がんの症状
前立腺がんの原因は?リスクを知ったうえで今からできる対策を
- 公開日: 8/25/2025
- |
- 最終更新日: 8/25/2025

日本人男性のがんのなかで、とくに発症数が多い前立腺がん。「なぜ発症するのか」「自分もリスクがあるのか」と不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
前立腺がんは発症数は多いものの、早期発見できれば治療の選択肢は広く、予後の改善も期待できます。
本記事では、前立腺がんの特徴やリスクが上がる原因、今できる対策についてわかりやすく解説します。
前立腺がんに対して漠然とした不安を抱いている方は、ぜひ参考にしてみてください。
目次
前立腺がんは男性の罹患数第1位

前立腺がんは、日本人男性が最も多く罹患するがんです。
他のがんと比較してゆっくり進行するのが特徴ですが、初期段階では自覚症状がほとんどなく、気づかないまま進行してしまうケースも少なくありません。
前立腺内にとどまっている状態でがんが発見された場合、5年相対生存率は100%と非常に高く、早期治療による完治も十分に期待できます。一方で、遠隔転移している場合、5年生存率は53.4%にまで低下するのです。
この数字からもわかるように、前立腺がんをできるだけ早く見つけることが、治療の予後や生活の質を大きく左右します。
前立腺がんのリスクが上がる原因
前立腺がんのリスクが上がる原因として、以下があげられます。
- 加齢
- 生活習慣
- 家族歴と遺伝子変異
自身の前立腺がんのリスクが気になる方は、参考にしてみてください。
原因1.加齢
前立腺がんを発症しやすくなる原因のひとつが「加齢」です。
とくに50歳を過ぎる頃から罹患率は急激に高まり、70代でピークをむかえます。
*国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(全国がん登録)
原因2.生活習慣
生活習慣は、前立腺がんのリスクに影響を与える要因のひとつです。とくに、食生活や喫煙、飲酒は、がんの発症に深く関わっています。
食生活
前立腺がんは、以下のような欧米型の食事でリスクが高まるといわれています。
- 肉類
- 加工肉(ハム・ソーセージなど)
- 乳製品(バター・チーズなど)
上記の食品に含まれる「飽和脂肪酸」が前立腺がんのリスクを高めると考えられています。また、赤肉や加工肉に含まれるヘム鉄や硝酸塩を多く摂取することでも、リスクは高くなります。
前立腺がんに限らず、がんを予防するためには、野菜や果物、大豆食品などを中心とした、塩分を控えた食事を心がけましょう。
*国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所予防関連プロジェクト 食事パターンと前立腺がん罹患との関連
*国立がん研究センター がん情報サービス 科学的根拠に基づくがん予防
喫煙・飲酒
喫煙や過度な飲酒も、前立腺がんの発症リスクを高める要因だと考えられています。
飲酒は、進行性前立腺がんのリスク上昇に関連しています。1週間あたりの摂取量がエタノール換算150g以上だと、飲酒しない人に比べてリスクが約1.5倍高くなるというデータもありました。エタノール換算150gとは、ビール大瓶約7本または日本酒約7合に相当します。
喫煙では、前立腺がんとの関連を自覚症状で発見された症例に限定すると、進行前立腺がんのリスクが非喫煙者より高まる傾向があります。
飲酒や喫煙は、前立腺がんだけでなく、食道がんや肝臓がんをはじめとする多くのがんリスクを高めることが知られています。
健康を守るためには、お酒やたばこは控えめにし、生活習慣を見直すことが大切です。
*国立研究開発法人 国立がん研究センター がん対策研究所予防関連プロジェクト 飲酒・喫煙と前立腺がんとの関連について
原因3.家族歴と遺伝子変異
前立腺がんは、家族に前立腺がんの患者がいる場合や、特定の遺伝子変異を持つ場合、リスクが高まることが確認されています。
家族歴
家族に前立腺がんの患者がいる場合、罹患リスクは高まります。
とくに、父親や兄弟などの近親者に前立腺がんの患者がいる場合、そのリスクは約2倍です。さらに、2人以上の近親者が患っている場合は、リスクは5〜11倍まで高まります。
家族内で前立腺がんが多発している場合は、定期的に検査を受けるようにしましょう。
*遺伝性乳癌卵巣癌症候群(HBOC) CQ26.男性の未発症BRCA 変異保持者に対し,前立腺癌のサーベイランスは推奨されるか?
遺伝子の変異
前立腺がんは、以下のような遺伝子変異によっても発症リスクが高まります。
遺伝子 | 役割 | 変異による発症リスク |
BRCA1 | がんの発症を抑える | 約2倍 |
BRCA2 | 5~7倍 | |
HOXB13 | 前立腺の発達・分化に関与 | 約20倍 |
BRCA1やBRCA2に遺伝子変異がある場合、前立腺がんのほか、乳がん・卵巣がん・膵臓がんを発症するリスクも高まります。
これらのがんに罹患した家族がいる場合、遺伝子検査を受けることがリスク管理に役立つ可能性があります。
*国立がん研究センター遺伝性乳癌卵巣癌の原因遺伝子であるBRCA2遺伝子の日本人に特有の病的バリアントを発見
*東京医科大学病院 前立腺がんの基礎知識
