法があります。どの検査を選択するかは、それぞれの目的や特徴を考慮して、医師と相談して決定することになります。

大腸内視鏡検査

質問者

質問者

大腸内視鏡検査ってよく聞きますね。どういった検査ですか?

先生

先生

大腸内視鏡検査は便潜血検査で陽性と判定された場合の精密検査としてよく行われる検査で、人間ドックのオプション検査としても行われることが多い検査です。

質問者

質問者

どうやって検査するんですか?

先生

先生

内視鏡を肛門から挿入して、直腸から盲腸まで直接カメラで大腸全体を観察します。

この検査では、がんやポリープなどの病変をカメラで直接確認し、病変部をモニター画面で拡大したり強調できることや、色素を吹きかけてより詳しく粘膜を観察できることができます。

必要に応じて組織を採取して病理検査を行い悪性かどうかを確認後、病変を内視鏡で切除することもできます。

検査自体は通常20分程度で終わり、ほとんどの場合大きな苦痛はありません。しかし、検査前日から食事制限が必要で、検査当日には腸の中をきれいにする必要があり、2リットルの下剤を飲まないといけません。

リスクとしては、内視鏡が腸の粘膜を傷つけて出血や腸に穴を空ける(穿孔)といった偶発症を引き起こす可能性もゼロではありません。なお、抗血栓薬など服用している薬の種類によっては休薬が必要な場合もあるので、検査を受ける前に医師に服用中の薬をきちんと伝えて判断を仰ぎましょう。

【抗血栓薬】
抗血小板薬、抗凝固薬と呼ばれる薬剤で、血小板のはたらきを抑えたり、血液を固まりにくくするはたらきがあります。検査や処置による出血リスクと、抗血栓薬の種類や特徴によって休薬のルールが細かく決められているので、必ず医師の指示に従うこと。

大腸内視鏡は、ファイバースコープを腸に挿入するので、腸が長い、憩室や癒着があるなどといったケースでは、実施できないことがあります。

通常の撮影だけの場合、医療保険の3割負担で6,000円程度です。ポリープがあって切除する場合は、ポリープの数にもよりますが3割負担で20,000〜30,000円程度です。

大腸のX線検査(レントゲン検査)

質問者

質問者

大腸内視鏡検査がどうしても嫌な人や、できない人はどうするんですか?

先生

先生

大腸X線検査があります。注腸X線検査とも呼ばれている検査で、内視鏡ではなくバリウムを使ってX線で調べることがあります。

大腸のX線検査は、下剤で大腸を空にしたあとに、肛門からバリウムを注入し、空気で大腸をふくらませて大腸全体のX線写真をいろいろな角度から撮影する検査です。(*10)

大腸の形、大きさ、内径、位置、粘膜の様子など全体像が観察できます。腫瘍があると腸の壁が変形していたり、粘膜のひだや模様の異常を見つけることができます。デメリットとしては、腸が重なり合ったりバリウムがたまっていると、病変が見つけにくいことがあります。費用は医療保険の3割負担で4,000円〜6,000円程度です。

質問者

質問者

これもちょっと大変そうですね。

大腸CT検査

質問者

質問者

もう少し負担が少ない検査はありますか?

先生

先生

大腸CT検査があります。X線で得られた情報をコンピューターで解析して画像にする検査です。

質問者

質問者

メリットやからだへの負担はどうですか?

先生

先生

CT検査は、大腸内視鏡検査のように組織を採取したり治療をすることはできませんが、大腸内視鏡検査よりも下剤の量が少なく、検査時間も通常10~15分で済み、からだへの負担も少ないのが特徴です。

質問者

質問者

どういう人がCT検査に向いてるんですか?

