がんの症状

大腸がんの症状と原因: 初期症状・末期症状とおなら・便秘・下痢との関係を解説

  • 公開日: 12/18/2023
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  • 最終更新日: 12/20/2023
  • #大腸がん
大腸がんの症状と原因: 初期症状・末期症状とおなら・便秘・下痢との関係を解説
質問者

質問者

年を取ると便秘がちになりますよね?私も最近便秘がちで、すっきり出きらない感じが多くて。拭いたときに、若干血がついていることもあるんですが、お尻が切れたのかなと。

先生

先生

確かに年齢と共に運動量や食事量も減り、腸の動きも遅くなるので便秘になりやすくなります。しかし、便秘や残便感、排便時の出血の症状がある場合には病気の可能性もありますね。

質問者

質問者

…がんとかでしょうか?実はお尻が切れたにしては、血の量が少し多い気がして気になっていたんです。

先生

先生

男女共に40代から大腸がんが増えてきます。もし大腸がん検診を受けられたことがないなら、1度検査をしてみましょう。

2019年の大腸がんの罹患数は男性が約8.8万人、女性が約6.8万人で、がんの罹患数では男性第2位、女性第2位、男女合計では第1位と非常に多いがんです。(*1)(*2)

また、2021年の大腸がんの死亡数は男性が約2.8万人、女性が約2.4万人で、女性のがん死亡数第1位、男性でも第3位となっています。(*2)(*3)

大腸がんの罹患数・死亡数が多い背景には、ライフスタイルの欧米化が関係していると考えられています。

ここでは、大腸がんの症状と原因についてくわしく解説していきます。

この記事でわかること

  • 大腸がんは男女共に罹患数・死亡数が多い
  • 女性のがん死亡数1位が大腸がんである
  • 大腸がんのリスクは年齢や生活習慣の影響が大きい
  • 大腸がんは初期症状がない場合も多い
  • 症状が出る頃には進行している場合もあり、症状だけで早期発見するのは難しい
  • 大腸がん発見のきっかけで最も多いのは、自覚症状による受診(その他・不明も含む)である
  • 40歳を超えたら年1回、大腸がん検診を受けることが大切

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大腸がんとは

質問者

質問者

大腸がんってお尻に近いところのがんでしょうか?

先生

先生

大腸は、結腸と直腸に分けられます。結腸は、右の下腹あたりからはじまり、おへそを囲むようにコの字型になっています。結腸に続いて直腸があり、肛門につながっているのです。なので、お尻に近い直腸にできるがんもあれば、おへその周りに位置する結腸にできるがんもあります。

質問者

質問者

直腸がんと結腸がんを合わせて大腸がんというんですね。どちらのほうが多いんでしょうか?

先生

先生

罹患数は、直腸がんが約5万人に対し、結腸がんは約1万人と直腸がんの2倍多くなっています。(*1)

大腸は、小腸からつながる臓器で、主に消化された食物から水分を吸収し、残ったものを便にして排出する役割を担います。大腸の長さは1.5~2mあり、結腸(盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸)と直腸に分かれます。胃や十二指腸、小腸などの消化器の中で、大腸は小腸に次いで長い臓器です。

大腸でがんの発生が多い場所が、結腸の終わり部分に位置するS状結腸と、肛門に最も近い直腸です。大腸がんは、腺腫(良性のポリープ)が悪性化するものと、正常な粘膜から発生するものがあります。大腸の粘膜から粘膜下層、固有筋層へと少しずつ進行し、腹膜に散らばったり、リンパ節や遠くの臓器に転移したりします。

大腸がんの深達度が進むほど、治療の効果は低くなるため、できる限り早期発見することが大切です。

大腸がんの原因とリスク因子

大腸がんは、生活習慣や加齢がリスク因子となります。くわしくみてみましょう。

年齢が40代以上

大腸がんの罹患率は、男女とも40代以上で急激に増えます。(*1)そのため、市町村の大腸がん検診の対象も40歳以上となっています。

遺伝的な要因

大腸がんの70%前後は、加齢や生活習慣などのリスク因子が関係しています。そして、遺伝子異常によって大腸がんが発生する場合が5%程度、遺伝子異常との関係は明らかではないが近親者に大腸がん患者が複数いる場合が20~30%程度あります。(*4)