前立腺がんに関連する疾患「前立腺肥大症」
前立腺がんと関連のある疾患として「前立腺肥大症」があげられます。
前立腺が正常よりも大きくなる「前立腺肥大症」は、とくに中高年に多く見られる疾患です。
前立腺が肥大することで尿道が圧迫され、排尿困難・頻尿・残尿感などの症状が現れます。
前立腺肥大症そのものが前立腺がんの発症リスクを直接高めるわけではありませんが、両者はしばしば併発するケースがあります。
*国立がん研究センター がん情報サービス 前立腺がんについて
前立腺がんのリスクを知ったうえでどう行動するべきか
前立腺がんのリスクが高まる原因に心当たりがある場合は、早めに検査を受けたり、日ごろから予防を意識した生活を心がけたりすることが大切です。
まず、加齢や生活習慣、家族歴が発症リスクに深く関わっていることを知ったうえで、日常生活のなかで意識的に健康管理を取り入れましょう。
とくに、50歳を過ぎた方や家族歴がある方は、前立腺がんの検査を定期的に受けることをおすすめします。
忙しくてなかなか病院に行く時間がとれない方には、自宅で簡単にできるがんリスクチェックという選択肢もあります。
前立腺がんは、早期に発見すれば治療の選択肢が広がり、予後の改善が期待できます。リスクを把握したうえで、積極的に健康管理に取り組み、自身の健康を守りましょう。
自宅でがんリスクをチェックするなら「マイシグナル・スキャン」
「マイシグナル・スキャン」は、膵臓・胃・大腸・肺・乳房・卵巣・食道・腎臓・膀胱・前立腺の10種類のがんリスク※を、ステージ1から検出できるがんリスク検査です。
検査の方法は、自宅で尿を採って送るだけ。食事や運動の制限がないため、いつでもストレスなく検査を受けられます。
必要に応じて、生活習慣の改善や追加の検査のすすめなど、次のアクションにつなげる仕組みも整っています。
がんは早期発見することで、治療による身体への負担が比較的少なく、5年生存率も高まります。
「忙しくてなかなか病院に行く時間がない」「がんに対する漠然とした不安がある」という方は、マイシグナル・スキャンで根拠のある自信を手に入れてみませんか。
※ 卵巣がん・乳がんは女性のみ、前立腺がんは男性のみ検査対象となります。
\すい臓がんもステージ1から/
尿でがんのリスク検査
「マイシグナル・スキャン」
尿のマイクロRNAを調べ、がんリスクをステージ1から判定。早期発見が難しいとされるすい臓がんをはじめ、日本のがん死亡総数の約7割を占める7つのがんリスク※を、⼀度でがん種別に調べます。
- ※ 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
前立腺がんの原因に関するよくある質問
前立腺がんに関するよくある質問をまとめました。
- 性行為は前立腺がんの原因になりますか
- 男性ホルモンと前立腺がんは関係がありますか
- 前立腺がんはがん診断でわかりますか
前立腺がんに対して疑問を抱いている方は、参考にしてみてください。
性行為は前立腺がんの原因になりますか
性行為そのものが直接的に前立腺がんの原因になるという研究結果は、今のところありません。
これまで性行為の頻度と前立腺がんのリスクについて、さまざまな研究が行われましたが、はっきりとした関係性は見つかっていないのが現状です。
男性ホルモンと前立腺がんは関係がありますか
前立腺がんは、男性ホルモンに依存して増殖する性質があります。
しかし、男性ホルモンが直接的に前立腺がんを引き起こすという研究結果は、今のところありません。
前立腺がんは健康診断でわかりますか
前立腺がんは、腫瘍マーカーであるPSA(前立腺特異抗原)によって、早期発見につながる可能性があります。
PSAは、健康診断でメニューに含まれている場合や、オプションとして追加できる場合があります。
ただし、PSAの値が高くても、必ずしも前立腺がんであるとは限りません。PSAは前立腺肥大症や前立腺炎などの、がん以外の原因でも上昇する可能性があります。
現時点のリスクを知って今できることからはじめよう
前立腺がんには、加齢や生活習慣、遺伝などのリスク因子があります。
とくに50歳を過ぎた方や、家族に前立腺がんの経験者がいる方は、リスクが高いことを認識し、自身の健康に目を向けることが大切です。
前立腺がんは、早期発見によって治療の選択肢が広がり、予後の改善にもつながります。
がんリスクをチェックするには、自宅でできる検査キット「マイシグナル・スキャン」を活用する方法もあります。
今の自分のリスクを知って、これからの健康管理を無理なくはじめていきましょう。
\すい臓がんもステージ1から/
尿でがんのリスク検査
「マイシグナル・スキャン」
尿のマイクロRNAを調べ、がんリスクをステージ1から判定。早期発見が難しいとされるすい臓がんをはじめ、日本のがん死亡総数の約7割を占める7つのがんリスク※を、⼀度でがん種別に調べます。
- ※ 国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)、ただし造血器腫瘍を除く
この記事の監修者

近藤理美
臨床検査技師 医療ライター
急性期病院で8年間臨床検査技師として勤務。
自身の臨床経験と確かなエビデンスを元に、医療メディアを中心として記事を執筆