先生

先生

過去の手術で癒着があって内視鏡が通りにくい場合や、内視鏡検査が不安で受ける決心がつかない人が受ける傾向にあります。

大腸CT検査は、大腸だけでなく腹部全体を撮影するため、肝臓、膵臓、胆のう、腎臓、子宮、卵巣、前立腺などの他の臓器も観察することができます。

がんのリンパ節や周囲臓器への転移だけではなく、がん以外の病変の確認にも役立ちます。

CT検査では、腎機能に問題がなく造影剤にアレルギーがない人に、造影剤を静脈注射する場合があります。造影剤を用いると病変がより鮮明に描き出され、検査したい臓器やその周辺をミリ単位の断層写真として観察できます。

ただし、組織の採取ができない、病変の色や硬さの情報は得られないといった弱点はあります。また、X線を使用するため、妊娠の可能性のある方は受けることができません。(*11)

費用は医療保険の3割負担で11,000円程度です。

腹部超音波検査(エコー検査)

質問者

質問者

大腸の超音波(エコー)検査は楽そうですが…

先生

先生

超音波検査は痛みがなく、放射線を使用しないため被ばくのリスクもないので、妊婦の方も受けられます。腹部の超音波検査は人間ドックでもやっていますよ。

質問者

質問者

負担が少なくていいですね。

腹部の超音波検査は、肝臓、胆のう、胆管、膵臓、腎臓など腹部の臓器にがんの再発や転移がないかどうかを確認できますが、早期の大腸がんを見つけることは困難です。また、超音波検査の精度は 術者の技量、患者の息止めや姿勢などにも左右されます。

費用は医療保険の3割負担で2,000円程度です。

そのほか、通常の大腸内視鏡検査と同じように肛門から超音波を出す機器(プローブ)がついた内視鏡を挿入して、大腸の粘膜の下の組織の状態や、病変がどれくらいの深さに達しているかなどを観察することがあります。

大腸MRI検査

質問者

質問者

MRI検査もできますよね?

先生

先生

はい、できます。大腸MRI検査はCT検査と同様に、周辺の臓器へのがんの広がりや転移などを調べることができます。(*12)

質問者

質問者

MRI検査の特徴や負担は?

MRI検査は核磁気共鳴現象を利用してからだの内部を詳細な画像として描き出す検査で、いろいろな断層面が撮影できるという特徴があります。造影剤を使って検査を行うことがあります。

被爆のリスクがないというメリットはありますが、血液の流れや呼吸、内臓の動きがノイズとなって画質に影響するので、検査中は身体を動かさずにじっとする必要があり、検査中の大きな音が気になる人もいます。また、検査台が狭く暗いため、閉所恐怖症の人には不向きです。

費用は造影剤の有無などで違いがありますが、医療保険の3割負担で9,000円〜14,000円程度です。

PET(ペット)検査

質問者

質問者

他のがんで、PETという検査をしたと聞いたことがあるんですが、どういう検査ですか?

先生

先生

PET検査では、1回の検査で全身のがんを観察できることが可能です。ただし、大腸など消化管の粘膜に発生する早期がんの発見は難しいですね。

PET(陽電子放射断層撮影)検査は、がん細胞が正常な細胞よりも糖分を多く必要とする性質を利用して、陽電子を放出するブドウ糖に似た薬剤を投与し、体内での薬剤の分布を画像化する検査法です。

PET検査で発見されやすいがんとしては、大腸がん、肺がん、食道がん、膵臓がん、乳がんがあげられ、さらに、いままでの検診では見つけることが困難であった甲状腺がん、悪性リンパ腫、卵巣がん、子宮体がんも見つけることが可能です。

しかし、薬剤の集積が少ない性質のがんもあり、がんが見つからない可能性もあります。また、薬剤は炎症を起こしている部分にも集まる性質があるため、炎症部とがんとの区別が難しい場合もあります。

PET検査は保険が適応されますが、他の検査により病期診断、転移・再発の診断が確定できない場合に限定されています。また、検査可能な医療機関は限られていて、費用も約10万円と高額です。詳細はこちらの「全身のがんを調べるPET(ペット)検査とは?費用・結果の見方を解説」をご覧ください。

直腸指診

質問者

質問者

画像検査以外に大腸がんの検査はありますか?

先生

先生

直腸指診があります。肛門から指を挿入し、肛門から10センチ程度までの直腸内を触診する検査です。

直腸指診でしこりが触れたり、血液の混じった粘液性の分泌物がついた場合は大腸内視鏡検査などの精密検査を行います。直腸がんの約80%は直腸指診によって見つかるといわれています。

直腸を直接観察する他の検査としては、肛門直腸鏡検査があります。長さ約10センチの金属性の肛門鏡を挿入し、直腸内を直接観察します。

直腸指診も肛門直腸鏡検査も下剤の服用が不要で、比較的簡便に行える検査方法ですが、主に肛門から近い直腸しか観察できません。直腸指診の費用は3割負担で2,000円程度です。

精密検査で大腸がんと診断されたら?