現在明らかになっている主な遺伝性大腸がんは以下のとおりです。

  • 家族性大腸ポリポーシス(家族性大腸腺腫症)
  • MUTYH関連ポリポーシス
  • ポイツ・ジェガース症候群
  • 若年性ポリポーシス症候群
  • PTEN過誤腫症候群(カウデン症候群)
  • リンチ症候群

家族性大腸ポリポーシスのように、大腸にポリープが100個以上できるなどの特徴を持つものと、リンチ症候群のように遺伝子検査をしないと正確に診断できないケースがあります。

遺伝子検査は血液での検査となりますが、検査キット「マイシグナル」は、唾液や尿だけで大腸を含む7つのがんの遺伝的リスクや現在のリスクをチェックできます。気になる方はこちらのがんに特化した遺伝子検査「マイシグナル・ナビ」をご覧ください。

喫煙、飲酒

大腸がんのリスク因子として、喫煙と飲酒があります。男性では、日本酒で1日平均1合以上飲む人は、飲酒しない人に比べて大腸がんの発生率が1.4倍となり、1日平均2合以上の人は、2.1倍になることがわかっています。(*5) 女性の場合も大量に飲酒をすると、同様の結果が出るでしょう。

喫煙による大腸がんのリスクは、たばこを吸わない人に比べて喫煙者の大腸がん発生率は男女とも1.4倍です。そして、たばこをやめた人も1.3倍という結果が出ています。(*5)

喫煙も過度な飲酒もしないことが大腸がんの予防には効果的であると言えます。

赤身肉・加工肉

食事も大腸がんの要因のひとつです。牛や豚、羊などの赤身肉や加工肉は、大腸がんのリスクを上げることがわかっています。反対に、食物繊維を多く含む食品は、大腸がんのリスクを下げます。大腸がんの予防には、野菜を多くとることが必要です。

運動不足・肥満

運動不足は肥満を招きます。肥満は大腸がんのリスクとなるため、適度な運動と、栄養バランスを意識した食事をとることが大切です。

大腸ポリープ

大腸にできるポリープ(粘膜がいぼのようになったもの)の中には、悪性化するものがあり、大腸がんのリスク因子となります。大腸がんになる可能性のあるポリープが、腺腫です。腺腫は大腸内視鏡検査でよく見つかるポリープですが、切除することで将来、大腸がんになる確率を減らすことができます。

すべての腺腫が大腸がんになるわけではないので、切除のタイミングは医師と相談しましょう。

大腸がんの初期症状はない?おならは無関係

質問者

質問者

最近、おならがよく出るんです。もしかして大腸がんと関係があるんでしょうか?

先生

先生

便秘や下痢が起こると、おならが出やすくなりますね。便秘や下痢の原因が、大腸がんである可能性も考えられますが、おならがよく出るから大腸がんの可能性が高いとは言えません。

質問者

質問者

おならのにおいがきつい場合は、大腸がんと関係があるんでしょうか?

先生

先生

おならのにおいは、便秘や下痢などの便通の変化や食事内容によって変わります。大腸がんがあることでおならのにおいが変化するとは言えませんが、大腸がんによって便通の変化が起これば、においが変化することもあるでしょう。

大腸がんの初期には症状がないことも多く、おならの頻度やにおいで大腸がんの有無を判断することは難しいと言えます。しかし、いつもと違う症状が続く場合は、なんらかの異常が起きている可能性が考えられます。一度、医療機関を受診してみましょう。

大腸がんの進行速度と進行してくると現れる症状

質問者

質問者

どんな症状があったら大腸がんが疑われるんでしょうか?

先生

先生

大腸がんは初期にはほとんど症状がありません。進行すると、便通の変化のほか、血便、便の状態がいつもと違う、体重の減少、貧血、お腹のはりなどの症状がみられるようになります。

大腸がんの病期(ステージ)は以下の通り、5段階に分類されます。

0期 がんが粘膜内にとどまる
Ⅰ期 がんが固有層にとどまる
Ⅱ期 がんが固有筋層の外まで浸潤している
Ⅲ期 リンパ節転移がある
Ⅳ期 血行性転移(肝転移、肺転移)または腹膜播種がある

大腸がんの0期やⅠ期で​​​​​​​発見できれば、5年相対生存率は90%以上となります。しかし、Ⅲ期では70%代となり、Ⅳ期では20%程度と5年相対生存率が大きく低下します。(*6)できる限り早期に発見するには、大腸がん検診を定期的に受けることと、大腸がんの進行時の症状を知っておくことが大切です。

血便

血便とは、血液が混じった便のことです。がんが進行すると、大腸内で出血が起こり、血便がみられることがあります。

大腸の前半部分である盲腸や上行結腸、横行結腸からの出血では便に赤い血液が混じり、後半部分である下向結腸やS状結腸、直腸からの出血では真っ赤な血液が混じった便が排出されます。

ただし、血便は大腸がん以外にもみられる症状です。痔や大腸ポリープ、大腸憩室出血(憩室と呼ばれる袋状のへこみが多数できる状態)、虚血性腸炎(大腸の一部に血液がいきにくくなり、炎症が生じた状態)などでも血便が出ます。

血便だけではどんな病気が原因かはわかりませんが、なんらかの異常が生じている可能性が高いため、早めに医療機関を受診しましょう。

急な便秘・下痢を繰り返す

がんが大きくなると、大腸の内腔が狭くなり、便秘や一定の時間をおいて下痢を繰り返すなど、便通の異常が起きやすくなります。

さらにがんが大きくなると、便が通過できずに腹痛や嘔吐などの症状が起こることもあります。

便通異常は、大腸がんや潰瘍性大腸炎、クローン病などの大腸の異常のほか、甲状腺の機能異常、糖尿病、生理周期や妊娠中などホルモンの変化によっても起こります。

また、薬剤性の便秘や下痢も存在します。

その他、コロコロ便、残便感、便が細くなるなどの便の性質変化

直腸がんが大きくなると、内腔が狭くなるため、便が細くなったり、コロコロした小さな便になることがあります。また、排便後も便が残ったように感じる残便感がみられることもあります。

コロコロした便は便秘のときにも出やすく、残便感は痔のときにも起こりやすい症状です。

体重減少

大腸がんの進行によって、大腸の中を便が通過できなくなると、食事がとれなくなります。また、増殖したがん細胞から放出される物質(炎症性サイトカインなど)によって食欲低下や代謝の異常などが起こり、体重が減ることがあります。

過去6か月間の体重減少が5%を超える場合(BMI*が20未満の場合は2%を超える場合)には、要注意です。日頃から体重を測っておくことをおすすめします。

  • *BMIは肥満度の指標で、[体重(kg)]÷[身長(m)×身長(m)]で求められます。

貧血

がんの進行によって貧血が起こる場合があります。大腸がんからの出血が増えることや、食事がとれなくなることによる栄養障害などが原因として考えられます。

貧血は女性に多い症状ですが、血便や便通異常などの症状がある場合には医療機関へ受診しましょう。

お腹のはり

がんが大きくなると大腸の内腔が塞がれ、便やガスの排出がしにくくなり、お腹のはりの原因となります。

お腹のはりは、便秘などの便通異常や食べ過ぎなどでも起こる症状ですので、血便や便の異常など、ほかの症状がないか確認しましょう。

お腹のしこり

がんが大きくなることで、皮膚の上からお腹を押さえるとしこりのようなものを感じる場合があります。

手遅れの可能性も?大腸がんの末期症状とは

質問者

質問者

大腸がんは初期症状があまりないそうですが、進行すればこれ!という症状があるんでしょうか?

先生

先生

大腸がんの進行が進むと、血便や便通の異常などがみられます。さらに進行すると、がんが大きくなって便が通らなくなり、腹痛や嘔吐等の症状がみられます。これが「腸閉塞」です。

また、がんが大腸の外に広がると、腸管から持続的な出血が起こり、血便や重度の貧血がみられます。大腸の周りにある腹膜にがんが散らばると、「腹膜播種(ふくまくはしゅ)」と呼ばれる状態になり、お腹に水が溜まったり、激しい腹痛が起こったりします。

質問者

質問者

とても苦しそうですね。そんな症状が出たら手遅れ…なんでしょうか?