質問者

質問者

精密検査で大腸がんと診断されたら、どうすればいいですか?

先生

先生

医師と治療法について話し合いましょう。大腸がんの治療は、手術によってがんを切除することが基本ですが、がんのステージや場所によって治療法が異なります。

質問者

質問者

例えば、早期のステージのがんでは、どういった治療法がありますか?

先生

先生

早期がんに対しては、ポリペクトミーや内視鏡的粘膜切除術という内視鏡下でスネアと呼ばれるワイヤをがんに引っかけ、高周波の電流を流して焼き切る治療法があります。(*13)

【早期がん】
リンパ節転移の有無にかかわらず、がんが粘膜や粘膜下層にとどまっているがんを指す。
質問者

質問者

進行がんでは主にどんな治療法がありますか?

先生

先生

まず、手術でがんを取り除くことになります。手術の方法としてはお腹を大きく切る「開腹手術」と「腹腔鏡手術」があります。

腹腔鏡手術は、お腹に4ヶ所程度小さな孔を開け、そこから腹腔鏡(カメラ)や手術器具を挿入し、モニターでお腹の中を確認しながら手術をします。術後の痛みが少なく、回復が早いことがメリットです。

質問者

質問者

大腸がんも腹腔鏡手術ができるんですね。

先生

先生

がんのある部位や進行度などによりますが、大きな病院では腹腔鏡手術が主流になっています。

最近は、「ロボット支援下手術」を導入し、医師がロボットを操作して、より精緻な手術を行っている施設もあります。

また、直腸がんの手術では人工肛門になることがありますが、最近では、できるだけ肛門機能を残す手術が行われるようになっています。

質問者

質問者

抗がん剤治療はどうですか?

先生

先生

従来の抗がん剤に加え、ここ数年で「分子標的薬」や「抗PD-1抗体薬」と呼ばれる新しい薬が使えるようになり、大腸がんの薬物治療も進歩しています。

抗がん剤治療の目的は、まず術後の再発予防です。目で見えるがんを手術で取ったとしても細胞レベルではがんが残っている可能性があります。もう1つの目的は、がんを小さくしたり進行を抑えることです。

なお、手術や抗がん剤治療には、それぞれメリットとデメリットがありますので、主治医の先生とよく話し合って、納得する治療法を選択することが大切です。

まとめ、大腸がん早期発見のためにできること

毎年15万人以上の人が大腸がんになり、5万人以上が大腸がんが原因で亡くなっています。この恐ろしい病気から自分や家族を守るためには、早期発見、早期治療がもっとも有効であることは明らかです。

しかし、「がんの統計2022年(*14)」によれば、40歳から69歳までの大腸がん検診の受診率は、増加傾向にあるとは言え50%に満たないのが現状です。原因は、仕事や子育て、家事などが忙しく職場や自治体の定期健診を受診できない、あるいは検査が面倒と感じている人が多いためと予想されます。これは、日本人のライフスタイルや医療・健康ニーズの多様化も影響しているのかも知れません。

より簡便でからだの負担が少ない検査という観点から、自分のスケジュールで尿を取って、それを送るだけで自宅で検査できるマイシグナル®などの検査キットの活用は、大腸がんの早期発見・早期治療に役立つと考えられます。

まとめ:

  • 大腸がんは年々増加しており、年間15万人以上が大腸がんになり、5万人以上が大腸がんが原因で亡くなっている。
  • 大腸がん検診(便潜血検査)は40歳から年に1回受けることが推奨されている。
  • 早期がんで見つかれば9割が完治できる。
  • 最近では、新しい検査法や治療法が開発されているが、とにかく早期発見が重要。
  • 自分のスケジュールで、自宅で痛みがなく簡便にできるマイシグナル®などの検査キットが早期発見に役立つ。
  • 本記事に記載されている費用は当社(Craif)が独自で調べたものになります。実際の費用は各医療機関にお問い合わせください。

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※ マイシグナルシリーズは全検査キット共通で20歳以上の受検者を対象としています