先生

先生

Ⅳ期の末期大腸がんでは、5年相対生存率が20%程度となります。Ⅲ期で70%代ですので、生存率が大きく下がることになります。もちろん、Ⅳ期でも10年以上生きられるケースもあり、患者さんの持病の有無や年齢、転移の範囲などによって予後は一定ではありません。(*6)

しかし、できるだけ早いステージで大腸がんを発見することが大事ですので、体調に異変を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。

末期の大腸がんでみられる状態と症状は下記のとおりです。

腸閉塞
がんによって腸管の通りが悪くなる状態で、腹痛や吐き気、嘔吐などの症状がみられます。

貧血
がんの進行によって腸管から出血が続くと、貧血となります。動悸や息切れ、だるさ、顔色の悪さ、立ちくらみなどの症状がみられます。

腹膜播種(ふくまくはしゅ)
腹膜にがんが転移した状態で、腹水(お腹の中に水が溜まる状態)によるお腹のはりや腹部の異常な膨らみ、激しい腹痛などの症状がみられます。

さらに、大腸から離れた肺や肝臓などの臓器やリンパ節に転移することで、さまざまな症状を引き起こします。

大腸がんに気づいたきっかけは自覚症状ではない?

大腸がんを発見した経緯として、初期では他疾患の経過観察中に見つかるケースが最も多く、次いで人間ドックや健康診断・がん検診で見つかる割合が多いです。

しかし、ステージが上がるに従い、自覚症状による受診(その他・不明も含む)の割合が増え、全ステージで見ると最も多くなります。もし、人間ドックや健康診断・がん検診を受ける人が増えれば、初期段階で見つかる人はもっと増えるでしょう。

自覚症状で気づいた場合、ある程度がんが進行しているケースもあるため、定期的にがん検診などを受けることが大切です。市町村の大腸がん検診は40歳以上を対象に年1回となっていますので、受けるようにしましょう。20代や30代で大腸がんになることもありますので、気になる症状のある方は医療機関を受診することをおすすめします。

大腸がんの検査方法とは

大腸がん検診では、便を採取するだけで受けられる便潜血検査を行います。便を2日分採取し、便に血液が混じっていないかを検査します。痛みや体への負担がない検査なので安心して受けましょう。

ただ、大腸がんがあっても、出血していない場合や採取した便に血液が混じっていない場合に陰性となることがあります。

より確実な検査方法が、大腸内視鏡検査です。便潜血検査で陽性であった場合や、大腸がんが疑われる場合に大腸内視鏡検査が行われます。大腸内視鏡検査は、肛門から内視鏡を挿入し、大腸の様子をカメラでリアルタイムに観察する検査方法です。もしがんと疑われる部分があった場合、切除して組織をくわしく調べることができます。

大腸がんの検査については、こちらの「大腸がんを早期発見、大腸がん検査の方法・費用・頻度」もご覧ください。

まとめ、大腸がん早期発見のためにできること

それではこの記事をまとめましょう。

  • 大腸がんは男女共に罹患数・死亡数が多い
  • 女性のがん死亡数1位が大腸がんである
  • 大腸がんのリスクは年齢や生活習慣の影響が大きい
  • 大腸がんは初期症状がない場合も多い
  • 症状が出る頃には進行している場合もあり、症状だけで早期発見するのは難しい
  • 大腸がん発見のきっかけで最も多いのは、自覚症状による受診(その他・不明も含む)である
  • 40歳を超えたら年1回、大腸がん検診を受けることが大切

大腸がんの早期発見には、がん検診を定期的に受けること、体調に異常を感じたら早めに医療機関を受診することが大切です。大腸がん検診である便潜血検査は、体への負担もなく、簡単に受けられる検査です。健康診断や人間ドックで受けることもできるため、年に1回は受けておきましょう。

また、大腸がんの症状を知っておくことで異常に早く気づくことができます。どんな症状があるか知っておきましょう。

そして、大腸がんのリスクを下げるには、生活習慣を見直すことが必要です。食生活や運動習慣、飲酒や喫煙習慣など、改善できるところはどんどん変えていきましょう。

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参考
  • 本記事に記載されている費用は当社(Craif)が独自で調べたものになります。実際の費用は各医療機関にお問い合わせください。

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